著者
近藤 和弘 チャールズ ヘンプヒル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.257-267, 1998-02-25
参考文献数
16
被引用文献数
13

不特定話者連続音性認識を用いて, 音声でWorld Wide Web(WWW)ブラウザが制御可能なシステムを試作した.このシステムでは現在ブラウズしているページ中のアンカー名を読むことにより, そのリンク先のページに進むことができる.また, 音声を用いて, ブラウザを制御することも可能である.新しいWWWページに移行するたびにブラウズ中のページからアンカー名を抽出し, これを音素列に変換し, 文法を作成し, 音声認識システムに与えて語いをダイナミックに切り換える.このとき, 日付, 年齢などの例外的な読み方に対応する必要がある.簡単な音素列変換テストの結果, 最も正答に近い候補中に97%の正しい音素列が含まれていることが確認された.更に, 日本語ページには英文アンカー名も多く含まれるため, 限定語いの英語も認識できるようにした.簡単なユーザテストの結果, 91.5%のタスク達成率を得た.エラーの原因は音声認識精度によるものよりむしろユーザの誤読, 音声検出ミスなどの方が多いことがわかった.不慣れなために起こるユーザ誤操作を除いたタスク達成率は94.1%である.
著者
中澤 和司 近藤 和弘
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.143, no.8, pp.830-841, 2023-08-01 (Released:2023-08-01)
参考文献数
41
被引用文献数
2

In this paper, we made improvements and evaluated our proposed model for non-reference speech intelligibility estimation on reverberant speech, attempting to improve the estimation accuracy significantly. Our proposed method consists of a DNN for speech enhancement and a separate DNN for intelligibility estimation. The latter uses features obtained from enhanced and degraded speech to estimate intelligibility. Although previous studies have effectively estimated intelligibility for speech degraded by additive noise using similar models, they did not consider the degradation of distortion caused by reverberation. They also did not quantify the effect of various speech enhancement DNN models, the structure of the intelligibility prediction DNN, and the selection of parameters during feature calculation on estimation accuracy. Accordingly, we compared two top-of-the-line speech enhancement DNN models and used their output to train intelligibility prediction DNNs for reverberant speech while also varying the parameters used in the feature calculation. Consequently, the linear correlation coefficient between subjective and estimated intelligibility came to 0.801 with the best combination.
著者
半澤 信智 油井 辰憲 高野 勝美 近藤 和弘 中川 清司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.349, pp.51-56, 2006-11-09
被引用文献数
1

光信号を電気信号に変換せずに波形処理できる技術は,高速光変調の進展に役立つと考えられる.本報告では,光ファイバを用いて基礎的なFIR型フィルタを構成し,その特性を実験的に検証した結果を報告する.実験には,構成が簡単な1次差分システムを用い,理論値との比較を行った.
著者
横森 励士 近藤 和弘 大畑 文明 井上 克郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.150-158, 2003-03-01

影響波及解析とは,プログラム変更の影響を受ける部分を識別する手法で,回帰テストでのテストケース選択に利用されてきた.我々はプログラム理解,保守といったより広い範囲でも影響波及解析が利用できると考えているが,既存の手法は被影響部分の探索ルールがテストケース選択用に特化されているため,利用目的に応じて探索ルールを定義できる仕組みが必要となっている.また近年のソフトウェア開発環境では,オブジェクト指向言語が多く利用されており,それらに対応した解析手法及びその実装が求められている.本論文では,ユーザの利用目的に応じて様々な影響波及ルールが定義できる影響波及解析手法を提案する,提案手法では,オブジェクト指向言語JAVAを対象に,クラスメンバ間の関係を表す二つのグラフに基づき解析を行う.また,提案手法をJAVA影響波及解析システムとして実装し,その有効性を検証する.