著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.133-139, 2007-03-01

暗記や勉強を行うときは、室内を歩き回りながら行うと効果的であるといわれている。しかしパソコン作業などのデスクワーク中に歩き回ることはできない。デスクワーク作業中に可能な運動としては微小揺脚運動(貧乏ゆすり)が考えられる。しかし、これは歩行に比べだらエネルギー消費が非常に小さくなる運動規模の非常に小さい運動である。本研究では貧乏ゆすりが良導絡(電気的な経絡)の自律神経活動に与える効果をノイロメトリー法による皮膚電気反応測定により吟味した。被験者は22-23歳の健康な男子10人である。運動時間は4分間である。貧乏ゆすり前に4分間、貧乏ゆすり後に8分間のノイロメトリーを行った。貧乏ゆすり前に比べ運動後の初めの4分間は良導絡の皮膚電気伝導が上昇した。次の4分間に大略元に戻る傾向があった。従って貧乏ゆすりのような小規模な運動といえど、統計的有意に良導絡自律神経活動を活性化することが示唆される。また、良導絡自律神経情報系LH_2およびLH_3に影響が大きく現れる傾向が見られた。逆に、 LH_5およびLH_6への影響は比較的小さい傾向があった。
著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.121-125, 2006-03-01
被引用文献数
2

アロマセラピーの研究においては、匂いが自律神経に与える影響を調査することが重要である。本研究ではジャスミンの匂いが自律神経に与える影響を心拍変動のパワースペクトルのHF(high frequency)成分とLF(low frequency)成分の変化から調べた。本実験における被験者は、ジャスミンの匂い刺激によりパワースペクトルのHF成分は有意変化を示さなかったが、LF成分が有意に増大した(p<0.01)。このことは副交感神経の活動増大(または精神性負荷減少)が起こることを示唆した。
著者
青木 孝志 吉福 康郎 足達 義則
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.385-391, 1999-09-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2

筆者は, ベクトルポテンシャル発生器により発生させたゲイジ場(ベクトルポテンシャル)は, 皮膚の電気伝導, 脈波, 皮膚表面温度等への生理学的影響を与える。すなわち、自律神経に影響を与えることを実験により導き出した。また、液体のNMR半値幅, 粘性係数にも影響を与えることを導き出した。一方, 人体中には電流があるから人体からもベクトルポテンシャルが放出される。これは生体が他の生体に生理学的影響を与える可能性を示唆しているであろう。今回はこれらのことにつき説明を加え将来を展望する。
著者
足達 義則 青木 孝志
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.84-89, 2001-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
4

呼吸の仕方は、ある程度意識的に変化させることができる。これによって、他の不随意器官に影響が現れることが知られ、安静や瞑想に用いられている。本研究では、3種類の呼吸法;普通呼吸(何も意識しない通常の呼吸)、丹田呼吸(下腹部に意識を集中した腹式呼吸)、および腹筋振動呼吸(笑いと模倣した、呼気を短く強く数回に分けて行う呼吸)について、血中酸素濃度、皮膚電気抵抗、および脈波形への影響について調べた。特に、脈波形についてはフラクタル次元解析を用いて変化の様子を検証した。これらの検討により、呼吸法を変えることによって脈波形、ノイロ値、血中酸素溶存率は大きく変化し、他の器官に影響している可能性が見いだされた。
著者
上杉 一秀 足達 義則 大曲 和寛 鈴木 昭二
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.202-207, 2002-03-01

ストレス解消のための新しい音楽生成システムを提案している。川のせせらぎ、虫の音、風鈴などいわゆる1/fゆらぎの音を聞くことはストレス解消に効果がある。特に虫の音や音声のトレモロ・ビブラート等にみられる8[Hz]のゆらぎはシューマン共振と呼ばれる自然現象に由来していることが知られている。そこで、音楽の中にシューマン共振波の8[Hz]のゆらぎを取り入れることでストレス解消ができる音楽生成装置の開発を行い、手首からの脈像情報からストレス解消効果を測定した。
著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.23-29, 2007-03-01

近年、様々な芳香の活用が統合療法分野で増加しつつある。これはアロマセラピーと呼ばれているが、匂い刺激は人体の嗅覚中枢に伝わり、自律神経や脈波に影響を与える。本研究日的は、匂い刺激が脈波の構成成分の波高比(b/aおよびd/a)に対して、どのような影響をもたらすのかを調べることである。ここで、a,bおよびdは加速度脈波の構成成分であるa,bおよびd波の高さである。10人の被験者にジャスミンの匂い刺激を5分間あたえた。刺激中の5分間と、刺激前の5分間および刺激後の5分間、脈波を測定した。その結果、ジャスミンの匂い刺激中はb/aが統計的有意に減少した。この実験結果は刺激中に血管の伸展性がよくなったことを示唆している。刺激を止めると約5分以内に元の値に戻った。d/aは有意な変化を示さなかった。また刺激によって心拍数が平均3.5%増加した。
著者
足達 義則 尾崎 正弘 尾崎 正弘
出版者
中部大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

Web教育では端末側に座っている人間を特定することが、評価などを行う上で重要になる。本研究では平仮名を用いた筆者識別の検討を行い、「そ、よ、ま、わ」の文字を使うことで精度の高い筆者識別を実現した。また、顔画像を使った個人認証について検討し、主成分分析の手法と学習理論を併用した簡便な識別法を提案できた。さらに、学習を継続する上で理解度を予測し適切な教材を提供することが必要となるが、こまめなレベル調整が学習効率につながることを見出した。
著者
足達 義則
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.82-86, 2011-03-01 (Released:2018-12-14)
参考文献数
5

