著者
豊満 美峰子 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.181-185, 2005-04-20
参考文献数
16

A questionnaire survey was conducted to examine how the color of the food, tableware and table setting influenced the taste. Color schemes of yellow, orange, red, purple, blue, green, white and black could be chosen as preferable. Jelly was used to simulate the foods, plastic plates for the tableware and papers for the table setting. Pictures were taken of the different color schemes for visual assessment by an evaluation panel. Warm color schemes were highly evaluated, the most favored being yellow, orange and white for the food, tableware and table setting, respectively. Dull color schemes were not liked, the most disliked being all black and cool colors. The color scheme of the foods and tableware was more influential than the color of the table setting.
著者
豊満 美峰子 小宮 麻衣良 松本 仲子
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.186-196, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
9
被引用文献数
1

同一食品に対して, 情報を与えない場合と情報を与えた場合とでおいしさの印象がどのように変化するかを官能評価法により検討した。情報は, 価格, 商品名, 産地, 購入場所, 添加物, 栄養成分, 遺伝子組み換え, 栽培方法である。評価の方法は, 検査台に置いた食品について目視によりおいしさを判断することとし, 7段階の評点法で評価した。また目視による評価の信憑性を確認するため食パンとヨーグルトの2品目については実際に試食した。  1. 価格については, 調査品目数94品のうち約51%について, 無情報の場合より価格明示した場合で有意に評価の変化が認められた。高価なものは情報明示で評価が高まり, 安価なものは評価が低くなる傾向がみられた。  2. 商品名については, 調査品目数94品のうち約61%について, 無情報と商品名明示で有意差が認められた。調味料では, 「本醸造」「深層海水」「天然醸造」などの表示があるものの評価が高くなる傾向がみられた。また, 価格明示より商品名明示で評価が高くなる品目が多かった。  3. 産地については, 評価に変化がみられたものは調査品目数30品のうち約73%であった。オレンジジュースの愛媛産, チョコレートのベルギー産, りんごの青森産, 長野産のように産地が既知である品目は評価が高くなる傾向がみられた。  4. 栄養成分・添加物については, 栄養成分添加の情報は, おいしさにあまり良い影響は与えず, むしろ評価が低くなる傾向がみられた。評価が下がったのは, 調査品目数23品のうち約39%であった。  5. 遺伝子組み換えでは, 原材料が遺伝子組み換え無しと表示されているもののほうが遺伝子組み換えに関する情報が表示されていないものより情報を与えて評価が高くなる場合が若干多かった。また「減農薬」「無農薬有機」など一般に良いイメージをもたれているものは評価が高い傾向にあった。情報で評価に変化がみられたものは23品中11品48%であった。  6. 実際に試食した食パンとヨーグルトについても情報を与えることによって評価が変化し, 目視して評価した場合とほぼ同じ傾向を示した。  本調査結果から, 何らかの情報を与えると, 食品の種類や情報の種類によって評価に変化が生じることが明らかとなった。
著者
