- 著者
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岡本 謙一
重 尚一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
- 巻号頁・発行日
- vol.91, no.7, pp.723-733, 2008-07-01
- 被引用文献数
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熱帯降雨観測衛星(TRMM:Tropical Rainfall Measuring Mission)は,1997年11月28日に打ち上げられて以来,現在に至るまで,約10年以上も順調に,熱帯.亜熱帯降雨の観測を継続している.TRMMは,世界で初めてのアクティブフェイズドアレー方式の降雨レーダ(PR)を搭載しており,台風などをはじめとする様々な降雨システムの三次元構造の観測にその威力を発揮してきた.論文では,TRMM衛星のミッションの目的,搭載センサの概要,TRMM降雨レーダシステムの概念設計時の諸検討,TRMM降雨レーダシステムの概要,TRMM降雨レーダデータ解析処理アルゴリズムシステム,様々な観測成果(台風,潜熱加熱など),TRMMを継承する全球降水観測計画(GPM:Global Precipitation Measurement)主衛星搭載2周波降水レーダ(DPR)並びに更に次世代の衛星搭載の降雨レーダ技術についての展望などについて解説する.