著者
桑木 共之 高橋 重成 森 泰生 大塚 曜一郎 柏谷 英樹 戌亥 啓一 陳 昌平 黒木 千晴 米満 亨 上村 裕一
出版者
鹿児島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

Transient Receptor Potential (TRP)イオンチャネルの1つであるTRPA1チャネルが環境ガス中に含まれる低酸素および有害物質のセンサーとして働き、これらを体内に取り込んでしまう前に忌避行動、覚醒や呼吸変化を引き起こす早期警告系として役立っているのではないかという仮説を検証した。仮説は実証され、しかも鼻腔内の三叉神経に存在するTRPA1が重要であることが明らかになった。
著者
川崎 孝一 上村 裕一
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.23, no.10, pp.297-307, 2003-12-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
29

周術期の循環管理においては,カテコラミンをはじめとした種々の血管作動薬が用いられる.これらの薬物は血管収縮薬と血管拡張薬に大別され,その作用は血管平滑筋を収縮あるいは弛緩するという点では同じであるが,血管平滑筋の収縮弛緩過程における作用機序は異なっている.また,心臓を含めた血管以外への作用もそれぞれ異なる.したがって,血管作動薬を用いる際には作用点である血管平滑筋の収縮弛緩機序を理解するとともに,薬理作用(作用機序,臨床効果,使用量,副作用)を熟知して循環動態に合った適切な薬物を選択する必要がある.本稿では,まず血管平滑筋の収縮弛緩機序について概説し,次に現在使用されている代表的薬物の作用機序と臨床的効果および臨床使用法について述べる.
著者
桑木 共之 山中 章弘 李 智 礒道 拓人 山下 哲 大塚 曜一郎 柏谷 英樹 宮田 紘平 田代 章悟 山口 蘭 石川 そでみ 桜井 武 加治屋 勝子 上村 裕一 二木 貴弘 Khairunnisa Novita Ikbar 有田 和徳 垣花 泰之
出版者
鹿児島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

快情動は疾病予防や健康増進に有益であることが経験的に知られている。その脳内神経回路を明らかにすることによって、経験則に生物学的エビデンスを付与することが本研究の目的であった。快情動によってカタプレキシーを引き起こすことが知られているオレキシン欠損マウスを用い、カタプレキシー発作直前または同時に活性化される脳部位を網羅的に探索したところ、側坐核の活性化が顕著であることが明らかになった。今まで不明であった快情動を研究する際のターゲットとなる脳部位を絞り込むことができたが、健康増進との関連解明にまでは至らなかった。
著者
吉河 久美子 田代 章悟 清永 夏絵 西村 絵実 大納 哲也 上村 裕一
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.32-35, 2019-02-25 (Released:2019-03-12)
参考文献数
6

帯状疱疹関連痛に対してパルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)を施行した症例を,後ろ向きに検証した.対象は,2016年1月から12月までの帯状疱疹関連痛に対してPRFを施行し治療から評価までの間に新規治療の導入のない,7症例(のべ10回のPRFを施行)とした.患者数は7名(男4名,女3名),年齢71.2±12.3(平均±標準偏差)歳に対して治療を行い,うち1名には2回,もう1名には3回施行した.帯状疱疹発症から初めてのPRF施行までの期間は最短で42日,最長で5年3カ月であり,治療から評価までの期間は17±3.6(平均±標準偏差)日であった.評価は治療前後の視覚アナログスケール(VAS)に対してVAS値30%以上低下を有効,VAS値50%以上低下を著効とし検証を行い,また,個々の症例における鎮痛効果に対して考察を行った.結果は,有効が5回,そのうち著効は4回であった.また,いずれも治療による合併症はなかった.今後,病期ごとに分類しVAS値に加え効果持続期間などを項目として前向き研究を行う必要があると考える.
著者
恒吉 勇男 永田 悦朗 當房 和己 竹原 哲彦 上村 裕一
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.119-123, 2004 (Released:2005-03-31)
参考文献数
12

敗血症を合併し長期間臥床を余儀なくされた患者で多発性に骨化性筋炎を発症した症例を経験した. 患者は61歳男性. 前交通動脈の動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対し緊急開頭クリッピング術を施行した. 術後に肺炎から敗血症を合併し, 約2ヵ月間意識障害を呈した. 初期より強い痙縮を伴った下腿関節の拘縮が出現したため, 関節可動域増強訓練を施行した. また, 排痰を目的として, 患者を定時的に腹臥位とした. しかし, 第40病日ごろから下腿関節部および肩・肘関節部の可動域が著明に低下し, 単純X線所見で多発性に異常骨化像が認められた. 長期臥床を要する患者では理学療法が必要とされるが, 骨化性筋炎の発生には十分注意すべきである.