著者
野崎 義行
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.302-308, 1997 (Released:2013-02-19)
参考文献数
74
被引用文献数
3
著者
竹松 正樹 下 相慶 VOLKOV Y.N. 崔 ぴょん昊 羅 貞烈 金 くー 金 慶烈 蒲生 俊敬 磯田 豊 DANCHENKOV M GONCHAREKO I CREPON M. LI RongーFeng JI ZhougーZhe ZATSEPIN A.G MILLOT C. SU JiーLan 尹 宗煥 OSTROVSKII A 松野 健 柳 哲雄 山形 俊男 野崎 義行 大谷 清隆 小寺山 亘 今脇 資郎 増田 章 YUNG John-fung BYOG S-k. NA J.-y. KIM K.r. CHOI Byong-ho CREPON Michel 崔 秉昊 金 丘 オストロフスキー A.G YURASOV G.I. 金子 新 竹内 謙介 川建 和雄 JIーLAN Su FENG Li Rong FEI Ye Long YARICHIN V.G PONOMAREV V. RYABOV O.A.
出版者
九州大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

1.本研究の特色は、研究分担者間の研究連絡・交流を促進し、研究成果の統合を図るに止まらず、研究課題に対する理解を格段に深めるのに必要な新しいデータセットの取得を提案し、実行することにある。実際、前年度の本研究主催の国際研究集会(福岡市)に於いて策定された計画に従い、平成6年7月に、日・韓・露の3国の参加を得て、日本海全域に亘る国際共同観測を実施した。この夏季観測では、海底までの精密CTD、化学計測、ドリフタ-の放流、測流用係留系(3本)の設置・回収と並んで、分担者の開発した特殊な曳航体を用いてクロロフィル、O_2、CO_2及び表層流速の測定が試みられた。特筆すべきは、日本海北部のロシア経済水域内の3点において、11ヶ月に及び長期測流データを取得したことである。これは、日本海誕生以来、初めて、日本海盆の中・深層の流動特性を明らかにしたもので貴重である。なお、現在、3本の係留計(うち1本にはセディメントトラップ付)が海中にあって測流中である。更に、冬期の過冷却による深層水の生成過程を調べる目的で、平成7年3月1日から、ウラジオストック沖において、3国共同観測が実施された。これは、次年度以降に予定されている本格的な冬季観測の準備観測として位置づけられている。2.現地観測による新しいデータセット取得の努力と並んで、室内実験に関する共同研究も活発に実施された。即ち、昨年度の研究集会での打ち合わせに従って、日・韓・露でそれぞれ冷却沈降過程に関する実験を進めるとともに、平成6年10月にはロシア・シルショフ研究所からディカレフ氏(研究協力者)を日本に招き、また、研究代表者が韓国漢陽大学を訪問し研究途中成果の比較検討を行った。この共同研究においては、特に、自由表面を確保する冷却(駆動)方法が試みられ、従来の固体表面を持つ実験と著しい差異があることを見出した。しかし、こうした実験結果を現実の沈降現象と結びつけるには、冬季における集中的現地観測の成果を持たねばならない。3.昨年1月の研究集会での検討・打合わせに従って、日・韓・仏・中・(米)の研究者により、日本海及び東シナ海域に関する数値モデル研究が共同で進められた。その成果として、東韓暖流の挙動(特に離岸現象)を忠実に再現できる新しい日本海数値モデルを開発するとともに、黒潮を含む東シナ海域の季節変動のメカニズムを解明するための数値モデル研究がなされた。4.夏季観測の際に放流したドリフタ-(アルゴスブイ)の挙動は韓国・成均館大学及び海洋研究所で受信され、衛星の熱赤外画像と高度計データは九州大学で連続的に収集された。こうした表層に関する情報を有機的に結合し、検討するため、平成7年1月に成均館大学の崔教授が九州大学を訪問した。5.以上の共同研究活動の全成果を多面的に検討し統合するために、平成6年11月7〜8日の2日間に亘り、韓国ソウル大学に於いて開催された国際研究集会に参加した。この集会には、日本・韓国・ロシアから、一般参加も含めて、約70名の参加者があった。参加者の専門分野が、海洋物理、化学、海洋工学及び生態学と多岐にわたっていることは学際性を標ぼうする本研究の特色を象徴するものである。アメリカからも2名の特別参加があり、本研究が口火を切った日本海及び東シナ海に関する学際的・国際的研究に対するアメリカの並々ならぬ関心が表明された。なお、ここで公表・検討された成果は、逐次、学術誌において印刷公表される予定である。過去2年に亘る本研究成果の総括もなされたが、そこでは、本研究が取得した新しいデータセットは、問題に解答を与えるというよりも、むしろ、新たな問題を提起する性質のものであることが認識された。そのため、最終セッションでは、提起された問題を解明して行くための今後の方策(主に現地観測)が詳細に検討された。
著者
野崎 義行
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.25-39, 1992-09-24 (Released:2016-12-09)
被引用文献数
7

The purpose of this report is to compile the most recent data of trace element concentrations and distributions in seawater as of 1991. The geochemical and oceanographical factors controlling their oceanic distributions are not described in detail here, so that the readers, if necessary, should refer to the original references. Since the excellent articles of Bruland (1983), Broecker and Peng (1982) and Quinby-Hunt and Turekian (1983) have appeared in the early 1980's, there has been a continued quantum leap in our knowledge of trace element concentrations in the ocean, and we are now approaching to the final stage in the game of filling up the periodic table of oceanic distribution. Summarizing the results, (1) there is no data for Rh and Os, and the only upper limits can be placed for Ta, Rh and In, (2) data for Y, Zr, Hf, Nb, Re, In, and Sn are so few that further confirmation is needed for their oceanographic consistency, (3) the distributions of Al, Pb, Bi, Te, Mn, Co, Ti, Cu, and Ga are strongly influenced by scavenging, and some evidences are available for bottom regeneration of trace metals like Al, Cu, Ti, Ga etc., and (4) more than 30 elements are correlated with nutrients such as reactive phosphate, nitrate and silicate. It is hoped that within the 20th century, all the elements in the periodic table may be accurately determined by improved techiques, and thereby the new field of chemical tracer oceanography will be opened up for the next century.