著者
神庭 重信 鬼塚 俊明 加藤 隆弘 本村 啓介 三浦 智史
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

うつ病の神経炎症仮説に基づき、動物実験としては、グラム陰性菌内毒素をマウスに投与して、行動および脳内の組織化学的変化について研究した。広範囲に及ぶミクログリアの一過性の活性化は見られたが、それを通じたアストログリア、オリゴデンドログリアへの影響は検出できなかった。ミクログリア活性化阻害物質であるミノサイクリンの投与は、内毒素投与の有無にかかわらず、抑うつ様行動を惹起した。培養細胞系では、ヒト末梢血中の単球から、ミクログリア様細胞を誘導することに成功し、気分障害罹患者を対象とする画像研究でも、拡散テンソル画像を集積した。これらの研究を通じ、うつ病と神経炎症の関連についてさらに知見を深めた。
著者
西 智弘 森 雅紀 松本 禎久 佐藤 恭子 上元 洵子 宮本 信吾 三浦 智史 厨 芽衣子 中野 貴美子 佐藤 一樹 下井 辰徳 田上 恵太 江角 悠太 坂井 大介 古川 孝広 森田 達也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.184-191, 2013 (Released:2013-07-05)
参考文献数
16
被引用文献数
1 1

【背景】わが国における緩和ケアの需要は年々高まり, 緩和ケア医の養成は重要な課題である. しかし, 緩和ケア医を目指す若手医師が, 教育研修体制やキャリア構築などに対して, どのような満たされないニーズを抱えているかは明らかになっていない. 【目的】緩和ケア医を目指す若手医師が抱えるニーズを明らかにする. 【方法】卒後15年目までの医師を対象にグループディスカッションを中心としたフォーラムを行い「必要としているけれども十分に満たされていないことは?」などに対する意見をテーマ分析を用いて分析した. 【結果】40名の医師が参加した. 若手の抱えるニーズは, 「人手の確保」「研修プログラム・教育の質の担保」「ネットワークの充実」「緩和ケア医を続けていくことへの障害の除去」「専門医として成長する道筋の確立」であることが示された. 【結論】緩和ケア医を育成していくため, これら満たされないニーズの解決を議論していくべきである.
著者
三浦 智史 松本 禎久 沖崎 歩 大石 麻里絵 鈴木 時子 元永 伸也 坂本 はと恵 關本 翌子 阿部 恵子 木下 寛也
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.107-115, 2013 (Released:2013-02-28)
参考文献数
17
被引用文献数
1

【背景・目的】国立がん研究センター東病院 緩和ケア病棟(PCU)では, 在宅支援診療所と連携しPCUの急性期運用に努めている. 今回, PCUから自宅への退院の予測因子を探索した. 【方法】当院PCUに入院した患者を対象とし, 入院診療録を後ろ向きに調査した. 2回目以降の入院またはperformance status (PS) 4の症例は解析から除外した. 転帰を退院群と死亡・転院群に分け, ロジスティック回帰分析を実施した. 【結果】2010年10月から2011年9月の1年間に解析対象患者は223名. 退院63名(28.3%), 死亡・転院160名(71.7%)であった. 多変量解析の結果, 自宅からの入院, PS 2以下, Spo2 97%以上, 入院24時間の摂取カロリー450 kcal以上, 呼吸困難なし, 腹部膨満感なしが独立した因子であった. 【結論】今回の結果を念頭に入院時スクリーニングを行うことで, 退院可能な患者を選択しうると考える. 本研究は後ろ向き研究で限界があるため, 今後, 前向き研究で妥当性を検証する必要がある.