著者
西村 絵実 田中 信彦 橋口 浩志 渡部 由美 山賀 昌治 恒吉 勇男
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-03-12)
参考文献数
9

両側の膝下部から足背部までの感覚障害と足底部のアロディニアがあった患者に対して,集学的治療を行った.症例は14歳,女児.足底部に針で刺されるような痛みが出現し,歩行困難となった.小児の複合性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)の特徴を有していたが,診断基準を満たさなかった.当科で両足底部に8%リドカインを用いたイオントフォレーシスを施行しながら,患者・家族との信頼関係の構築に努めた.精査で異常を認めず診断に難渋した.その後,小児精神科で身体表現性障害と診断され,ミルナシプランの内服を開始した.同時期よりリハビリテーション部で歩行訓練を開始すると,独歩が可能となり初診から1年後に完治した.慢性痛の小児に集学的治療を行い,痛みが消失し,社会生活が可能になった.
著者
西村 絵
出版者
日経サイエンス ; 1990-
雑誌
日経サイエンス (ISSN:0917009X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.88-93, 2019-05

アフリカのアンゴラ共和国の西岸では,白亜紀後期に海底にあった地層が,その後の地殻変動によって,地上に露わになっている。近年,国際研究チームによって発掘調査が行われた。大型の海生肉食爬虫類モササウルスの新種や,首長竜,牡蠣や魚類など様々な海生生物の膨大な化石が発見され,当時の海の生態系の有り様をうかがい知ることができる。モササウルスは環境に合わせて多様な進化を遂げ,大型の種は海の生態系の頂点に立ったが,共食いや,近縁の種の間での争いも多かった。
著者
吉河 久美子 田代 章悟 清永 夏絵 西村 絵実 大納 哲也 上村 裕一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.32-35, 2019-02-25 (Released:2019-03-12)
参考文献数
6

帯状疱疹関連痛に対してパルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)を施行した症例を,後ろ向きに検証した.対象は,2016年1月から12月までの帯状疱疹関連痛に対してPRFを施行し治療から評価までの間に新規治療の導入のない,7症例(のべ10回のPRFを施行)とした.患者数は7名(男4名,女3名),年齢71.2±12.3(平均±標準偏差)歳に対して治療を行い,うち1名には2回,もう1名には3回施行した.帯状疱疹発症から初めてのPRF施行までの期間は最短で42日,最長で5年3カ月であり,治療から評価までの期間は17±3.6(平均±標準偏差)日であった.評価は治療前後の視覚アナログスケール(VAS)に対してVAS値30%以上低下を有効,VAS値50%以上低下を著効とし検証を行い,また,個々の症例における鎮痛効果に対して考察を行った.結果は,有効が5回,そのうち著効は4回であった.また,いずれも治療による合併症はなかった.今後,病期ごとに分類しVAS値に加え効果持続期間などを項目として前向き研究を行う必要があると考える.