- 著者
-
小柳 和喜雄
- 出版者
- 日本教育メディア学会
- 雑誌
- 教育メディア研究 (ISSN:13409352)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.1, pp.15-31, 2016 (Released:2017-09-14)
- 参考文献数
- 36
教員はICTを駆使して学びの質や深まりを意識した学習等にも対応していくことが求められてきている。そこで,本研究では,その学習活動のデザインと密接にかかわる教員の専門知識を磨く取り組みとして,Technological Pedagogical Content Knowledge(TPACK)の考え方に目を向けた。そして,その研究成果や具体的な取り組み事例の整理を行い,養成プログラムや研修プログラムの要素,プログラムの構成,質保証とつながるプログラム評価の方法に関して検討を行った。結果として,養成プログラムと研修プログラムにおいて,現在日本の取り組みでは,1)養成プログラムで技術に関する知識を教師の専門知識として位置づけるフレームワークが明確でなかったこと,2)ICTの活用を段階的にとらえていく見通しが明確になっていないこと,3)取り組みの評価や成果の評価をする方法などが明確になっていないこと,が手薄な部分であることが明らかになった。