著者
田村 浩一郎 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.A-K61_1-11, 2020-11-01 (Released:2020-11-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

The data of social media has received much attention to observe and predict real-world events. For example, It is used to predict financial markets, products demand, and voter turnout. While these works regards social media as a sensor of real world, as social media become more popular, it become more natural to think social media significantly effects on real worlds events. The canonical example might be cryptocurrencies, where supply and demand are more susceptible to investor sentiment and therefore interactions within social media cause significant effects on the price of them. On the hypothesis that social media actuate real-world events, we propose a neural network based model to predict the price fluctuations of financial assets, including cryptocurrencies. We model the effect of social media which cannot be directly observed, using an end-to-end neural network, Recurrent Neural Network. By simulating the effect within the social media, we show that the method that models the effect of social media on financial markets can observe and predict the price fluctuations of cryptocurrencies more precisely and stably. By analyzing the model, we suggest that networks within social media can be influential relationships throughout time, even if they are not directly connected, and that the intensity of the influence from social media on financial markets varies depending on the nature of the financial assets.
著者
田村 浩一郎 上野山 勝也 飯塚 修平 松尾 豊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.A-H51_1-11, 2018-01-01 (Released:2018-01-05)
参考文献数
20
被引用文献数
4

In order to encourage individual asset flow into the Japanese market through long-term investments, it is important to evaluate stock values of companies because stock prices of companies are determined not only by internal values, which are independent of other companies, but also by market fundamentalism. However, there are few studies conducted in this area in the machine learning community, while there are many studies about prediction of stock price trends. These studies use a single factor approach (such as textual or numerical) and focus on internal values only. We propose a model where we combine two major financial approaches to evaluate stock values: technical analysis and fundamental analysis. The technical analysis is conducted using Long-Short Term Memory and technical indexes as input data. On the other hand, the fundamental analysis is conducted transversely and relatively by creating a program which can retrieve data on financial statements of all listed companies in Japan and put them into a database. From the experiments, compared to single technical analysis proposed model’s accuracy in classification was 11.92% more accurate and the relative error of regression was 3.77% smaller on average. In addition, compared to single factor approaches the accuracy in classification was 6.16% more accurate and the relative error of regression was 3.22% smaller on average. The proposed model has the potential to be combined with other prediction methods, such as textual approaches or even traditional financial approaches, which would improve accuracy and increase practicality of this model.
著者
和田 誠 小川 隆申 田村 浩章 山下 公明 大日方 昭善
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.806, pp.1963-1972, 2013 (Released:2013-10-25)
参考文献数
13
被引用文献数
2 2

The motion of a liquid pouring from a beverage can is experimentally and numerically studied. First, we measure pouring motion for sixteen examinees and find that the can motion in pouring consists of three stages; tipping stage, filling stage, and returning stage. In each stage, the angular velocity of a can is nearly constant, and its average velocity is obtained. A liquid flow from a can rotating at the average angular velocity is visualized with high-speed cameras and is also numerically simulated with the Volume of Fluid (VOF) method. At the beginning of pouring, the liquid from a can opening is once blocked by the rim of a upper lid and then flows over the rim. It falls from the can forming a V-shaped surface, which converges few centimeters below the rim expanding the liquid surface in the direction perpendicular to the V-shaped surface. This results in a wavy pattern of the liquid surface. The computational result agrees with the experiment.
著者
黒澤 秀保 田村 浩司
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.6, pp.260-263, 2012 (Released:2012-06-11)
参考文献数
4
被引用文献数
2 3

一般の商品は,自由市場における需要と供給の一致点で価値が評価されて価格が決定される(ことになっている).一方,医療という公共性の強い世界の中に存在し,国民皆保険制度が敷かれている日本では,医薬品の価格は公定価格制となっている.日本における新薬の薬価は,中央社会保険医療協議会(以下,中医協)における薬価算定基準という複雑なルールに基づいた評価・了承を経て,厚生労働省が決定し薬価基準収載される.自由競争社会に生きる製薬企業が生み出すイノベーションの成果たる医薬品と,社会主義的環境にある医療の世界で使用される医薬品という二面性が複雑な薬価算定ルールを生み出し,薬の価値評価を困難なものにしていると言える.
著者
田村 浩一郎 大澤 翔平 松尾 豊
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

ソーシャルメディアは,センサとしてだけでなく,アクチュエーターとしても機能している.ソーシャルセンサはソーシャルメディアから獲得されたデータを用いて,実世界の現象やトレンドを検出することができる.ソーシャルセンサによって獲得された情報は,実世界の観測と予測の可能性を高めたが,ソーシャルメディアその自身と実世界の間の因果関係は今まで議論されてこなかった.近年,インスタ映えというインスタグラムに投稿する写真をとるための消費行動が話題となり,ソーシャルメディアから実世界への因果関係を分析する重要性は高まっている.この研究では,ソーシャルアクチュエーターという新しい概念を提案する.ソーシャルメディアにおいて他のユーザーとの相互作用によって蓄積される内部情報を表すinternal statesを導入し,そして交絡要因の存在への対処方法を示す.今回の実験では,仮想通貨市場を対象とし,Twitterのデータを用いて,Twitterでの要因から仮想通貨市場に対する因果を検証した.そして提案手法の拡張性について議論し,我々全員がソーシャルメディアを通して実世界に働きかけることが可能であることを考察した.
著者
田村 浩二 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.52, pp.91-96, 1995-05-26
被引用文献数
8 3