豊満 美峰子 小宮 麻衣良 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.35, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 視覚的要因がおいしさと密接に関わることは通説化しているが、食事を提供する場においての研究例は多いとはいえない。申請者らは、これまでに食品・食器・食卓の配色や食器の材質等について検討してきた。本研究では料理を盛り付ける際の視覚的アクセントとなる「青み」、ここでは赤や緑色の食材を添える効果について検討し、日常の食事における視覚的要素の有効性をより明らかにすることを目的とした。【方法】 家庭の食事に頻出する料理に「赤」「緑」の食材を添えて盛り付け撮影し、その画像をパネルに見せて評価させ、集計分析した。料理1品について、1)「赤」のみを添えたもの 2)「緑」のみを添えたもの 3)「赤」「緑」の両者を添えたもの 4)どちらも添えないもの の4パターンの画像を作成した。評価は7段階評点法の官能評価法により「おいしそうに見える」程度を評価させた。パネルは短期大学部学生約100名である。【結果】 「赤」又は「緑」を添えたものは「どちらも添えないもの」の場合に比べて全体的に評価は高くなった。特に「緑」を添えた場合では、ほぼ全ての料理が評点0「普通」以上の値となり、「まずそう」と評価されたものはなかった。「赤」を添えた場合は主に茶色を呈する料理に対して評価が大きく上昇した。しかしその一方で、「赤」を添えたことにより逆に評価が低下した料理もあった。「赤」「緑」の両者を添えたものでは、平均値で料理全てが評点0「ふつう」以上の評価となった。「やきそば」の例では、「どちらも添えないもの」の平均値が-1.0で「あまりおいしくなさそう」とされたのに対し、「赤」「緑」の両者を添えたものでは平均値が1.6と上昇して「おいしそう」という評価が得られた。
著者
小宮 麻衣良 豊満 美峰子 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.156, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 計量カップ・スプーンによる食品の計量値は、食品の性状の変化に応じて、数値の改定がなされてきた。米についても変化していると推察されるが、精白米については1カップ(200ml)=160gのまま、50年以上ものあいだ改定されずにきた。そこで、計量カップおよび自動炊飯器に付属する1合カップ(180ml)を用いて、精白米の生産年度、品種を変えて計量した。また、炊飯に際しては、カップと合カップの使用区分が曖昧で、家庭や教育現場での調理でも長く混迷が続いている。そこで、炊飯における計量器の統合を期待して、家庭における米の計量器、計量の方法などについて教職課程に在籍する大学生の家庭を対象に調査した。<BR><B>【方法】</B><BR> 精白米の計量については、計量カップ(200ml)と1合カップ(180ml)とを用い、品種(コシヒカリ、ササニシキ)や生産年度(平成17年,平成18年)を変えた4種類の米を5回ずつ計量し、その平均値を求めた。アンケート調査については、米の計量器具、1回の炊飯量、水加減の方法、計量カップと1合カップの容量の違いの認知度などについて質問した。<BR><B>【結果】</B><BR> 精白米の計量値については、4種の米の1カップあたりの平均値は167.1±5.94gで160g以上であり、一般に通用している計量値の変更が必要であると考えられた。また、アンケート調査結果については、家庭で使用する計量器は1合カップ69.0%、米びつ16.7%、計量カップは4.8%であった。家族と同居の場合1回平均炊飯量は3.6合となった。計量カップと1合カップの容量の違いについては、57.1%の学生が「知らない」と回答し、この計量実験によって容量の違いを初めて知ったとしている。
著者
豊満 美峰子 小宮 麻衣良
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1001, 2009

