著者
櫻井 健一 小笠原 茉衣子 芳沢 昌栄 岸田 杏子 奥山 貴文 増尾 有紀 秋山 敬 榎本 克久 天野 定雄 藤崎 滋 槙島 誠
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.179-182, 2015-08-01 (Released:2016-01-25)
参考文献数
10

リンパ節転移を伴った甲状腺微小癌を経験した.症例は68 歳,女性.甲状腺腫瘍を指摘され来院した.超音波検査で甲状腺に多発する腫瘍を認めた.穿刺吸引細胞診を施行したところ左葉の直径5 mm の腫瘤のみがClass IV の診断であった.甲状腺亜全摘術+リンパ節郭清術を施行した.病理組織診断は多発する腺腫様甲状腺腫と直径5 mm のpapillary carcinoma であり,左気管傍リンパ節に転移を認めた.微小癌の予後は良好とされるが,今後の慎重な経過観察が必要であると考えられた.
著者
朴 英智 大井田 尚継 森 健一郎 永田 靖彦 藤崎 滋 秦 怜志 三宅 洋 富田 凉一 天野 定雄 福澤 正洋
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.637-640, 1999-08-30
被引用文献数
1

十二指腸乳頭部腺腫は比較的稀な疾患である。今回われわれは本疾患に対し乳頭全切除+乳頭形成術を施行し良好な結果を得た1例を経験したので報告する。症例は62歳, 男性。検診にて肝機能障害を指摘されるも放置していたが, 徐々に黄疸出現し当院内科入院となる。十二指腸内視鏡所見で十二指腸乳頭部に径2.5cm大の表面平滑で結節状の腫瘤を認め, 生検にてAdenomaと診断された。内視鏡的切除は困難と判断され手術目的にて当科紹介となり手術施行した。手術は術中迅速病理でAdenomaと診断され, 断端は腫瘍細胞 (-) であることを確認し, 乳頭全切除+乳頭形成術を施行した。経過良好で術後3週目に退院した。十二指腸乳頭腺腫は腺腫の再発, 腺腫内癌や癌の発生などが議論されているが, 腺腫の遺残がなく乳頭全切除が可能ならば乳頭全切除+乳頭形成術が十二指腸乳頭腺腫に対する術式の第一選択と考えられる。