本稿では、センター理論を用いて複文を含む一般の談話の省略を扱う手法について述べる。センター理論は、代名詞・ゼロ代名詞の照応を解析する手法の1つであり、日本語の省略解析では現在もっとも一般的な手法である。しかし、単文など構造が簡単な文にしか適用できないなどの問題があった。本研究では、複文は単文+接続助詞に分解して談話を単文の列に変換し、その単文の列に対してセンター理論を適用して省略の補完を行なう。その際、接続助詞の機能を考慮した制約条件を用いて先行詞候補の絞り込みを行なう。In this paper, we present a method of resolving complex Japanese ellipsis using centering theory. Centering theory is one of anaphora resoluting methods, and a popular method of Japanese ellipsis resolution. However, it is impossible to deal with complex sentences. We regard complex sentences as a series of simple sentences, and apply centering theory to each sentence. We restrict candidates of antecedent using constraint derived from conjunctive postpositional particle.
著者
田村 浩司
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.5, pp.207-210, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
13

ICHガイドライン(ガイダンス)は,より良い新薬をいち早く世界中の患者さんや医療現場に届けるために必要なデータを科学的かつ倫理的に取得あるいは利用するためのツールである.医療環境の変化や技術革新,時代の要請や経験の蓄積などを踏まえて,ガイドライン(以下,GL)の新規作成や改正が継続的に行われている.承認申請資料はICH GLに則って作成されなければならないため,創薬研究者は各自の担当分野に関するGLについて,定期的にフォローしておくといいであろう.
著者
田村 浩子 長戸 優美 中山 ながこ 田辺 正友
出版者
奈良教育大学教育研究所
雑誌
奈良教育大学教育研究所紀要 (ISSN:13404415)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.85-93, 1995-03-01

幾何学的な単一図形の組み合わせからなる種々の模写図形課題を設定し、2次元形成期から3次元可逆操作期の自閉症児および精神遅滞児の図形の視知覚把握様式と模写表現の発達的変化についての検討がなされた。模写表現能力は発達の高次化に伴って高まるが、自閉症児が模写表現能力が高いといった傾向性が示された。視知覚把握様式の問題は、組み合わせ図形の構成要素と布置関係との問題と関連させてさらに吟味する重要性が示唆された。
著者
田村 浩司 小谷 結花
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P2212-E3P2212, 2009

【はじめに】<BR>住み慣れた地域・環境で暮らし続けることは地域リハビリテーションの真髄であり、今後も我々は地域住民の暮らしを守る役割を担う.当地域には築50年を経過した農家づくりの住宅(以下古民家)が多く存在する.この古民家の特徴は「ふすまで区切られた部屋」「廊下がない」「玄関に敷居がある」「あがり框の段差が高い」などが上げられる.そのため、要介護者の玄関の出入りや屋内移動には住宅改修等の検討が必要となりやすい.さらに「住宅の間取りがほぼ一定」という特徴があることから、古民家に居住の要介護者の移動方法を把握することで、新たに移動方法の検討が必要とされるケースに対応しやすくなるのではと考え今回の調査を実施した.<BR><BR>【方法】<BR>調査対象は現在、訪問リハビリテーション実施者44名中、古民家にお住まいの方18名を対象に調査を行なった.年齢は57歳~90歳、平均75.5歳.性別は男性10名、女性9名.疾患別内訳は、脳血管疾患12名、変形性関節疾患2名、神経難病2名、その他2名であった.日常生活自立度はJランク1名、Aランク8名、Bランク6名、Cランク3名であった.調査項目は1.築年数2.増改築歴3.屋内での移動方法4.屋内外の出入り方法とした.各対象者には今回の調査の目的を説明し同意を得ている.<BR><BR>【結果】<BR>築年数は50年~130年.どの対象者も30年~40年前に増改築を実施しており、台所・浴室・トイレを増改築されていた.屋内での移動方法は車椅子移動3名、自立歩行(歩行補助具使用含む)9名、介助歩行(監視含む)4名、ベッド上2名であった.そのうち屋内移動用手すり使用者は自立歩行群で2名、介助歩行群で1名であった.屋内外の出入り方法は車椅子でスロープ使用者が4名、車椅子で段差解消機使用者が1名、歩行が13名であった.歩行で出入り群13名の内、手すりなしで自立が6名、手すりを利用し自立が2名、要監視・要介助が5名であった.その内、段差を低くするための踏み台設置者は、手すりなしで2名、要監視・要介助で1名であった.<BR><BR>【考察】<BR>屋内移動・屋内外の出入りにおいて手すりの使用例が比較的少なかった.屋内移動において、襖で区切られた部屋では手すりを設置しづらいことも考えられるが、壁や家具などのつたい歩き・柱や家具などにつかまる段差昇降といった方法が実施されていた.屋内外の出入りについても2段ある上がり框の昇降を柱や下駄箱を利用するという方法が多くみられた.車椅子用スロープの利用はいずれも玄関内までに2段階のスロープ利用が必要であったのが特徴的であり、車椅子での移動にはスロープ設置などの改修は必須であるという結果を得た.今後、入院から在宅への移動方法の検討を行なう際、対象者の住宅が古民家であってもできるだけ住み慣れた環境下での移動方法を心がけていくために、まず家具や柱など今ある住環境の利用も十分に考慮すべきである.
著者
瀬戸 陽介 小山 あずさ 田村 浩一郎
出版者
北海道大学低温科学研究所 = Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.157-163, 2011-03-31

