著者
西川 利文
出版者
佛教大学歴史学部
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
no.6, pp.35-52, 2016-03

従来から、曹操が独自の勢力を形成する時に、辟召(公府による辟召)を盛んに行ったことが指摘されている。しかしそれがどのように行われたのか、具体的な分析は必ずしも十分には行われてこなかった。そこで本稿では、漢代の一般的な辟召と対照した時、曹操の行った辟召にどのような特徴が見られるのかを、具体例を提示しながら基礎的な分析を行った。そこからは、従来の辟召では行われなかった、新たな形の辟召の姿が見えてくる。その一つが、現役の官僚(命官)を辟召するということである。これがいかなる意味を持つのか、本稿ではその一端を提示する。後漢後半期曹操公府辟召曹操政権論
著者
西川 利文
出版者
佛教大学歴史学部
雑誌
歴史学部論集 (ISSN:21854203)
巻号頁・発行日
no.6, pp.27-42, 2016-03

漢代の「史書」は、一般的には書体(隷書や大篆)を意味すると考えられているが、一方で「吏書」=官文書とする異説があった。張家山漢簡・史律の釈文が公表されると、そこに見られる「史書」をめぐって、文献史料とのかかわりで議論が活発化した。しかしそこでも書体説が大勢を占めているようであるが、私見では史律の「史書」は従来の見方ではとらえきれないものだと考える。この点については以前に指摘しており、本稿では文献史料に見える「史書」を再点検する。そこから、従来から見解が分かれるのは、文献史料の「史書」が時期によって、その意味する内容が異なることに一因があることを指摘し、新たな「史書」に対する観点を提示する。漢代史書聡慧(聡恵)小学官文書

2 0 0 0 IR 漢代明経考

著者
西川 利文
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.583-609, 1996-03