人は日々様々な刺激にさらされており、これから強弱様々なストレスを受けている。ストレスは自律神経の働きに影響を及ぼし、長期間のストレスが病気の引き金になっていると思われるケースが多く報告されている。本研究では、数種類の精神作業負荷、運動負荷が与えられたときに生じる自律神経の働きの変化を、心拍数、R-R間隔変動のLF/HFの値から測定し、リラックス度の指標となる副交感神経の働きを推測した。その結果、自然の中での散歩や好きな本の読書、クラシック音楽などをリラックスを得るために適した負荷として推奨した。
著者
吉田 勝志 吉福 康郎 青木 孝志 足達 義則
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.563-569, 2002

気功の一種であるスワイショウが下肢筋群に及ぼす影響を重心動揺の計測によって調べた。被検者は、10分間のスワイショウを4回続けて実施した。スワイショウの実施により、どの被検者の重心動揺の軌跡長も顕著に増加した。その傾向は、2回目のスワイショウ実施後まで漸増し、その後安定した。スワイショウによる軌跡長の増加は安静直後に比べおよそ1.7〜1.8倍、重心動揺の面積の増加はおよそ1.9〜2.0倍であった。これらの結果と被検者の感想から、スワイショウはかなり強い負荷強度であり、特に下肢筋力の衰えた高齢者に対し良い運動負荷となること、その効果的な実施時間は約20分であることが明らかになった。
著者
青木 孝志 足達 義則
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.133-139, 2007-03-01 (Released:2019-04-30)
参考文献数
5

暗記や勉強を行うときは、室内を歩き回りながら行うと効果的であるといわれている。しかしパソコン作業などのデスクワーク中に歩き回ることはできない。デスクワーク作業中に可能な運動としては微小揺脚運動(貧乏ゆすり)が考えられる。しかし、これは歩行に比べだらエネルギー消費が非常に小さくなる運動規模の非常に小さい運動である。本研究では貧乏ゆすりが良導絡(電気的な経絡)の自律神経活動に与える効果をノイロメトリー法による皮膚電気反応測定により吟味した。被験者は22-23歳の健康な男子10人である。運動時間は4分間である。貧乏ゆすり前に4分間、貧乏ゆすり後に8分間のノイロメトリーを行った。貧乏ゆすり前に比べ運動後の初めの4分間は良導絡の皮膚電気伝導が上昇した。次の4分間に大略元に戻る傾向があった。従って貧乏ゆすりのような小規模な運動といえど、統計的有意に良導絡自律神経活動を活性化することが示唆される。また、良導絡自律神経情報系LH_2およびLH_3に影響が大きく現れる傾向が見られた。逆に、 LH_5およびLH_6への影響は比較的小さい傾向があった。
著者
鈴木 昭二 足達 義則 青木 孝志 川口 雅司
出版者
International Society of Life Information Science
雑誌
国際生命情報科学会誌 (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.163-170, 2010-03-01 (Released:2018-12-18)
参考文献数
4

本論文では、負性インピーダンス変換器(NIC)を用いた等価回路決定法における測定回路の改良を提案している。この方法では、一箇所の測定が数分でできる利点がある。測定原理は、OPアンプの仮想接地の概念を利用し、非接地キャパシタンスCだけの回路にしておき、それを外部に付けたコイルと共振させて、その共振周波数からCの値を測定している。改良された測定回路では測定精度も改良されている。
著者
足達 義則
出版者
中部大学情報科学研究所
雑誌
情報科学リサーチジャーナル (ISSN:13402935)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.65-76, 2013-03

精神的なストレスがかかると瞬きの頻度が変わることが知られている。そして、そのメカニズムの研究がさまざまな研究機関で進められており、徐々にその機能も明らかにされつつあるが、未だ多くのことは謎に包まれている。本研究では、精神的なストレスがかかる状況やリラックスできる状況を設定し、瞬きの頻度がどのように変化するかを、瞬き自動計測システムを開発して測定した。緊張からの開放時や集中が途切れるときに瞬き頻度が増加することを見出した。また、ストレス下では交感神経が緊張して免疫力をはじめとして、生体機能が低下して病気の原因になるといわれて久しい。これに対して笑いが副交感神経を優位にしてNK 活性を改善することが知られている。しかも作り笑いでも効果があると言われている。そこで、その効果は呼吸にあると考え、平常時の呼吸と笑いを模倣した呼吸とにどのような違いがあるかを血脈波形のWavelet 解析で調べた。幾つかの特徴的な違いは確認できたが、どれが生体機能の平常化に効果があるかについてはこれからの課題として残っている。
著者
尾崎 正弦 足達 義則 石井 直宏 小谷津 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.1554-1561, 1996-09-25
被引用文献数
4

小学校教育における手書き文字学習能力の向上や中・高・大学生の"まんが文字"などの癖字の修正を目指したCAIシステムを提案する.書字能力に合わせて初級,中級および上級の3段階を設け,書家により書かれた標準文字から類似度関数(メンバシップ関数)を作成し,それぞれの階級について評価した.また,初級段階では,"なぞり"と"視写"学習を採用した.昇級は最終3回の総合的な類似度からファジー推論を用いて自動的に決定した.更に,中級および上級段階では各文字のストロークごとにストローク評価関数を設定し,学習者に対して細かな指導ができるようにした.一般的に文字のバランスは個々のストロークのみで画一的に決定するものではなく,文字全体の視覚的バランスが大変重要である.個々のストローク評価関数は,そのような感性的要因を考慮して決定した.このシステムで,「あ」,「い」,「う」,「え」,「お」の5文字について実験を行った結果,学習効率の向上が見られたので報告する.