著者
釜付 弘志 金倉 洋一 野村 裕久 永田 文隆 石川 順子 新里 康尚 山口 陽子 丹羽 邦明 森川 重敏 高橋 正明 米谷 国男 徳永 泰基 石川 洋 伊藤 誠
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.849-858, 1995-04-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1

従来, 切迫早産の治療は安静療法が主で, その補助療法として薬物療法がある。しかしその副作用や投与限界量等により, 有効な治療効果が達成できないことがある。今回我々はこのような症例に対して灸療法と, その原理から電気的に考案されたマイクロ波発振装置による刺激療法を行い, 良好な結果を得たのでここに報告する。妊娠24週以降の切迫早産患者に対して至陰, 湧泉, 三陰交の穴に灸療法を行った。その結果, 灸療法により作用時間は短かったが子宮緊張が緩和され, 胎動が増加し, 臍帯動脈, 子宮動脈の血管抵抗が低下することがわかった。また, マイクロ波刺激を頻回に行うことにより同様の効果を長時間持続でき, しかも副作用は認められなかった。その結果, 薬物療法に灸療法を併用すると薬物の使用量を減らすことができ, それによって副作用の発現頻度を抑えることができた。灸療法は切迫早産の新しい治療法として有効かつ安全であると考えられた。
著者
石川 洋子
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.1-9, 2010-09-24 (Released:2018-02-01)

Advocacy in nursing, is a central concept in terms of protecting the interests and rights of patients as well as establishing and improving the expertise and social status of nurses. In fact, advocacy is a role played not only by nurses, but by all medical professionals. Advocacy is an important concept for nursing with extensive meaning and contents. Consequently, confusion can occur due to the uncertainty advocacy poses for nursing practice. Moreover, advocacy is accompanied by risk and difficulty, and there are no clear guidelines on how to implement it. It is necessary to enhance education and improve the workplace environment to practice advocacy effectively. It is also essential that nurses reconsider their values and how they support patients while collaborating with other medical professionals.
著者
石川 洋行
出版者
日本社会学理論学会
雑誌
現代社会学理論研究 (ISSN:18817467)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.81-93, 2014 (Released:2020-03-09)

J. ボードリヤールの消費理論において余暇と自由時間の不可能性が繰り返し論じられているのは単なるニヒリズムからではない。『消費社会』をはじめとするその初期の仕事では、外部性を喪失した自己準拠的システム、超越性の解体、記号的なコミュニケーションの跋扈、そして構造=関係的因子の過剰による主体性の消滅といった問題点が呈示され、その各々に貨幣、記号論、人類学、精神分析などの諸理論が援用されることで、多様な思想史的射程を背景に消費社会のシステム論的読解が試みられる。翻ってこれらの問題は、余暇領域において時間の強迫観念的な交換価値化、「気遣い」の過剰、主体性の裂開という様々な矛盾をもたらすことになる。逆に言えば現代的な余暇活動に積極的意義を見出すならば、そのような単一な自己準拠的システムからの脱出が試みられる限りにおいてに他ならないのである。ボードリヤールは、資本=科学の駆動があらゆるモノを可換化し、人間学的に形成された様々な象徴秩序を解体させていく様子をその外側からリアリスティックに描こうとする。それは、聖俗の秩序が完全に消失し、平板化した記号的現実の日常のもとに演ぜられる、擬態的なシミュレーションの世界の到来を予測させるものであった。
著者
桑江 朝比呂 三戸 勇吾 有川 太郎 石川 洋一 木所 英昭 澁谷 容子 志村 智也 清野 聡子 羽角 華奈子 茂木 博匡 山北 剛久 李 漢洙 金 洙列 久保田 真一 倉原 義之介 辻尾 大樹 二宮 順一 伴野 雅之 古市 尚基 安田 誠宏 森 信人 武若 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-17, 2021 (Released:2021-02-20)
参考文献数
67

今後の我が国の沿岸分野における気候変動対応で取り組むべき課題について,どのような内容に研究者が関心を抱いているのか検討された例はない.そこで,気候変動に関連する様々な学会に対してアンケートを実施した.その結果,「気温・海水温」,「生物多様性の減少」,「海面上昇」,「極端気象・気候」,「温室効果ガス」,「生態系サービスの劣化」,「台風・低気圧」,「水産物の減少」,「国土減少・海岸侵食」,そして,「漁業管理」が優先すべき課題の上位10キーワードとして選択された.すなわち,自然現象や人間活動への影響に関する課題解決の優先度が高く,緩和・適応策の優先度は低かった.これらのキーワードの選択理由について考察するとともに,我が国における現状と今後の課題や展望について,キーワードごとにとりまとめた.

