著者
中須賀 真一 酒匂 信匡 津田 雄一 永島 隆 船瀬 龍 中村 友哉 永井 将貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.41-48, 2005-01-01
参考文献数
8
被引用文献数
14

2003年6月30日,東京大学中須賀研究室が開発した超小型衛星CubeSat-XI(1kg,10cm立方)がロシア連邦プレセツクより高度820kmの太陽同期軌道に打ち上げられた.その後,当初の予想を超え1年以上の長期にわたり順調に動作し,バス機器の軌道上実証,画像取得・ダウンリンクなどの実験を行って大きな成果を収めた.この衛星は学生の手作りにより開発された衛星で,その第一の目的は宇宙工学教育であるが,民生品をベースに低コスト・短期に衛星を提供することによる新しい宇宙開発を試行することをその先の目的としている.本論文では,CubeSat-XIの概要と軌道上実証の成果を述べ,その開発経験や成果を踏まえ,宇宙開発の低コスト化・短期開発化を目指した小型・超小型衛星開発のあり方を論じる.
著者
酒匂 信匡 山田 良透
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.665-668, 2015-06-15

東京大学,京都大学,国立天文台で開発しているNano-JASMINE 衛星は,星の撮像データから時々刻々の星の位置を求めることで,精密な星図を描くミッションである.星の位置を高精度に決めるため,4000万観測から,星の運動,衛星の姿勢,軌道,装置の変形等の数百万パラメータを同時に解く巨大逆問題となる.成果物は,天文学のほか,人工衛星の恒星センサ等の実利用の他,プラネタリウム,科学館などでも使われる.さまざまな情報技術に支えられたミッションであり,衛星システムの開発者・天文学者・情報科学者の共同作業としても興味深い.搭載系でのデータ取得から地上解析の仕組みまで,小型天文衛星のデータ処理の流れを本稿で解説する.
著者
小田 哲生 塩井 宏亮 谷本 啓 武石 直也 桑原 絢一 矢入 健久 酒匂 信匡
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

近年の機械学習の発展を受けて、人工衛星の異常検知の分野でも様々な手法が提案されてきた。我々はこれらの手法を統合した小型衛星向けの状態監視・異常診断システムを開発中である。本論文では開発への取り組みと、機械学習を応用した異常診断システム実用化することで、人工衛星の分野で異常診断の方法がどのように変化していくかについて述べる。