著者
岸本 美也子 遠藤 久子 萩原 將太郎 野田 光彦
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.99, no.6, pp.1255-1260, 2010 (Released:2013-04-10)
参考文献数
13

ヘモクロマトーシスは鉄が体内の臓器に過剰に蓄積する遺伝性代謝性疾患であるが,サラセミアや,再生不良性貧血,鉄芽球性貧血などの難治性貧血に対する頻回輸血等の二次性要因によっても発症する.ヘモクロマトーシス患者の75~80%に耐糖能障害が起こり,このうち50~60%が顕性糖尿病である.本疾患が進行するとインスリン分泌障害が生ずるが,グルカゴン分泌は保たれており,膵β細胞への選択的鉄沈着がその原因と考えられている.
著者
宇佐神 篤 降矢 和夫 遠藤 久子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.780-785, 1980
被引用文献数
11

スギ花粉飛散期におけるスギ花粉の空中飛散総数を, 飛散開始の数カ月前に知ることができれば, スギ花粉症の治療対策をたてるのに役立つ.その目的のため, 相模原市消防本部資料による同市の気象条件(4-12月と1-3月の各月の平均気温, 平均相対湿度, 雲量, 降水量)とスギ花粉年間飛散総数(空中花粉調査における1cm^2あたりのスギ花粉検出数の年間総和で表した)の関係を毎年過去15年間検討し, 次の結論を得た.1. 7月の平均湿度が翌年のスギ花粉飛散総数と最も相関が高かつた.7月の平均気温が23.9℃以上の場合は, 7月の平均湿度と翌年のスギ花粉年間飛散総数間に高い負の相関が認められた.2. 相模原市におけるスギ花粉年間飛散総数の予測式は次のとおりである.Y=-330X+28336(ただし, Yは翌年のスギ花粉年間飛散総数, Xは7月の平均気温が23.9℃以上の場合の7月の平均湿度である).3. 7月の平均気温が23.6℃以下の場合は, 翌年のスギ花粉年間飛散総数が, 平年値より減少した.4. スギ花粉飛散期の気象と同年のスギ花粉年間飛散総数との間の相関は低かつた.