著者
西岡 和恵 小泉 明子 瀧田 祐子 佐々木 和実
出版者
一般社団法人 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会
雑誌
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 (ISSN:18820123)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-46, 2016-01-31 (Released:2016-04-28)
参考文献数
10

症例1:65歳,男性。冷感タオル接触の頚部から体幹前面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは冷感タオルに含まれていたメチルクロロイソチアゾリノン(以下MCI)によるアレルギー性接触皮膚炎で,メチルイソチアゾリノン(以下MI),オクチルイソチアゾリンオン(以下OIT)に交差感作なし。症例2:53歳,女性。4ヵ月前より顔面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは美容液マスクに含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎で,MCI,OITに交差感作あり。症例3:53歳,女性。3ヵ月前から顔面,頭部の瘙痒性紅色皮疹。皮膚炎軽快後,美容液マスクを使用し再発。パッチテスト結果からは美容液マスクに含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎でMCIに交差感作あり。症例4:60歳,女性。4ヵ月前より顔面に瘙痒性紅色皮疹。貼布試験結果からは美容液マスク,化粧水に含まれていたMIによるアレルギー性接触皮膚炎。
著者
西岡 和恵 久本 和夫 山田 健一 麻上 千鳥
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.758-761, 1987 (Released:2010-08-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

難治性の慢性蕁麻疹および皮膚掻痒症に対し, H1受容体拮抗剤としてヒドロキシジンを, H2受容体拮抗剤としてファモチジンとを用いその併用効果を検討した。その結果, 慢性蕁麻疹の7例中6例, 皮膚掻痒症の4例中2例において, ヒドロキシジン単独投与にくらベファモチジンを併用した方が有用と認められ, 今後試みられるべき優れた治療法と思われた。
著者
西岡 和恵 高旗 博昭 冨永 和行 佐々木 和実
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.10, pp.1967-1976, 2008-09-20 (Released:2014-12-03)

塩化ビニル手袋によるアレルギー性接触皮膚炎の4例を経験し,手袋の成分別パッチテストにより原因となった成分を明らかにすることができたので報告する.症例は55歳,農業,54歳,農業兼清掃業,57歳,給食業務,52歳,ゴルフ場勤務(後に清掃業)の女性4例で,いずれも職業性に発症していた.皮疹は手部から前腕の湿疹性病変で,うち3例は接触皮膚炎症候群となっていた.4例とも仕事で使用していた塩化ビニル手袋にパッチテスト陽性であり,1例で行った本人使用手袋抽出成分のパッチテストでも陽性を示した.塩化ビニル手袋の成分別パッチテストでは,2例が可塑剤のアジピン酸ポリエステルに陽性,4例が安定剤であるDi-n-octyltin-bis-(2-ethylhexyl) maleateに陽性であった.なお,4例ともMono (2-ethylhexyl) maleateに強陽性を示し,Di-n-octyltin-oxideには陰性であったことから,Di-n-octyltin-bis-(2-ethylhexyl) maleateの2-Ethylhexylmaleate部が抗原決定基と考えられた.
著者
西岡 和恵 瀬口 得二 村田 雅子 石川 武人
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.520-523, 1998

平成3年7月から平成8年12月までの5年6ヵ月間に山口赤十字病院皮膚科で薬疹と診断した症例のうち, 原因薬剤が再投与試験, 皮膚反応, DLSTのうちの1種類以上の方法で確認できた確実例について検討した。薬疹と診断した全症例は121例あり, うち65例が確実例であった。このうち多剤に反応を示した例が2例あり, 皮疹型, 原因薬剤および皮膚反応陽性例の検討に際してののべ症例数は68例となった。皮疹型では播種状紅斑型が37例と最も多く, ついで蕁麻疹型が8例, 紅皮症型および固定疹型が各7例, 光線過敏症型4例, その他5例であり, また原因薬剤としては, カルバマゼピン6例(播種状紅斑型および紅皮症型), アモキシシリン(播種状紅斑型および紅皮症型)およびアリルイソプロピルアセチル尿素(固定疹型)各5例が多かった。確実例のうち, 再投与試験施行例は68例中42例(61.8%)であり, 皮膚反応の陽性例は63例中34例(54.0%)であった。