3 0 0 0 OA 私の障害学

著者
石川 洋明
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.191-202, 2014-12-30
著者
齊藤 順平 歌野 智之 倉富 未来 廣川 太士朗 小村 誠 赤羽 三貴 牧山 稔 石川 洋一
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-7, 2018-01-10 (Released:2019-01-10)
参考文献数
12
被引用文献数
4 1

The methods for the preparation of hospital drugs (i.e., powder dilution, opening the capsule shells and tablet crushing) are not validated and vary among medical facilities. In order to explore a quick and effective preparation method for dantrolene sodium diluted powder from capsule formulation without any weight loss and to maintain acceptability in pediatric patients, the uniformity test, particle size distribution analysis, pass efficiency test (the feeding tubes patency) and sensory evaluation of the mouth feel were examined.The diluted powder prepared by the capsule opening method has uniformity, although the recovery rate was slightly low compared to the crushing method. The crushing of whole capsules using the mill provided non-uniformity of content and variable particle size distribution. The contamination of capsule shell debris is probably part of the explanation for the non-uniformity of the contents. The powder sieved through a 100-micron screen following capsule crushing provided uniformity of contents without any loss. The results of passing tests, and administration via a feeding tube including gastrostomy were acceptable in both capsule opening and capsule crushed powder formulation. In the sensory test, the products that were screened using a 100-micron screen filter after capsule crushing had a less gritty mouth feel. These results suggest that capsule crushing and screening are validated as an alternative preparation method for dantrolene sodium diluted powder.In this study, we succeeded in developing effective methods for dantrolene sodium diluted powder. Most hospital preparations were not validated for pediatric patients and further tests in practical use are required.
著者
小林 正明 清水 光 藤井 温子 石川 洋
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.47(2005-MBL-033), pp.37-42, 2005-05-25

本稿では、交通工学と制御工学を統合させるシステム理論的観点から、交通ネットワークの交通流ダイナミクスを制御する信号制御システムや動的経路誘導システム、ならびにこれら2つのダイナミックシステムをオンラインリアルタイム結合させた交通流制御システムについて提案する。最初に、信号交差点の交通流ダイナミクスの基礎となる交通量収支において、捌け交通量の上限値を決定する交通処理量は、ある交通条件と信号制御条件のもとで道路設計によって決定される。交通流ダイナミクスを車線単位、サイクル長単位で解析するために、信号交差点の動的交通情報について調査する。つぎに、時々刻々と変動する交通流ダイナミックスシステムを記述しオンラインリアルタイムで制御する大規模システムを、3レベルの階層制御を用いて構成する。最後に、交通工学と制御工学の統合例として、信号制御システムと動的経路誘導システムの構成や機能、有効性などについて示し、交通流制御システムの構成や制御アルゴリズムについて提案する。
著者
石川 洋文 平井 安久
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、本邦北海道全域にその感染域が拡大し、また本州に感染の侵入が懸念されている人畜共通感染症であるエキノコックス症(多包条虫症)について、伝播に関する数理モデルを構成し、シミュレーションを通して宿主動物に対する対エキノコックス・コントロール対策効果予測を行い、医学者・獣医学者との協力のもとで住民の感染危険防止に貢献することである。エキノコックスは、人に感染すると悪性腫瘍にも似た重篤な症状を引き起こし死に至ることもあり、4類感染症(感染症予防法)に指定され、北海道庁では、エキノコックス対策協議会を設け、その流行抑制を図っている。また、新興・再興感染症として、厚生労働省ではその感染源対策を推進している。エキノコックスは、Definitive hostsとIntermediate hosts間の相互作用による複雑な生活環を形成し、人にも感染する虫卵は、自然環境下に排出される。現在の技術では、人の感染しうる自然環境下の活性虫卵量の測定は不可能であり、また宿主動物に対する対エキノコックス・コントロール対策は多額の費用及び大量の労力を要することから、モデル・シミュレーションを用いた予測、判定が有用であり、真に役立つ精密モデルを構築することである。本研究では、Definitive hostであるキツネを個々に取り扱い、エキノコックスの感染進行を確率的に取り扱った。モデルをより現実化するために、個々のキツネについてエキノコックス感染荷を用いた。この感染荷は、捕食した野ネズミの原頭節量とキツネの感染経験により左右される。本研究では、北海道小清水及び札幌を研究対象地として確率シミュレーションを1,000回繰り返し結果を得た。この結果、コントロール対策としてキツネの駆虫薬散布を行うとき、散布時期の選択が重要となることが分かった。本研究で実施した確率シミュレーションは、感染率などを中央値とともに信頼区間を得ることができ、エキノコックスのような複雑な感染環をもつ疾患の解明、コントロール対策の評価に役立つものとなった。
著者
石川 洋明
雑誌
人間文化研究 (ISSN:13480308)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.37-49, 2006-06-24

