著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.311-332, 2015-06-25 (Released:2016-06-25)
参考文献数
14

本研究では、ニッピが大阪大学と京都大学から特許技術のライセンスを受けて細胞培養基質の生産を開始した事例から、新規産業における事業機会の迅速な獲得に向けて外部知識を活用することの有効性を明らかにしていく。また、細胞治療や再生医療という業界において、基礎研究を行う組織に蓄積された先端的な知識が民間企業に活用されているという点から、新規産業の育成時期に基礎研究の成果の有効性が高まる可能性を示唆する。
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.99-126, 2015-03-25 (Released:2016-03-25)
参考文献数
11

本研究では、医療機器として欧州市場に参入を果たしたカネカの細胞分離デバイスを分析対象として、次の二点を明らかにする。一点めは、カネカが、既存製品のコンセプトを転換することで、細胞治療に関する新規事業の開拓を達成したことである。そして、二点めは、医療機器メーカーにとっての細胞治療における事業機会の所在である。明らかとなった事業機会の所在に基づいて、成長を期待される細胞治療や再生医療における事業を活性化する政策的支援について、より実用化に近い分野に対して研究開発投資や事業環境の整備を強化することで、新規参入が活性化する可能性を示唆していく。
著者
水野 誠 桑島 由芙 東 秀忠 貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.415-442, 2014-11-25 (Released:2015-11-25)
参考文献数
22

本研究では、日本市場で販売されている約150 車種の乗用車について4 時点にわたって測定された多次元の知覚データと、各種先端装備の採用レベルの関係を分析することで、知覚ポジショニングに適合する装備の採用が行われているかどうかを分析した。さらにそれを潜在顧客の購買態度と結びつけると、ポジショニングから期待される以上の「過剰装備」が、他の要因を一定とすると、購買への態度を悪化させることが示された。
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.69-78, 2011-09-20 (Released:2022-08-27)
参考文献数
29

研究開発の対象を拡大することは,変化の激しい業界において不確実性を吸収する機能を強化し,組織の存続可能性を高める.しかし,経営資源の制約により,市場の変化に対し機動性が鈍化する可能性もある.分析では半導体メーカー10社をサンプルとして,米国特許の取得状況から研究開発における探索の範囲と機動性の関係を検証した.その結果,探索範囲の拡大によって,組織に蓄積される知識は多様化していること.しかし,探索範囲の広い組織は,研究開発の機動性を低下させていることが明らかとなった.
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.8, pp.275-298, 2014-08-25 (Released:2015-08-25)
参考文献数
9

細胞治療や再生医療は、今後、新たな事業機会を提供する産業へと成長していくことが期待されている。しかし、この新たな事業機会を日本経済の成長へとつなげるには、国内企業が、当該産業に新規参入する必要がある。本研究では、旭化成による細胞治療を対象とした新規事業の開発に焦点をあて、川下企業との共同開発の有効性を示す。そして、川上と川下の企業間の関係を構築する仕組みの整備が当該産業に関連した新規事業の開発を促進し、新規参入を後押ししていく可能性を指摘する。
著者
貴志 奈央子
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-20, 2014-01-25 (Released:2015-01-25)
参考文献数
11

本研究では、製品開発において「探索」の機会を創出するためのマネジメントについて、次の二点の有効性を指摘する。まず、顧客からの多様な要求を受け入れて、新たな知識を「探索」せざるを得ない機会を組織メンバーに提供すること。 そして、探索を通じて蓄積された知識が活用される機会を獲得し、知識蓄積の重要性を組織メンバーに認識させることである。