著者
野上 俊一 生田 淳一 丸野 俊一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.173-176, 2005
参考文献数
3
被引用文献数
1

学生が定期試験のためにどのような学習計画を立てるのか, その学習計画が失敗する要因をどのように認識しているのかを質問紙を用いて検討した(n=254).その結果, 学習計画の立案率は約70%であった.そして, 立案した被験者の約70%が実際のテスト勉強では計画通りに進まないと認識していた.計画通りに進まない原因として「無理な学習計画の立案」「誘惑や欲求に負ける」などが被験者によって挙げられた.また, 学習過程に対するメタ認知的制御で学習計画の内容を比較すると, メタ認知的制御の高い被験者は目標設定が具体的であるために無理のない学習計画を立てており, 計画通りにテスト勉強を行えることが示唆された.
著者
野上 俊一 生田 淳一 丸野 俊一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.28, no.suppl, pp.173-176, 2005-03-20 (Released:2016-08-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

学生が定期試験のためにどのような学習計画を立てるのか, その学習計画が失敗する要因をどのように認識しているのかを質問紙を用いて検討した(n=254).その結果, 学習計画の立案率は約70%であった.そして, 立案した被験者の約70%が実際のテスト勉強では計画通りに進まないと認識していた.計画通りに進まない原因として「無理な学習計画の立案」「誘惑や欲求に負ける」などが被験者によって挙げられた.また, 学習過程に対するメタ認知的制御で学習計画の内容を比較すると, メタ認知的制御の高い被験者は目標設定が具体的であるために無理のない学習計画を立てており, 計画通りにテスト勉強を行えることが示唆された.
著者
野上 俊一 丸野 俊一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-11, 2008
参考文献数
14

本研究は大学生が自己の学習状態と達成すべき学習目標の達成困難度を考慮に入れて,限定された学習時間の範囲内で,学習活動をどのように調整するかを検討した.実験の結果,学習目標の違いに関わらず,学習状態の悪い項目群より良い項目群を多く学習することが明らかになった.この結果は階層的システムモデル(学習目標が難しい場合は学習状態の悪い項目群を,容易な場合は学習状態の良い項目群を多く学習する)からの予測とは一致しなかった.しかし,達成困難度の高い条件での学習行動は最近接学習領域モデル(学習目標の達成困難度に関係なく,学習状態が中程度の項目群を多く学習する)からの予測と一致した.また,時間経過に伴った学習活動の変化と被験者の内省報告の分析から,どの学習目標条件においても,学習の初期段階では学習状態の良い項目群の学習を優先し,その後,残りの学習状態の悪い項目群の学習に移行する2段階の学習調整が示された.
著者
山本 朋弘 野上 俊一 石田 靖弘 小柳 和喜雄 廣瀬 真琴
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.2, pp.120-127, 2021-07-03 (Released:2021-07-05)

本研究では,児童生徒一人1台の情報端末が整備された教室環境を想定した,教員養成課程の大学生に今後必要となるICT活用指導力に関する指標について検討した.海外のICTコンピテンシーを参考に検討した結果,教師の学びや新たな技術や方法への対応,授業のデザイン等,指標を定期的に更新する視点について整理した.また,授業でのICT活用や校務の情報化について,ICT活用指導力に関する具体的な場面と具体例を示す必要があるとともに,SNSやAI,VR・AR等の新たなテクノロジーや新たな方法への理解を加えることが必要であることを提案した.
著者
生田 淳一 野上 俊一 丸野 俊一
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.117-120, 2006
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,公立中学校の1年生から3年生の生徒(517名)を対象に,学校既有の資料(アンケート,学力テスト)をもとに,学習場面での質問行動(わからないことがあったら質問する)についての実態と,動機づけ及び学業成績との関連を検討した.その結果,実態として,全体の52.6%が質問行動を利用しており,中学生にとって比較的利用可能性の高い学習ストラテジーであることがわかった.そして,質問する生徒の方が質問しない生徒よりも,学習する理由として内発的動機づけに関する項目があてはまると認識しているものが多く,学業成績が高いという結果から,質問行動と内発的動機づけ及び学業成績との関連性が示唆された.