著者
吉川 直孝 伊藤 和也 堀 智仁 玉手 聡 豊澤 康男
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F6(安全問題) (ISSN:21856621)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.I_125-I_130, 2011 (Released:2012-01-20)
参考文献数
6

本論文ではトンネル切羽の肌落ちにより発生した死傷災害を調査し,その発生状況を分析した.山岳トンネルでは,装薬や支保工の建て込みに際して作業員が切羽に接近して作業するが,多くの災害はそのような作業時に発生している傾向が見られた.また,肌落ちした岩塊の大きさは0.6m角程度と比較的小さいことから,肌落ち・落石災害防止対策として,切羽変位計測,十分な照度の確保,鏡吹付,導水・さぐり削孔といったソフト・ハード両面からの対策を提示した.
著者
加藤 憲忠 村本 浩 豊澤 康男 竹田 透
出版者
一般社団法人 日本産業保健法学会
雑誌
産業保健法学会誌 (ISSN:27582566)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.271-279, 2022-07-10 (Released:2023-02-22)
参考文献数
2

現在、促進されている副業・兼業・フリーランス等の働き方における発注者・委託者の責任について、各シンポジストからご報告を頂き、下記のような見解が提示された。 ・ 副業・兼業・フリーランス等の新しい働き方については法的に未整備な部分が多く、特にフリーランスに対する安全衛生には十分な議論が行われていない現状がある。 ・ DX(デジタルトランスフォーメーション)の一つであるフロントローディングという手法は、設計段階で安全配慮を履行すると同時に現場の生産性向上にも寄与する画期的な取組みで、建設業以外の業界にとっても大きなヒントを秘めている。 ・ 雇用類似労働者への産業保健サービスの展開は技術的には可能だが、それを可能とするために解決しなければならない法的課題がある。 本シンポジウムでの議論を通じ、今後ますます拡大するであろう副業・兼業・フリーランス等の働き方において、発注者・委託者の責任範囲の明確化と労働者の健康確保措置は喫緊の課題であるという示唆が得られた。
著者
伊藤 和也・豊澤 康男・高梨 成次
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.450-457, 2011-12-15 (Released:2016-08-31)
参考文献数
7

本報では,東日本大震災における災害復旧・復興工事中の労働災害の現状を概観した後,内陸型活断層地震である,新潟県中越地震,新潟県中越沖地震における災害復旧工事中の労働災害の調査・分析結果を示し,さらにその結果をもとに事業継続計画にて利用される復旧曲線の考え方を援用して,地震被害の状況に応じた災害復旧工事における労働災害発生の可能性について検討を行った結果を示す.そして,これらの分析を踏まえて東日本大震災の現在までの状況と今後の動向について示した.