著者
金子 紀子
出版者
東京女子大学
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.1-29, 2015-03

和泉式部は千五百首余りの歌を詠んでいるが、まだ研究の対象となっていない歌も多く存在する。和泉式部の歌の本質を知るためにはこれらの歌についても解明する必要がある。本稿では和泉式部の「あやめ草」(菖蒲)を詠込んでいる歌を取り上げ、分析を試みた。そして五月五日の節供の「あやめ草」というありふれた歌材を用いても、和泉式部が独特の感性と言語感覚でその折をとらえ、心情を表現をしていることを明らかにする。
著者
金子 紀子 石垣 和子 阿川 啓子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa journal of nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.85-94, 2016

本研究の目的は,農村地域で子育て中の母親が感じる母親自身の幼少期と現在における地域のつながりを明らかにすることである.農村地域で乳幼児を子育て中の母親8 名に実施したグループインタビューの内容を質的に分析した.母親自身の幼少期における地域のつながりは,【祖母や母に連れられ大人に混じった】,【子どもだけで自由に遊びまわる世界があった】,【大人は子どもを温かく見守っていた】,【顔見知りの関係で安心感があった】であった.現在の地域のつながりは,【近所付き合いの程度には差がある】,【小学校区内での人付き合いは分からない】,【近所にはない子ども同士のふれあい方がある】,【地縁組織の一員になる】,【不審者等犯罪から子どもを守る】であった.幼少期は総体として肯定的に捉えられ,現在においては希薄化している現状と,農村地域におけるソーシャルキャピタルの正と負の両面を捉えていたと示唆された.