著者
中野 晃生 西原 昇吾
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.177-179, 2005 (Released:2006-12-27)
参考文献数
12

石川県珠洲市の農業用水池で駆除されたオオクチバス Micropterus salmoides の胃より得られた小型哺乳類は, ヒミズ Urotrichus talpoides と同定された. 含まれていたものは, 下顎骨, 表皮と前肢, 後肢及び尾であった. また, ヒミズが摂食された過程について考察した.
著者
西原 昇吾 苅部 治紀 鷲谷 いづみ
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.143-157, 2006-12-05 (Released:2018-02-09)
参考文献数
91
被引用文献数
6

水田および周辺のため池などの一時的-永続的止水域に生息するゲンゴロウ類は、休耕田の乾燥化、ため池の管理放棄、大規模開発、採集圧や侵略的外来種の侵入などの様々な要因が重なり、現在では危機的な生息状況にある。全国各都道府県から刊行された最新のRDBを比較検討したところ、スジゲンゴロウは8府県、コガタノゲンゴロウは6府県、シャープゲンゴロウモドキは4都府県、ゲンゴロウは2県で絶滅種として掲載されていた。神奈川県では、さらにツブゲンゴロウなど4種類の小型種もRDB掲載種であった。比較的情報の多いシャープゲンゴロウモドキについて現地調査および文献収集によって現状把握を試みたところ、戦前に知られていた生息地はすべて消失していることが判明した。1984年の千葉県での再発見以降、生息地の発見が各地で相次いだが、その後、それらの生息地は急速に失われ(全国6割減)、石川県以外で生息が認められた県においても、各県に残されている生息地はそれぞれ数ヶ所以下であることも明らかになった。比較的多くの生息地が残されている石川県においても、休耕田の乾燥化、ため池の管理放棄、大規模開発、採集庄や侵略的外来種の侵入などによって一層の減少が危倶される状況であった。一方、保全条例の制定や休耕田の湛水化など、保全に向けた取り組みも進展し始めている。本稿では、ゲンゴロウ類と共存するための農村整備のあり方についても考察した。
著者
山崎 卓 日高 敏郎 川崎 浩正 西原 昇 桑澤 隆補 扇内 秀樹
出版者
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
雑誌
有病者歯科医療 (ISSN:09188150)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.12-19, 2001-01-20 (Released:2011-08-11)
参考文献数
16

口腔機能, 特に咬合および咀嚼は全身の健康保持に重要な役割を果たしている。今回われわれは, 肥満症患者の口腔疾患および咀嚼機能を調査し, 健常者との比較検討を行なったので報告する。肥満症患者32例に対し10項目について検討し, 対照群との比較検討と肥満症患者群の病態別の比較検討を行ない有意差検定を行なった。対照群に比較し肥満症群では, う蝕症と咀嚼機能については差がなかったが, 歯周病による喪失歯が多くCPITNが高かったことから歯周病の発症, 進行が認められた。また肥満症群を病態別に検討すると, 推定罹病期間別と治療法別では差がなかったが, 中・高齢者群でう蝕と歯周病, 重症群と喫煙群で歯周病の進行が認められた。