著者
長尾 夏樹 西村 治彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1643-1652, 2001-06-15

複数個の解釈が可能な一定の図形刺激に対して,見えの自発的かつ不規則な交代が知覚される現象として多義図形認知が知られている.本研究では,この交代現象の基本メカニズムに関する新しい理論的モデルについて検討する.ここでは,外部刺激との相互作用の下でネットワークにカオス性が生じ,それが記憶の多安定性を動的にするという,刺激誘導型の開いたネットワークの性質に着目する.そして,カオス・ニューラルネットワークによるホップフィールド型連想記憶モデルの動的拡張として,多義図形認知を通常のパターン認識とともに統一的に取り扱うことを目指す.本論文では,計算機実験をもとにその過程と性質を具体的に分析した結果について報告する.さらに,カオス性に代わって確率ノイズを用いた場合には同様の性質は容易に得られるものではないことも示す.Perceptual alternation of ambiguous figures is known as the phenomenon that perception undergoes involuntary and random-like change in a circumstance the ambiguous stimulus is kept constant.In this paper,we present a new theoretical model of the perception of ambiguous patterns based on the chaotic neural networks with stimulus-response scheme and investigate the nature in detail through computer simulations.The results by chaotic activity,similar to those of psychophysical experiments,are difficult for stochastic activity to attain to in the same simple framework.Our demonstration suggests a functional usefulness of the chaotic activity in the modeling of dynamic perceptual systems.
著者
西村 治彦 堅田 尚郁
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.876-890, 1996-08-20
被引用文献数
4

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。ポスター
著者
白川 功 稲田 紘 有馬 昌宏 西村 治彦 中野 雅至 東 ますみ 川向 肇 水野 由子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

感染症の爆発的流行を含む災害時の要援護者支援や迅速かつ正確な住民の安否確認ならびに避難所での避難者の医療・看護・介護などを含む生活支援には、機微情報を含む個人情報の事前登録と状況に応じた個人情報の更新が不可欠となる。本研究では、QRコードと地理情報システムと無線通信技術を活用して、避難経路の安全確保も含め、個人情報保護に配慮した避難支援システムを構築し、避難者のストレス軽減を考慮に入れつつ、医療・健康管理データを記録するシステムのプロトタイプも構築して、防災訓練などでの実証実験で有効性を確認した。