<BR>【目的】食事の際、盛り付けは重要な要素である。美しく盛り付け食欲を増進させるとともに、1人分の分量を決定し栄養素の充足を図り食べ過ぎや不足を防ぐ意味もある。本調査では、家庭で利用される頻度が年々増加している中食について、購入後にどのような盛り付けをして食卓に供しているかを料理毎に把握することを目的とした。<BR>【方法】東京都内の服飾を専攻する大学生20~21歳及び食物を専攻する19~21歳の短大生288人を対象としてアンケート調査を行った。調査内容は、料理を家で作るか購入するかと一人分盛り付けるか家族分一緒に盛りつけるかを選択式できいた。各設問とも選択肢ごとの人数を集計し全人数に対する割合を算出した。<BR>【結果】中食として購入することの多い料理の盛り付けについて、パックのまま供卓する料理は%が高い順に「握り寿司(42.4%)」「サンドイッチ(29.9%)」「巻き寿司(18.8%)」であった。大皿に家族分一緒に盛り付ける料理は「ぎょうざ(69.4%)」「鶏の唐揚げ(68.8%)」「野菜炒め(62.5%)」「おでん(61.5%)」「シューマイ(60.8%)」「焼き鳥(58.3%)」「野菜の煮物(56.3%)」「野菜サラダ(54.5%)」「きんぴら(54.2%)」などであった。一人分ずつ盛り付ける料理は「焼き魚(78.8%)」「うどん(76.4%)」「炊き込みご飯(76.4%)」「ハンバーグ(75.3%)」「パスタ類(71.9%)」「そば(66.7%)」「うなぎの蒲焼(63.5%)」「グラタン(60.4%)」であった。
著者
小宮 麻衣良 豊満 美峰子 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.156, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 計量カップ・スプーンによる食品の計量値は、食品の性状の変化に応じて、数値の改定がなされてきた。米についても変化していると推察されるが、精白米については1カップ(200ml)=160gのまま、50年以上ものあいだ改定されずにきた。そこで、計量カップおよび自動炊飯器に付属する1合カップ(180ml)を用いて、精白米の生産年度、品種を変えて計量した。また、炊飯に際しては、カップと合カップの使用区分が曖昧で、家庭や教育現場での調理でも長く混迷が続いている。そこで、炊飯における計量器の統合を期待して、家庭における米の計量器、計量の方法などについて教職課程に在籍する大学生の家庭を対象に調査した。 【方法】 精白米の計量については、計量カップ(200ml)と1合カップ(180ml)とを用い、品種(コシヒカリ、ササニシキ)や生産年度(平成17年,平成18年)を変えた4種類の米を5回ずつ計量し、その平均値を求めた。アンケート調査については、米の計量器具、1回の炊飯量、水加減の方法、計量カップと1合カップの容量の違いの認知度などについて質問した。 【結果】 精白米の計量値については、4種の米の1カップあたりの平均値は167.1±5.94gで160g以上であり、一般に通用している計量値の変更が必要であると考えられた。また、アンケート調査結果については、家庭で使用する計量器は1合カップ69.0%、米びつ16.7%、計量カップは4.8%であった。家族と同居の場合1回平均炊飯量は3.6合となった。計量カップと1合カップの容量の違いについては、57.1%の学生が「知らない」と回答し、この計量実験によって容量の違いを初めて知ったとしている。
著者
小川 久惠 豊満 美峰子 松本 仲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.104, 2005 (Released:2005-09-13)

[目的] 鶏卵は、抗菌性が高く、比較的保存に耐えられることは、一般にはあまり知られておらず、消費者は、生鮮食品として産卵後の時間が短いほどよしとし、生産者はそれに応じて可能な限り、産卵後時間経過の短いものを市場に提供しようと労力を費やしている。そこで鶏卵の産卵後の保存が、食味に及ぼす影響について検討を行った。[方法] 検討方法は鶏卵の性状測定と、官能評価によった。試料の鶏卵は、同一条件で産卵させたものを用い、これを冷蔵(5℃)および常温(15から20℃)で保存し、それぞれ保存日数(0.5,10,20,40日間)を変えたものを使用した。性状についてはpH、重量、ハウユニットの変化を測定した。官能評価は3種の調理(ゆで卵、卵豆腐、煎り卵)をおこない、7段階の評点法で評価した。パネルは20から60歳代の女性15名で構成し、評価を3回繰り返して行い、その平均値を採用した。[結果] pHは、保存0日では酸性を示すが、日を経るごとにアルカリ性に傾いた。重量は、経過日数ごとに暫減し、最終的に冷蔵保存で2%、常温保存で7%の減少がみられた。ハウユニットは、日数の経過に従って数値の減少がみられた。いずれも冷蔵保存に比べ、常温保存の変化が大であった。ゆで卵の官能評価は、保存0日を除いて、冷蔵、常温保存ともに保存方法、保存日数による顕著な差がなく評価されたが、保存0日では卵白の味、テクスチャーの評価が顕著に低値であった。卵豆腐、煎り卵についてはいずれも保存方法、保存日数による顕著な差がなく評価された。以上から、鶏卵は少なくとも産卵後40日までは、味覚上の変化がないといえよう。