著者
山田 恵子
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.56-62, 2012-03-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
23

本研究は、乳幼児の小児一次救命処置に対する保育士のスキルの自信について明らかにすることを目的とした。対象者は保育士262名(回収率41.3%,有効回答率99.6%)であった。研究方法は質問紙法による量的記述的研究であり、小児一次救命処置の自信15項目について5段階のリッカート尺度を用いた。因子分析の結果「具体的対処法」「観察・確認」「AED使用方法」「連絡・要請」「心肺蘇生(CPR)」の5因子が導き出された。結果、尺度および因子ごとの平均が全体的に低く、保育士たちは小児一次救命処置について認識はあるが自信が持てていないと考えられた。その背景には、子どもの特徴を踏まえたPBLS教育やAEDの設置が不十分であるなど、質および量の両面での支援が必要であり、母子支援など共通のポイントを持ち乳幼児の特徴を踏まえたキメの細かい指導が可能な看護師による教育的支援が保育士の自信を高めるために有効ではないかと考えられた。
著者
小田 桂吾 大垣 亮 廣野 準一 山田 恵子 宮川 俊平
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.207-211, 2021-04-30 (Released:2021-08-19)
参考文献数
18

本研究は,国内大学女子バスケットボール選手を対象に1シーズンの前向き傷害調査を行い,その実態を明らかにすることを目的とした. 発生した傷害は延べ13件で,傷害発生率は1.36件/1000 player-hoursで、受傷部位は,足関節が6件で最も多かった.全傷害のうち,復帰まで29日以上を要する重症度の高い傷害が84%を占めていた.先行研究と比較して,競技復帰まで長期間であったことから,今後,傷害発生予防に向けた取り組みの必要があると考える.
著者
山田 恵子 壬生 彰 向後 響 井関 雅子 西上 智彦
出版者
日本疼痛学会
雑誌
PAIN RESEARCH (ISSN:09158588)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.1-14, 2021-04-30 (Released:2021-06-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1

The Pain Disability Index (PDI) is a self–reported outcome measure initially developed in English to assess disability caused by pain in seven dimensions of daily life activity, including family ⁄ home responsibilities, recreation, social activity, occupation, sexual behavior, self–care, and life–support activity. This study aimed to develop a linguistical­ly valid Japanese version of the PDI (PDI–J) according to the guidelines for the translation and cultural adaptation of patient–reported outcome measures establish­ed by the task force of the International Society for Pharmacoeconomics and Outcomes Research. A draft of the PDI–J was developed through a forward translation of the original PDI from English to Japanese, reconciliation of the translation, back–translation from Japanese to English, and harmonization. We subsequently conducted a cognitive debriefing in five patients using the PDI–J draft and reviewed it before finaliz­ing a linguistically valid PDI–J. We also considered a five–item version of the PDI (PDI–5–J), which excluded two items (sexual behavior and life–support activity) from the original version. This consideration was made for brevity and because sexual behavior is a considerably personal parameter that some patients may be reluctant to answer and life–support activity because it was considered ambiguous in Japanese. Therefore, we were able to develop a linguistically valid PDI–J and PDI–5–J through this process. Further study is warranted to confirm the psychometric validity and reliabili­ty of the two indices (PDI–J and PDI–5–J).
著者
粟生田 友子 長谷川 真澄 太田 喜久子 南川 雅子 橋爪 淳子 山田 恵子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-31, 2007-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4

本研究の目的は,(1)せん妄発生因子を患者へのケア実践過程にしたがって構造化し,(2)その発生因子とせん妄発症との関連を明らかにすることである.せん妄発生因子は,【背景・準備因子】【身体・治療因子】【患者因子】【周辺因子】の4領域102項目と,薬剤104種類について,せん妄発症との関連を検証した.研究の場は一般病院1施設の,産科,小児科,脳神経外科病棟を除く7病棟であり,2005年1〜3月の3か月間に,基点となる週から2週間ごとに等間隔時系列データ収集法を用いて,6クールのデータ収集を行い,75歳以上の入院患者の全数を調査した.その結果,対象はのベ461名得られ,DRS-Nによってせん妄発症の有無を判定したところ,せん妄発生群96名(DRS-N平均得点16.16点),非せん妄発生群365名(2.44点)となった(発症率20.8%,t=37.687,p=.000).【背景・準備因子】では,「年齢」「入院ルート」「認知症または認知障害」「脳血管障害」「せん妄の既往」の5項目で両群に有意差が認められ,【身体因子・治療因子】で,身体因子の「せん妄を起こしやすい薬物の投与数」「高血圧の既往」「脳血管疾患の既往」「消化器疾患の既往」「感染症徴候(CRP,発熱)」「低血糖/高血糖」「肝機能障害(LDH)」の7項目,治療因子の「緊急手術」「緊急入院」の2項目に有意な差があった.【患者因子】では,日常生活変化の「陸眠障害(夜間不眠,昼夜逆転)」「排尿トラブル(尿失禁,おむつ使用)」「排便トラブル(下痢)」「脱水徴候」「低酸素血症(O2 sat)」「ライン本数」「可動制限(生活自由度)」「視覚障害(眼鏡使用)」の8項目,【周辺因子】では,物理的環境の「部屋移動」,物理的環境への認識/反応の「日にちの確認(カレンダーで確認)」「時間の確認(時計で確認)」「点滴瓶やルートが気になる」の4項目に有意差を認めた.今回抽出できた因子は,せん妄の発症リスクの判断指標となりうるもの,あるいは看護介入によって発症を予防できる可能性をもつものであり,看護職が日々のケアの中で介入可能なものに対して介入方法とその効果を明確にしていくことが今後必要であると考えられた.
著者
山田 恵子 若泉 謙太 深井 恭佑 磯 博康 祖父江 友孝 柴田 政彦 松平 浩
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.125-134, 2017-09-20 (Released:2017-10-05)
参考文献数
29
被引用文献数
4

