著者
宮下 和巳 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝 鷹取 泰司 長 敬三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.86, pp.13-18, 2002-05-17
参考文献数
12
被引用文献数
92

MIMOチャネル情報が送信側で既知の場合,固有ベクトルを用いたマルチビーム形成により直交チャネルを形成し,注水定理による送信電力制御を行うことで,チャネル容量を最大とすることができる.ここでは,この概念に基づき,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を提案し,計算機シミュレーションにより従来のSDM方式との比較を行った.その結果,送信素子数5,受信素子数2の場合において,平均誤り率10^-3で約10[dB]の利得が得られることが明らかとなった.
著者
小川 恭孝 大鐘 武雄 西村 寿彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.11, pp.11_32-11_38, 2009-12-01 (Released:2011-06-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

数十Gbit/s以上の超高速通信が必要になった場合,MIMO伝送が必須技術となることは容易に想像できる.しかし,実際に超高速伝送を実現できるかどうかは,アンテナ本数のみならず,周波数帯,伝搬環境,実装技術に大きく依存する.特に超高速伝送が使用されると考えられる見通しのある解放空間では,空間相関が高くなるため,MIMO伝送の効果が減少する.したがって,アンテナ配置や伝搬構造の能動的最適化など,改善手法について述べる.
著者
内藤 智 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.262, pp.19-24, 2007-10-11

MIMO通信は,送受信機双方に複数のアンテナを設置して空間的に信号を多重化させることで,高速な通信を実現するシステムである.このMIMO通信において,チャネルの状態に応じて通信速度を変化させる適応変調制御を行うE-SDM方式を,TDD下り回線に適用する.この際,パケット通信を想定して,スループット最大基準で送信リソース制御を行う.本研究の目的は,適応変調制御を行うE-SDM方式について,室内テストベッドを構築して検証実験を行うことである.従来の適応変調制御では実装する際に計算負荷が問題となるが,簡略化手法を導入して負荷を軽減することで実装を可能とした.また,動的フェージング環境下におけるチャネル変動誤差を補償するために一次外挿によるチャネル予測を用い,特性の改善効果について確認した.本稿では,フェージングシミュレータを用いた室内テストベッドを構築し,適応変調制御E-SDM通信の動的フェージング環境下における検証実験を行った結果について報告する.
著者
大渡 裕介 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.90, no.9, pp.885-895, 2007-09-01
被引用文献数
2

MIMO-OFDM空間分割多重において,送信側でチャネル情報(CSI)が既知,若しくは,受信側から用いるべき送信ウェートが報知される場合,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができ,MIMOチャネル最大の容量が得られる.筆者らはこれまで時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIのうち,主要な成分のみをフィードバックすることにより,情報量が削減できることを報告してきた.本論文では,筆者らが提案しているCSIフィードバック手法及びコードブックを用いた送信ウェートフィードバック手法について比較検討を行った.その結果,各手法におけるフィードバック情報量をほぼ等しくした場合,情報量が少ない4×2MIMOにおいては送信ウェート行列をフィードバックする手法の特性が,情報量が多い4×2MIMO,及び4×4MIMOにおいてはCSIフィードバック手法の特性が良好であることが確認された.
著者
大渡 裕介 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.477, pp.73-78, 2007-01-19

MIMO-OFDM空間分割多重において,送信側でチャネル情報(CSI)が既知,もしくは,受信側から用いるべき送信ウェイトが報知される場合,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができ,MIMOチャネル最大の容量が得られる.筆者らはこれまで時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIの内,主要な成分のみをフィードバックすることにより,情報量が削減できることを報告してきた.本稿では,筆者らが提案しているCSIフィードバック手法及びコードブックを用いた送信ウェイトフィードバック手法について比較検討を行う.
著者
大渡 裕介 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.1765-1775, 2006-09-01
被引用文献数
9 4

送受信側に複数のアンテナを設置し,各送信アンテナごとに独立したOFDM信号を送信するMIMO-OFDM空間分割多重では,マルチパス環境においても符号問干渉なしに伝送速度の向上が期待できる.更に,送信側でチャネル情報(CSI)が既知の場合,MIMOチャネルにおける最大スループットを得る固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができる.しかしながら,OFDMでは各サブキャリヤごとにCSIをフィードバックする必要があり,通信容量を圧迫してしまう.本論文では,筆者らが以前より提案している時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIをフィードバックすることで情報量を削減でき,更に良好な特性が得られることを示している.
著者
大渡 裕介 西本 浩 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.168, pp.31-36, 2006-07-12
被引用文献数
4