抗菌ペプチドはショウジョウバエにおいて主要な生体防御機構の一つであり, キイロショウジョウバエでは, これまでに7種類が同定されている. これら抗菌ペプチドは種類によって活性を示す対象の微生物が異なり, バクテリアに対して強い抗菌活性を示すものや真菌類に強い抗菌活性を示すものが知られている. 様々な研究から, 抗菌ペプチドは, 個体レベルでは個体の微生物に対する抵抗性に大きく影響することが, 遺伝子レベルでは種類によってその分子進化パターンが異なることが明らかとなっている. そこで, 本稿では抗菌ペプチドの分子進化と抗菌活性や個体での抵抗性との関わりについて論じる.
著者
斎藤 成也 伊藤 元己 田村 浩一郎 今西 規
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

本研究の目的は,遺伝子系統樹と種系統樹のデータベースを試作することである。3年のあいだに,以下のものについて,すべての系統樹の図の入力を行った。斎藤が担当したのはMolecular Phylogenetics and Evolutionは1992年(第1巻)〜1997年(第8巻),Molecu1cu Biology and Evolutionは1983年(第1巻)〜1998年(第15巻),Journa1 of Molecular Evolutionは1993年(第36巻)〜1998年(第46巻),田村が担当したのは遺伝学雑誌/Genes and Genetic Systemsが1981年(第56巻)〜1997年(第72巻),Geneticsが1980年(第95巻)〜1997年(第146巻),Zoological Scienceが1984年(第1巻)〜1997年(第14巻),今西が担当したのはNatreが1991年(第349巻)〜1995年(第376巻),Scienceが1991年(第254巻)〜1995年(第267巻),PNASが1991年(第88巻)〜1995年(第92巻),伊藤が担当したしたのはAmerican Journal of Botanyが1988年(第75巻)〜1997年(第84巻),Evolutionが1990年(第44巻)〜19956年(第50巻),Systematic Botanyが1990年(第15巻)〜1995年(第20巻)である。この系統樹データベース"Jung1e"は斎藤が本科研費で購入したワークステーションに移して集中管理しており,WWWですでに公開している(URL=http://smi1er.1ab.nig.ac.jp/jung1e/ungle.htme)。著者名,諭文名,図の題名などのテキストを検索する子システムを現在準備中である。CDROMでも配布する予定である。
著者
遠藤 裕久 戸叶 隆司 清水 孝史 和田 英樹 土井 信一郎 塩澤 知之 小西 宏和 比企 優 華藤 芳輝 久保田 直純 田村 浩 尾藤 史康 木津 京子 諏訪 哲 住吉 正孝 中里 祐二 代田 浩之
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.436-441, 2013 (Released:2015-07-16)
参考文献数
7

症例は,84歳女性.高血圧症に対して,2011年4月からアゼルニジピン16mg/日の内服が開始された.同年5月14日,めまい・眼前暗黒感が出現し当院受診,心電図上洞停止,心拍数40/分前後の房室接合部調律がみられ,入院となった.ただちにアゼルニジピンを中止,翌日には心拍数75/分の洞調律に回復した.後日施行した電気生理学的検査では,200/分のオーバードライブ洞抑制試験において洞結節回復時間が3,065msecと延長を認めた.また来院時のアゼルニジピン血中濃度は,7.89ng/mlと通常の治療域であった.ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬による症候性徐脈の症例報告は少ない.今回われわれは,潜在性の洞結節機能不全がアゼルニジピンにより顕在化し,著明な症候性徐脈を呈した1例を経験したため,報告する.
著者
戸田 正憲 和多田 正義 田村 浩一郎 加藤 徹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

全ゲノム配列情報を「骨格」として,さまざまな部分配列情報を網羅的に利用可能にする,分子系統解析のための新しい方法論を考案し,モデル生物群としてのショウジョウバエ科の系統解析を行った.その結果,極めて高い解像度の系統樹が推定され,新しい方法論の有効性が実証されるとともに,これまで未解明の部分があった最大の属,ショウジョウバエ属について,いくつかの重要な新しい系統情報が得られた.これにより,ショウジョウバエ科の系統分類学および進化学的枠組みを大きく変える必要がある.