目的:就労環境における慢性痛の実態,及び慢性痛が仕事に影響する重症例でのリスク因子を明らかにする.対象と方法:大手製造業A社の首都圏にある1事業所,上記とは別の大手製造業B社の関西圏にある1事業所,及び大手小売業C社の関西圏にある16店舗,計3社18施設の被雇用者を対象に,「からだの痛みに関する調査研究アンケート」を施行した.A社B社では参加者の同意を得たうえでアンケートデータと企業健診の問診データを突合し,基本集計を行うと共に,対象者の生活習慣や心理社会的因子と慢性痛有症との関連について,性年齢調整ロジスティック回帰分析を用いて分析した.結果:調査対象2,544名のうち1,914名(男性1,224,女性690名)から有効回答が得られた(有効回答率75.2%).3か月以上持続する慢性痛を有するものは全解析対象者の42.7%であり,仕事に影響する慢性痛を有するものは全解析対象者の11.3%であった.痛みのない群と比較して,仕事に影響する慢性痛群は,肥満,喫煙習慣,不眠症,ワーカホリック度の高さ,上司・同僚からの支援の乏しさ,仕事の満足度の低さ,仕事の要求度の高さ,仕事のコントロール度の低さ,心理的ストレスの高さ,抑うつ状態と有意に関連があった.考察と結論:就労環境における慢性痛とそのリスク因子の実態が一部明らかとなった.産業衛生分野において健康関連リスク因子として重要視されてきた,肥満,喫煙,不眠症,職場環境,心理的ストレス,抑うつは職場の慢性痛対策をおこなう上でも重要であることが示唆された.
著者
粟生田 友子 長谷川 真澄 太田 喜久子 南川 雅子 橋爪 淳子 山田 恵子
出版者
日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 : 日本老年看護学会誌 : journal of Japan Academy of Gerontological Nursing (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-31, 2007-11-01
被引用文献数
5

本研究の目的は,(1)せん妄発生因子を患者へのケア実践過程にしたがって構造化し,(2)その発生因子とせん妄発症との関連を明らかにすることである.せん妄発生因子は,【背景・準備因子】【身体・治療因子】【患者因子】【周辺因子】の4領域102項目と,薬剤104種類について,せん妄発症との関連を検証した.研究の場は一般病院1施設の,産科,小児科,脳神経外科病棟を除く7病棟であり,2005年1〜3月の3か月間に,基点となる週から2週間ごとに等間隔時系列データ収集法を用いて,6クールのデータ収集を行い,75歳以上の入院患者の全数を調査した.その結果,対象はのベ461名得られ,DRS-Nによってせん妄発症の有無を判定したところ,せん妄発生群96名(DRS-N平均得点16.16点),非せん妄発生群365名(2.44点)となった(発症率20.8%,t=37.687,p=.000).【背景・準備因子】では,「年齢」「入院ルート」「認知症または認知障害」「脳血管障害」「せん妄の既往」の5項目で両群に有意差が認められ,【身体因子・治療因子】で,身体因子の「せん妄を起こしやすい薬物の投与数」「高血圧の既往」「脳血管疾患の既往」「消化器疾患の既往」「感染症徴候(CRP,発熱)」「低血糖/高血糖」「肝機能障害(LDH)」の7項目,治療因子の「緊急手術」「緊急入院」の2項目に有意な差があった.【患者因子】では,日常生活変化の「陸眠障害(夜間不眠,昼夜逆転)」「排尿トラブル(尿失禁,おむつ使用)」「排便トラブル(下痢)」「脱水徴候」「低酸素血症(O_2 sat)」「ライン本数」「可動制限(生活自由度)」「視覚障害(眼鏡使用)」の8項目,【周辺因子】では,物理的環境の「部屋移動」,物理的環境への認識/反応の「日にちの確認(カレンダーで確認)」「時間の確認(時計で確認)」「点滴瓶やルートが気になる」の4項目に有意差を認めた.今回抽出できた因子は,せん妄の発症リスクの判断指標となりうるもの,あるいは看護介入によって発症を予防できる可能性をもつものであり,看護職が日々のケアの中で介入可能なものに対して介入方法とその効果を明確にしていくことが今後必要であると考えられた.
著者
石原 純一 山田 恵子 山崎 公恵 中島 恵子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.771-771, 1981-07-25

東京女子医科大学学会第47回総会 昭和56年9月26日 東京女子医科大学本部講堂