著者
遠原 智文 三島 重顕 前田 卓雄 浦川 邦夫 本間 利通
出版者
大阪経済大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は,労働市場における需給バランスの逆転が,高度専門職の組織に対する関わり方,及び企業の経営管理手法に与える影響を実証的に明らかにすることを目的としており,特に「供給過剰⇒供給不足(一級建築士)」と「供給不足⇒供給過剰(薬剤師)」のプロセスにある2業界に着目している。平成29年度は,文献調査,アンケート調査の準備(インタビュー調査の実施),研究成果の発表を行った。一昨年度より,高度専門職の組織に対する関わり方や職務満足の構造に関するデータを幅広く収集して,本研究を発展させるために,薬剤師や一級建築士に加えて,中小企業診断士(とくに中小企業診断士の多数を占める企業内診断士)を研究対象に含めている。文献調査では,中小企業診断士に対するアンケート調査で使用する質問用紙の作成のために,職務満足および幸福(感)に関する先行研究を渉猟した。またアンケート調査は,(一社)兵庫県中小企業診断士協会HRM(Human Resource Management)研究会と連携して実施することとなっており,その本格的な実施のために討議を行った結果として,仮説をより明確にするためにインタビュー調査を重ねることが重要という結論に達したため,本年度はインタビュー調査の実施とこれまでの研究成果の発信に注力した。これまでの研究成果の発表については,学会報告や論文の公刊が積極的に行われている。薬剤師に関しては,本間によって論文の公刊および海外での学会発表が行われている。また中小企業診断士においては,遠原および前田によって論文の公刊が行われている。
著者
出水 力 渡邉 輝幸 遠原 智文 石坂 秀幸 義永 忠一 平塚 彰 向 渝 海上 泰生 出水 純子
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

日本企業の海外生産に伴う技術移転問題を、現場・現物・現実の視点に沿い多面的に調査した。アセアンと中国の8カ国で、約100社の個別企業の技術移転の達成度、それを支えた日本のマザー工場の役割を中心に調べた。海外生産は円高と人件費の高騰により、1990年代以降に急拡大した。その多くは大企業の海外展開に隋伴する中堅企業や中小企業であった。海外生産と国内生産を相互に補完することで、個別企業として利益の還流で所得収支を伸ばし、黒字という企業が多い。海外生産の利益が日本経済を支えており、今や生産のみならず開発の一部も海外に進みつつあるのが、現実である。