著者
村松 大陸 越地 福朗 越地 耕二 佐々木 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映情学技報 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-16, 2014

近年,Body Area Networkに必要不可欠な無線通信技術として,人体通信が注目を集めている.人体通信における信号伝送は,人体に接触したウェアラブルアンテナ(電極)を介して行われる.したがって,通信品質向上・消費電力低減のために,人体の影響を考慮したアンテナ電極の入力インピーダンス特性の検討が必要不可欠である.本研究では,電磁界解析を用いて,手首に装着されたアンテナ電極の入力インピーダンス特性を計算した.計算は1〜100MHzの範囲とし,皮膚の水分状態の影響も検討した.さらに,試作したアンテナ電極および複数の被験者の実人体を用いて,アンテナ電極の入力インピーダンス測定を行った.その結果,入力インピーダンスの周波数特性は解析値と実験値で同様の傾向を示すことが明らかとなり,電磁界解析による計算の妥当性が示された.また,皮膚の水分状態および各被験者の個人差による入力インピーダンス特性の差は,低周波領域で大きくなり,高周波領域では小さくなることが明らかになった.
著者
越地 福朗 江口 俊哉 佐藤 幸一 越地 耕二
出版者
社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.200-211, 2007-05-01
参考文献数
17
被引用文献数
5

本稿では,半円と台形の放射板を有する半円台形不平衡ダイポールアンテナを提案する。はじめに,電磁界解析により放射板形状の検討を行い,半円と台形の放射板の組み合わせの時に効果的に広帯域化されることを示す。次に,携帯機器への組み込みを考え,マイクロストリップ線路を用いて給電する場合を検討し,VSWR特性および指向性を劣化させることなく給電が可能であることを示す。最後に,実際にアンテナを試作し,実験により特性を評価し,提案するアンテナの有効性を確認している。その結果,提案した半円台形不平衡ダイポールアンテナは,UWBの周波数帯域を含む2.8〜11.5GHzでVSWR≦2.0(帯域幅122%),指向性利得は-3.8〜5.0dBiであり,交差偏波比は15dB以上の良好な特性を得た。