著者
近藤 余範 野口 昭治 近藤 孝之 直井 一也 高辻 利之 黒澤 富蔵
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.406, 2004

歯形測定機の精度を2個のマスタボールを用いてnmオーダで校正する研究開発を行っている。この場合、ボール中心間距離の測定不確かさは100nm以下であることが要求される。この目的には、三次元測定機が一般的に用いられるが、測定精度が十分でなく、測定点数には限りがあり、ボールの形状偏差が大きな不確かさ要因となる。そこで、ボールの形状を連続的に測定し、形状偏差の影響を受けにくいボール中心間距離測定装置を開発した。
著者
浅井 将 城谷 圭朗 近藤 孝之 井上 治久 岩田 修永
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.143, no.1, pp.23-26, 2014 (Released:2014-01-10)
参考文献数
18
被引用文献数
1

アルツハイマー病の原因物質アミロイドβペプチド(amyloid-β peptide:Aβ)はその前駆体であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein:APP)からβおよびγセクレターゼの段階的な酵素反応によって産生される.アルツハイマー病の発症仮説である「アミロイド仮説」を補完する「オリゴマー仮説」は,オリゴマー化したAβこそが神経毒性の本体であるとする仮説であるが,オリゴマーAβのヒトの神経細胞への毒性機構や毒性を軽減する方法は未だ不明であった.そこで我々は,この問題点を解決すべく若年発症型家族性アルツハイマー病患者2名および高齢発症型孤発性アルツハイマー病患者2名から人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell:iPS細胞)を樹立し,疾患iPS細胞から神経細胞に分化誘導を行って細胞内外のAβ(オリゴマー)の動態と細胞内ストレス,神経細胞死について詳細に検討した.その結果APP-E693Δ変異を有する家族性アルツハイマー病患者由来の神経細胞内にAβオリゴマーが蓄積し,小胞体ストレスおよび酸化ストレスが誘発されていることがわかった.一方,1名の孤発性アルツハイマー病患者においても細胞内にAβオリゴマーの蓄積と上記と同様の細胞内ストレスが観察された.これらの小胞体ストレスおよび酸化ストレスはβセクレターゼ阻害薬によるAβ産生阻害やドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid:DHA)によって軽減された.このように孤発性アルツハイマー病においても Aβオリゴマーが神経細胞内に蓄積するサブタイプが存在すること,およびこのサブタイプに対する個別化治療薬としてDHAが有効である可能性を示した.