著者
石橋 忠良 藤森 伸一 大庭 光商 津吉 毅
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.29, no.12, pp.33-42, 1991-12-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
7
被引用文献数
1

青森ベイブリッジは, 青森港の東西の港湾施設の一体化を目的とした臨港道路であり, その主橋部は, 中央径間240m, 橋長498rnの日本最大級の3径間連続PC斜張橋である。本斜張橋は, 逆Y形主塔による広幅員一面吊り構造であり, 斜材には, 規格引張強度1942tの大容量現場製作斜材を採用し, その外套管には, FRP管を使用した。本文では, PC斜張橋の上部工の設計, 施工のうち, 主げた, 斜材の施工, および張出し架設中の施工管理について報告する。
著者
佐藤 憲昭 網塚 浩 山村 朝雄 芳賀 芳範 四竈 樹男 阿曽 尚文 神戸 振作 本間 佳哉 藤森 伸一 山上 浩志
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題の最大の目的は、国際規制物資であるウランなどのアクチノイド元素^<*1>を含む化合物の物性研究を行うための拠点を東北大学金属材料研究所アルファ放射体実験室に形成することである。 この目的のために、 単結晶育成^<*2>のためのテトラアーク炉、および育成された試料の基礎物性を評価するための分析装置を金研アルファ放射体実験室に設置・導入した。その結果、 "超伝導を示す磁石"^<*3>における超伝導発現機構の解明に成功を収めた。さらに、アクチノイド元素だけでなく希土類元素^<*4>を含む物質にも研究を展開し、準結晶^<*5>を含む新分野の開拓に貢献した。[*1] ウランなどは国際規制物資として管理され、その取り扱いには厳しい制限が付されている。金研アルファ放射体実験室は、このような国際規制物資を取り扱うことが許可された施設である。 また、 そこには、 アクチノイド元素(周期表で最下段に位置する元素の集合で、トリウム、ウラン、ネプツニウムなどから成る)を安全にハンドルするための多くの装置と経験が蓄積されている。[*2] 目に見える大きさのスケールまで原子が規則正しく配列した結晶を単結晶と呼ぶ。[*3] 従来の物理学では、磁石と超伝導は犬猿の仲であり、磁石は超伝導にはならないと考えられてきた。しかしアクチノイド化合物の中には、磁石でありながら超伝導を示すものがある。磁石が何故超伝導を示すかという問題は、物理学上の重要な課題の 1 つとなっている。[*4] 周期表でアクチノイドの上段に位置する元素の集合で、アクチノイドと類似の性質を示す。[*5] 周期性を持たず、結晶では許されない回転対称性を持つ物質を準結晶と呼ぶ。
著者
藤森 伸一
出版者
独立行政法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題では、ウランを構成元素として含む化合物において観測されている磁性状態、および物性物理学における25年来の謎であるUru_2Si_2における「隠れた秩序状態」の機構を明らかにするため、物質の電子状態を明らかにすることができる角度分解光電子分光を用いてその電子状態を解明した。その結果、「隠れた秩序状態」を担っている「5f電子」は結晶内を自由に動き回ることができる「遍歴状態」にあることが明らかとなった。これは「隠れた秩序状態」を解明する上において最も基礎的な情報であり、その解明に向けて大きく前進することができた。