送受信機の双方に複数のアンテナを設置したMIMOシステムを用いてOFDM信号を送信するMIMO-OFDM空間分割多重において,送信側でチャネル情報(CSI)が既知の場合,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができ,MIMOチャネル最大の容量が得られる.筆者らは時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIをフィードバックすることにより,情報量が削減でき,かつ良好な特性が得られることを報告してきた.本研究では,時間領域で推定したCSIの内,先頭から主要な成分だけをフィードバックする手法を提案し,更なる情報量削減を図った.
著者
大渡 裕介 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.25, pp.37-42, 2006-04-14
被引用文献数
4

送受信側に複数のアンテナを設置し,各送信アンテナごとに独立したOFDM信号を送信するMIMO-OFDM空間分割多重では,マルチパス環境においても符号間干渉なしに伝送速度の向上が期待できる.さらに,送信側でチャネル情報(CSI)が既知の場合,MIMOチャネルにおける最大スループットを得る固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができる.しかしながら,FDD方式のOFDMでは各サブキャリア毎にCSIをフィードバックする必要があり,通信容量を圧迫してしまう.本論文では,筆者らが以前より提案している時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIをフィードバックすることで情報量を削減でき,さらに良好な特性が得られることを示している.
著者
秦 保雄 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.559, pp.89-94, 2006-01-19

送受信アンテナが複数存在するMIMOチャネル通信において, E-SDM方式によって生成される固有チャネルの品質に応じて伝送速度を変える適応変調を検討する.その際, パケット毎にスループットが最大となるためには, 固有ビームに対応するサブストリームの変調方式・電力配分(送信リソース)を適切に制御する必要がある.本研究では, 特に装置化を考慮して, この送信リソース制御の簡略化手法を提案する.提案手法は, 既に提案した2×2MIMOシステムでの簡略化手法を発展・一般化し, 任意のアンテナ素子数に対応可能とした.従来, 可能な変調方式の組み合わせ全てについてスループットを算出しなければならなかったが, 提案手法ではチャネル情報から得られた固有値と受信機の雑音電力の単純な計算によって, 最適な送信リソース制御が可能となった.さらに, 計算機シミュレーションによって特性評価を行い, 提案手法がSNRの高い領域での近似であるにもかかわらず, SNRの低い領域でも従来手法に比べてほとんど劣化がみられないことを確認した.
著者
古田 敬幸 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.683, pp.49-54, 2004-02-25
被引用文献数
2

周波数選択性フェージングをうけるMIMOチャネル環境において,遅延波を取り込み結合推定,系列推定を行う手法は,最適な復号方法であるが遅延波数や送信ストリーム数増加に伴う計算量の増加が問題となる.そこで,誤り訂正符号を用いた周波数選択性フェージング環境下MIMOシステムにおいて,Sphere DecodingやM-Algorithimを適用しメトリック計算量削減を図る.本稿では,周波数選択性フェージングのSDMとE-SDMおいて,各種計算量削減アルゴリズムを適用し,メトリック計算量の削減効果と特性劣化の関係について検討した.
著者
古田 敬幸 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.253, pp.7-12, 2003-08-14
被引用文献数
5

周波数選択性フェージングをうけるMIMOチャネル環境において,遅延波を取り込み結合推定,系列推定を行う手法は,最適な復号方法であるが遅延波や送信ストリーム数増加に伴う計算量の増加が問題となる.そこで,Sphere Decoding (SD)を適用する.SDは受信ポイントの周りに範囲を設けその範囲に含まれる情報ポイントのみ判定するものである.本稿では,周波数選択性フェージングがSDに与える影響を調べ, SDMとE-SDMにSDを適用しメトリック計算量の削減効果と特性劣化の関係について検討した.
著者
小川 健太 小川 恭孝 大鐘 武雄 西村 寿彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.65-68, 2007-02-28
被引用文献数
10

高い周波数帯を使用する無線通信では,バッテリー等により上り回線の送信電力が制限される.そこで,異なる複数の端末が互いに協力し,仮想的な1組のアンテナアレーを構成することで通信容量の向上を図る仮想アンテナアレーによる協調無線が近年注目を浴びている.しかし,仮想アンテナアレーにおいて送信ビーム形成を行う場令,各端末では正確なキャリア周波数の同期をとることが困難であるため,位相オフセット,及び,周波数オフセットの影響を無視することができない可能性がある.本稿では計算機シミュレーションにより各端末で生じるオフセット,及び,チャネル推定誤差が通信特性に及ぼす影響について評価した.結果から,オフセットを含む等価的なチャネルを用いて受信処理を行うことにより伝送特性の劣化を抑えることができること,また,シングルビーム伝送に比べて,マルチビーム伝送はオフセットに対する耐性が低いことが明らかとなった.