- 著者
-
野口 淳
- 出版者
- 一般社団法人 日本画像学会
- 雑誌
- 日本画像学会誌 (ISSN:13444425)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.1, pp.68-72, 2023-02-10 (Released:2023-02-10)
- 参考文献数
- 25
立体物としての文化財のアーカイブスには3D計測が有効である.実在するモノ,建造物,空間などをLiDAR (light detection and ranging) スキャナや3D写真計測により対象表面を高密度な点群として,かたち,色・テクスチャを詳密に記録することで,光学的な「見た目」だけでなく,かたちとして残される製作技法や使用の痕跡も検討可能なアーカイブデータを作成することができる.微細なものから巨大なものまで,規模や複雑さに関わらずデジタルデータとすることで物理空間の制約を超えた保管と利活用が可能になり,また個別資料のデータを,より大きな組み合わせ,配置,構造の要素としてデータベース化することもできる.文化財3D計測の概念・手法・利活用と展望について概観する.