- 著者
-
堀口 俊一
寺本 敬子
西尾 久英
林 千代
- 出版者
- 公益財団法人大原記念労働科学研究所
- 雑誌
- 労働科学 (ISSN:0022443X)
- 巻号頁・発行日
- vol.88, no.4, pp.130-142, 2012 (Released:2014-03-25)
- 参考文献数
- 46
我が国において,1895(明治28)年に「所謂脳膜炎」と称される乳幼児の疾病が報告されて以来,その原因が母親の用いる白粉中の鉛による中毒であることが1923(大正12)年京都大学小児科教授平井毓太郎によって明らかにされた。以来,小児科学領域において,該疾患に対する研究報告が堰を切ったように発表された。本稿では,前報及び前々報に続き,1927(昭和2)年以降,鉛白使用化粧品に対する規制が明文化された1930(昭和5)年までの4年間に「児科雑誌」に発表された該疾患に関する諸論文,学会発表等83編を内容別に分類し,今回はそのうち総説,症例,臨床所見,診療,病理・剖検の各項目について取り上げて論考した。(写真3)