著者
森山 葉子 豊川 智之 小林 廉毅 井上 和男 須山 靖男 杉本 七七子 三好 裕司
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.22-22, 2012 (Released:2012-03-05)
参考文献数
22
被引用文献数
2

単身赴任者と家族同居者における生活習慣,ストレス状況および健診結果の比較―MYヘルスアップ研究から―:森山葉子ほか.東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学―目的:全国に支社を持つある金融保険系企業の男性従業員を対象に,生活習慣,ストレス状況および健診結果について,有配偶単身赴任者と有配偶同居者との比較を行うこととした.対象と方法:2004年の定期健康診断を受診しており,かつ同年に実施した質問票による調査に回答した男性のうち,有配偶であり40代および50代の事務職である3,026名を調査対象とした.質問票の配偶者はいるかとの問いに,「はい」と答えた者を同居群,「はい(単身赴任中)」と答えた者を単身赴任群とした.生活習慣については運動,飲酒,喫煙習慣など12項目を,ストレス状況については,質問票内の職業性ストレス簡易調査票の下位尺度から,活気の低下,イライラ感,疲労感,不安感,抑うつ感,身体愁訴の6項目について喫煙者と非喫煙者を層化してχ2検定で分析した.健診結果についてはBMI,収縮期血圧,拡張期血圧,空腹時血糖,GOT,GPT,γ-GTP,総コレステロール,中性脂肪,HDLコレステロール,赤血球,白血球を用いて,単身赴任との関連を年齢と喫煙を共変量として回帰分析で検討した.結果:単身赴任群は同居群と比較した結果,運動・喫煙・飲酒・食生活・休日日数などの生活習慣が好ましくない者が多く,ストレス状況では喫煙者においてイライラ感と不安感,抑うつ感が高く,健康状況を示す健診結果については,総コレステロール,中性脂肪,白血球数が高かった.結論:本研究は,有配偶単身赴任者において食生活などの生活習慣が好ましくない者が多く,ストレス状況のイライラ感と不安感,抑うつ感が高く,健診結果において脂質関連の数値が高いことを示した.
著者
豊川 智之
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

目的検診受診者の受診時におけるHCV及びその治療や検診に関する知識、不安などについて明らかにすることを目的とした。方法調査は2005年11月から2006年11月に、調査協力の得られた関東H市のHCV検診で行った。自記式調査票により属性(性・年齢・職業など)、C型肝炎に関する知識、および検診結果やC型肝炎の進行想定下での効用値などについて調べた。C型肝炎に関する6健康状態の効用値は、Visual Analog Scale(VAS)を用いて測定した。結果HCV検診受診者1,047名のうち、調査への参加に同意し、性・年齢で欠損データのない503名を分析対象者とした。C型肝炎の知識に関する正答率は「年齢が高い人ほど感染者が多い」19.5%、「昔うけた大きな手術には感染の恐れがある」58.5%、「長期間の血液透析には感染の恐れがある」33.7%、「ボディピアスや入れ墨には感染の恐れがある」29.9%、「現在、輸血による感染の恐れはほとんどない」23.0%であった。各肝炎状態に対するVASによる評価を平均値で示すと、現在の健康状態が76.3(SD;16.1)、陰性結果による安心感84.3(SD;16.5)、陽性結果に対する不安感35.6(SD;24.2)、軽度の肝炎状態33.8(SD;23.4)、重度の肝硬変状態19。1(SD;21.0)、副作用状態25.8(SD;23.0)であった。考察・まとめC型肝炎に関する知識を問う問題の正答率から、リスクへの知識が十分に高い者が検診を受けているとは考えにくい。各肝炎状態に対するVASによる評価を見ると、陽性結果に対しては、強いショックを受けることが示された。肝炎の進行に伴い、生活の質が大きく落ち、副作用に対しても、生活の質に対する影響が強いと推定することが示された。