著者
上橋 俊介 西本 浩 富塚 浩志 佐野 裕康 半谷 政毅
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J105-B, no.5, pp.446-453, 2022-05-01

フェージングによる信号強度低下を簡易な処理で軽減できる技術として,差動時空間ブロック符号化(DSTBC)伝送が検討されている.また,高い周波数利用効率を得るため,セル間で同一の周波数を用いる単一周波数繰り返しは,主にセル境界での同一チャネル干渉(CCI)が課題となる.一般に移動局では設置スペースなどの制約で多くのアンテナを搭載することは困難であり,送信側で複数アンテナを用いるDSTBC伝送ではより多くのCCIが観測される.このような環境では,従来のアレー信号処理による干渉抑圧では劣決定問題となるために十分な受信性能が得られない可能性がある.本論文では,少ない受信アンテナ数の条件においても動作可能なDSTBC伝送向けのCCI抑圧方式を示し,更に多数の干渉波が到来する複局同時送信システムへの拡張法も示す.計算機シミュレーションにより複局同時送信システムにおけるセル境界付近での干渉抑圧性能を評価し,受信アンテナ数の2倍を超える干渉波が到来する環境においてもチャネル行列の拡張,合成処理を行うことで決定問題に帰着させ,適切に干渉を抑圧可能であることを示す.
著者
伊藤 幸江 石川 均 西本 浩之 向野 和雄 石川 哲 佐藤 喜一郎
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.211-216, 1990-12-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
12

今回,輻湊痙攣による内斜視,調節痙攣,縮瞳の3症状が同時にみられる近見反応痙攣の2症例を経験した.症例1は18歳女子高校生,3歳半頃,頭部打撲後より内斜視に気づいた.両外転神経麻痺がみられたが徐々に改善した.ところが,15歳頃,全身運動した後に頭痛と複視を自覚し,近見反応痙攣が出現した.症例2は28歳女性,26歳頃より症状が出現し,現在も恒常的に近見反応痙攣が続いている.この痙攣に対して上原らが用いたアモバルビタールの静注を我々も行ってみた.症例1は静注前と著明な変化はみられなかった.症例2は3時間程持続効果がみられ以前の状態に戻ってしまった.近見反応痙攣の発作は,皮質中枢の異常興奮・輻湊の中間中枢,動眼神経核,EW核への抑制の障害などが考えられ,アモバルビタールの有効性からも推定できる.
著者
大渡 裕介 西本 浩 小川 恭孝 西村 寿彦 大鐘 武雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.168, pp.31-36, 2006-07-12
被引用文献数
4

送受信機の双方に複数のアンテナを設置したMIMOシステムを用いてOFDM信号を送信するMIMO-OFDM空間分割多重において,送信側でチャネル情報(CSI)が既知の場合,固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式を用いることができ,MIMOチャネル最大の容量が得られる.筆者らは時間領域で最小二乗法を適用し,推定したCSIをフィードバックすることにより,情報量が削減でき,かつ良好な特性が得られることを報告してきた.本研究では,時間領域で推定したCSIの内,先頭から主要な成分だけをフィードバックする手法を提案し,更なる情報量削減を図った.