著者
諏訪 哲也 宗 友厚
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.4, pp.756-760, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

副腎クリーゼは,副腎皮質ステロイドの急激な欠乏が本態であるが,脱水,電解質異常,高サイトカイン血症などの併存を考慮することが,正しい治療を行う上で必要である.また,副腎不全が原発性か2次性かによって,病態が異なることも理解されるべきである.ミネラルコルチコイド欠乏合併の有無は,重症度を左右する鍵のひとつである.
著者
野崎(岡田) 侑衣 谷津 翔一朗 安田 健太郎 竹内 充裕 園田 健人 和田 英樹 塩澤 知之 荻田 学 諏訪 哲
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.110, no.4, pp.802-809, 2021-04-10 (Released:2022-04-10)
参考文献数
10

56歳,男性.イカとサバを摂取した後に全身の膨疹及び胸部絞扼感が出現し,救急要請となった.心電図で前胸部誘導のST上昇を認め,急性冠症候群を疑い,冠動脈造影を行ったところ,左前下行枝に90%狭窄を認めた.硝酸イソソルビドの冠動脈投与により,狭窄は改善を認めた.アニサキス特異的IgE(immunoglobulin E)抗体価が高値であり,アニサキスアレルギーに伴うKounis症候群と診断された.アレルギー治療により胸部症状は改善し,退院となった.
著者
遠藤 裕久 戸叶 隆司 清水 孝史 和田 英樹 土井 信一郎 塩澤 知之 小西 宏和 比企 優 華藤 芳輝 久保田 直純 田村 浩 尾藤 史康 木津 京子 諏訪 哲 住吉 正孝 中里 祐二 代田 浩之
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.436-441, 2013 (Released:2015-07-16)
参考文献数
7

症例は,84歳女性.高血圧症に対して,2011年4月からアゼルニジピン16mg/日の内服が開始された.同年5月14日,めまい・眼前暗黒感が出現し当院受診,心電図上洞停止,心拍数40/分前後の房室接合部調律がみられ,入院となった.ただちにアゼルニジピンを中止,翌日には心拍数75/分の洞調律に回復した.後日施行した電気生理学的検査では,200/分のオーバードライブ洞抑制試験において洞結節回復時間が3,065msecと延長を認めた.また来院時のアゼルニジピン血中濃度は,7.89ng/mlと通常の治療域であった.ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬による症候性徐脈の症例報告は少ない.今回われわれは,潜在性の洞結節機能不全がアゼルニジピンにより顕在化し,著明な症候性徐脈を呈した1例を経験したため,報告する.
著者
一瀬 哲夫 小島 諭 宮崎 彩記子 宮崎 忠史 林 英守 伊藤 誠悟 川村 正樹 諏訪 哲 櫻井 秀彦 住吉 正孝
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.806-810, 2008

症例は64歳,男性.数日前に左上肢を枕にして昼寝をしていたところ,突然の左上肢浮腫を認めたため来院.明らかな血栓性素因,悪性疾患を認めなかったが,左上肢の静脈造影,造影CTで左腋窩静脈の高度狭窄と,左鎖骨下静脈の遠位部の完全閉塞と近位部に浮遊血栓を認めた.肺動脈血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;PTE)の予防のため上大静脈に一時留置型静脈フィルター(ニューハウスプロテクト)を留置し,7日間のウロキナーゼ投与,およびヘパリン療法を開始した.線溶療法後の静脈造影では浮遊血栓は消失し,左鎖骨下静脈に器質化した血栓を認めた.フィルターは10日目に合併症なく抜去した.原発性鎖骨下静脈血栓症(Paget-Schroetter症候群)によるPTE予防に一時留置型フィルターは有用であると思われた.