著者
西野 仁 高橋 和敏 三宅 基子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 体育学部 (ISSN:03892026)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.11-29, 1987-03-30

This paper focuses on clarifying the psychological reason why elderly people continue to pursue recreational activities. The interest, then, is on the psychological effect of recreation participation. This paper's main objective is to test the following two hypothesis. Hypothesis 1 Participation is based on satisfying needs according to Maslow's hierachy : physical safety, belonging, association, acceptance, recognition, prestige, reputation, confidence and self-actualization. Hypothesis 2 According to the differences in the participant social environment and play experience, the conscious level of their needs differ. The procedure included the following steps. *A main questionaire was constructed from 43 items, and in addition to this, plus a face sheet asking personal information such as sex, age and some social environmental information such as family size, family member, and employment. These 42 items were taken from the works of Nishino, Shimoyama and Konno (1985). Subjects rated the importance of the items to their participation in gateball on a 5 point scale with "very important" and "not important" serving as the end points. *The 200 samples were drawn from the elderly gateball players at 5 different localities, Odawara, Hiratsuka, Sagamihara in Kanagawa pref. as suburban areas, Toshima Ward in Tokyo as an urban area and Muikamachi in Niigata pref. as a rural area. *The data was analyzed by a UNIVAC computer at Tokai Univ. with BMDP and AMAS. The analysis showed some interesting facts as following. 1) The high scored items were "To keep healthy" "To develop close friend ship", "To keep physically fit" "To keep in touch with everyday life without "boke", "To fulfill the obligation of the group in which I am member" "To gain a feeling of having a good time" "To be able to play throughout my life". 2) The scores were influenced by the difference of sex and age, social environment and period and frequency of play experience of subjects. The analysis of data seems to support the hypothesis that participation in recreational activities, in this case gateball, satisfies all the needs defined in Maslow's hierarchy, except that of self-actualization. In order to strengthen the validity of the study, we wish to continue the research.
著者
濱川 みちる 高良 翔太 阿嘉 太志 濱崎 直人 宮里 好一 西野 仁雄 石田 和人 白木 基之 辺土名 まゆみ 安里 克己 仲程 真吾 山城 貴大 平山 陽介 秋月 亮二
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに】中枢神経疾患由来の手指拘縮は,関節可動域拡大運動やストレッチなどを継続しても改善困難な症例が多く,進行すると手指の衛生不良や介護負担増などの負の連鎖を招く。今回,拘縮手改善のために開発された高反発クッショングリップ「ミラクルグリップ」(ホワイトサンズ社製)を回復期病棟入院患者・進行性疾患患者に試用し,良好な成績が得られたので報告する。【方法】脳血管疾患あるいは進行性神経疾患にて当院に入院または通院している者のうち,手指拘縮を認める4例を対象とした。グリップ着用前の状態として,症例Aは脳出血で入院(発症後6カ月),右上肢の拘縮と他動運動時痛,手指不衛生を認めた。症例Bは脳塞栓症で入院(発症後4カ月),左上肢の拘縮・他動運動時痛を認めた。症例Cは脳出血で入院(発症後4カ月),右上肢の痙性麻痺,手指炎症,他動運動時痛,白癬による悪臭・蒸れを認めた。症例Dは多系統萎縮症で通院(発症後16年),定期的なボトックス治療とPT・OTを継続していたが,両手指・手関節を中心に拘縮とかぶれを認めた。対象者には,通常の治療と併用して,ミラクルグリップのモニターとして拘縮手に1カ月間,24時間継続して着用していただいた。評価には,着用期間中の表情や手指衛生に加え,着用前・着用2週間後・1カ月後の拘縮側上肢の関節可動域(以下,ROM)を記録した。【結果】症例Aは着用前,痛みのため離床や理学療法も長期間拒否していたが,着用2日後より他動運動時の抵抗が軽減し理学療法も受け入れるようになった。6日後には爪切りや離床も可能となった。症例Bは着用2週間後に手・肘関節のROM拡大,1カ月後には肩関節のROM拡大が得られ,苦痛様表情も軽減した。症例Cは内服治療との併用にて,着用7日後には右上肢の筋緊張が全体的に軽減し,1カ月後には熱感や疼痛,悪臭の消失が得られた。症例Dは着用7日後より他動運動時の抵抗軽減,1カ月後にはかぶれ消失,ROM拡大が得られた。【結論】今回,手指拘縮患者に対しミラクルグリップを1カ月間使用し,拘縮の軽減,表情や手指衛生の改善が得られた。西野らはミラクルグリップの効果として,クッションの強い反発力と圧力のランダム性が,上肢全体・顔面の血流を増加させ,脳血流も増加することを示している。また筋電図では,上肢屈筋群だけでなく伸筋群の筋活動量も増加すると報告している。今回のROMや表情の改善も同様の作用によるものと考える。また手指衛生の改善は,グリップのもつ高い通気性・抗菌消臭作用が拘縮改善と相まってもたらした効果と考えられる。本研究により,回復期病棟入院患者や進行性疾患患者という,病期により症状が変化する患者においても良好な成績が得られることが分かった。しかしモニター試用という条件上,シングルケースデザインを導入できなかったため,効果の持続性についてはさらなる検証が必要である。今後,ミラクルグリップが治療手段の一つとして病期にかかわらず広く利用され,効果を発揮することが大きく期待される。
著者
西野 仁
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

6校の中学生から4,536場面、5校の高校生から4,470場面の日常生活経験標本が収集できた。1、学校週5日制の実施で中学生の日常生活経験とゆとり感は変化したか?同じ公立中学校の同じ学年から、完全学校週5日制実施前の2000年と実施後の2003年に、同じ方法で収集したデータの比較。中学生の日常生活経験は、活動では外出と部活動が、場所ではレジャー・スポーツ・レクリエーション施設、学校施設が、同伴者では友人、先生が有意に増加した以外は大きな変化は認められなかった。また、気分は平日、休日ともに、制度実施前よりネガティブな方向へ変化し、「ゆとり感」は増加してはいなかった。2、学校週5日制を以前から実施していた高校では生徒の日常生活経験とゆとり感は変化したか?完全学校週5日制をすでに導入していた同じ私立高校の同じ学年から、新学習指導要領移行前の1996年と移行後の2003年に、同じ方法で収集したデータの比較。高校生の日常生活経験は、活動では学習行動が減り、アルバイト、生活維持行動が増えた。場所は、学校・その他の学習施設が減り、自宅、レジャー・スポーツ・レクリエーション施設、アルバイト先が増えた。同伴者では家族が増加、友人は減少、先生は増加した。気分は、制度導入前よりポジティブな方向へ大きく改善され、「ゆとり感」も有意に増加した。3、ゆとりを感じる経験とは?「ゆとり」の構造化に向けての分析中学生、高校生ともゆとりを感じやすい経験はテレビ・ラジオの視聴、睡眠うたた寝、娯楽、テレビゲーム、食事、音楽活動、外出、スポーツなど多岐にわたるが、実際にゆとりを多く感じている経験はテレビ・ラジオの視聴や食事、睡眠・うたた寝などであった。「ゆとり感」と「気分」に正の相関がみとめられること、「ゆとり感」に日内リズムと週間リズムのパターンが存在することが再確認できた。