男性の「男らしさ」について、調査データ(N=218、非無作為抽出、回答者は男女双方)の二次分析により検討した。多変量解析の結果、「男らしさ」は、行動様式で6つ、意識でも6つ、配偶者とのコミュニケーションで3つの成分が抽出された。成分得点の回答者属性による差から、50代既婚男性が性暴力問題に最も懐疑的で家庭外達成志向が強く、20代男性が最も感情表現や子のケアに積極的であることがわかった。また、男性の回答から、「男らしくない」と言われるのは、配偶者への期待が低く、仕事を断れる人、「男らしくありたい」と思う人は、近所づきあいがよく、仕事を断ることができず、男は経済力・忍耐が必要で家事には向かないと思っている人であることがわかった。総じて、ワークライフバランスのうちではワークに特化することが男らしさである、と考えられていることが確認された。ただし、40代と既婚者に、それにとどまらない傾向も見られた。
著者
石川 洋行
出版者
東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室
雑誌
研究室紀要 (ISSN:02857766)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.67-78, 2015-07-31

研究論文 IIArticles II
著者
石川 洋二
出版者
一般社団法人日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.305-309, 2014-09-05

建設会社の視点を生かしつつ構想した長さ96,000kmの宇宙エレベーター建設構想を紹介する.本構想は,カーボンナノチューブ製のケーブル,地球の発着場であるアースポート,ケーブルを昇降する乗り物であるクライマー,各高度に設置されたステーションから構成される.主要な建設工程はケーブルの建設であるが,最初の一本のケーブルを静止軌道から降ろしてきた後,そのケーブルを用いて補強用クライマーがケーブルを補強する.クライマーが昇降できるようケーブルにはあらかじめ張力をかけ,510回の補強により約20年かけてケーブルを建設する.ケーブルダイナミクスの解析結果から,風やクライマーによるコリオリ力の影響は制御できるものと考えられた.アースポートの主要部は海上の浮体構造物とし,ケーブルを固定し,張力を制御する.静止軌道ステーションはモジュール構造から構成され,宇宙太陽光発電システムの建設も担う.建設スケジュールとコストも検討した.
著者
石川 洋 二木 厚吉 渡部 卓雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス
巻号頁・発行日
vol.98, no.295, pp.23-30, 1998-09-22
被引用文献数
3

並行システムの動作の詳細を把握するのは一般的には困難である.本研究では, 並行システムの例として有機的プログラミング言語GAEAをとりあげる.本言語は有機的プログラミングと呼ばれる新しいソフトウェア構築方法論に基づいておりプログラムの動的変更や並行処理が可能である.この言語はPrologを基礎としてるので並列論理型プログラミング言語と考えることができる.そこで本言語は並行システムとみなし, そのシステムの計算状態や動作の明示的な記述を試みている.その記述は状態を持つ並行システムの動的変化が表現可能な書き換え論理を用いて与えている.