著者
米村 雅人 藤城 法子 元永 伸也
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.75-83, 2022 (Released:2022-01-31)
参考文献数
26

日本,欧州,米国における医薬品添付文書に係る規制は,各国の規制当局において管理されている.日本における医薬品添付文書に相当するものは,欧州では欧州製品概要(summary of product characteristics: SmPC),米国ではLabelingとして扱われている.この添付文書における避妊に係る情報記載内容に関して,日本,欧州および米国における内容に差異があることがわかった.海外の添付文書において,具体的な避妊期間の記載がある場合においても,国内添付文書においては「一定期間の避妊」とする具体性の乏しい記載があることもわかった.米国では,「Oncology Pharmaceuticals: Reproductive Toxicity Testing and Labeling Recommendations Guidance for Industry」が2019年5月に発出され,各医薬品に関する血中濃度半減期にもとづく具体的な避妊期間の注意喚起がされている.本邦の添付文書における避妊期間の記載においても,具体的な期間が記載される必要があると考える.
著者
阿部 健太郎 三浦 智史 藤城 法子 沖崎 歩 吉野 名穂子 青木 茂 内藤 明美 真野 泰成 齊藤 真一郎 山口 正和 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.85-91, 2021 (Released:2021-03-22)
参考文献数
15

【目的】進行がん患者の遺族からみた多剤併用の状況と内服負担に関する体験や認識を明らかにする.【方法】がん患者の遺族303名に自記式質問票を郵送し,回答を得た.1回6錠以上の内服を多剤併用群,1回6錠未満の内服を非多剤併用群とし,内服負担や体験,認識について単変量解析を行った.102名の結果を解析した(有効回答率33.7%).【結果】多剤併用群(65名)は,非多剤併用群(37名)よりも遺族が患者の内服負担を感じた割合が高値であった(43.1% vs 10.8%,p<0.01).内服負担が少ない服用方法としては,現状よりも1回の服用錠剤数を減らしたいと希望していた.多剤併用群の遺族は,内服薬が多いことの懸念が強く,医療者からの内服薬に関する説明や相談できる医療者を希望していた.【結論】医療者は,服薬状況の確認とともに薬に関する家族の懸念についても十分に配慮する必要があることが示唆された.