著者
松井 利博 白水 智子 坂口 貴臣 金谷 太作 寺澤 和広 川﨑 健司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.118-123, 2018-03-15 (Released:2018-03-20)
参考文献数
18

本研究で筆者らは,硬さの違うガムを噛んだ際の咀嚼効果の検討を行った.「硬ガム」を噛むと刺激時唾液量が「軟ガム」に比べて有意に多いことが確認された.「硬ガム」の咀嚼前後で有意に唾液中の菌数が減少していることが確認された.更に「軟ガム」と「硬ガム」を比較すると,唾液中菌数の減少率に有意な差が認められた.「硬ガム」を噛んだ後の方が噛む前に比べて,認知課題中の脳活動が有意に高くなることが確認された.これらのことから,硬さの異なるガムを噛んだ際の咀嚼効果に対する新たな知見が得られた.食品としてのガムは,硬いガムの方が軟らかいガムより,刺激時の唾液分泌量を増加させ,唾液中の菌数を減少させることが示唆され,口腔衛生への寄与が期待された.硬いガムは日常生活においてQOLを維持向上させる簡便なツールとして活用される可能性が期待された.
著者
森棟 公夫 金谷 太郎 末石 直也
出版者
椙山女学園大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ボラティリティとは収益率の分散(あるいま標準偏差)の事を言うが,金融データの時系列分析では収益率の系列を調べても,通常,何ら特性が見つからない事が一般に知られている.特に,効率的な市場だと,収益率はランダム・ウォークに従うとされる.この研究では金融時系列におけるボラティリティの分析法の研究を行う.特にティック・データが利用できる状況において,効率的かつ実際的なボラティリティの推宿法を求めてきた.ティック・データを用いたボラティリティ分析でよノイズの処理が理論的には大きな関心を持たれているが,時系列処理で,ノイズをフィルターする手法を考案してきた.ボラティリティは自在に変化し,ノイズは独立同一分布を持つという通常の仮定の下ではボラティリティは観測個数にのみ依存する値となる.この1生質を使って,間引き標本などの手法を用いてノイズを除去しようとする試みは行われてきたが,本研究では二次モーメントを基礎とするノイズ除去法を追求した.理論的な研究を進めてきたが,数系列を用いたシミュレーションも行った.しかし,このようなシミュレーションは常に理論的な結果をサポートする事になるので,実際の金融データを使った実証的な検証も行った.この手順は非常に重要で,理論的な分析がもたらすある種のモデル・スペシフィケーション・バイアスを除去することができた幅の広い誤差分布においても従来の分析法が維持できるか否かを検討したが,明確な結果は得ることができなかった.代表的な系列に限定してもデータ購入の費用が高額であった.データについてはこれからも利用していく.
著者
佐々木 一正 小中 隆義 石村 一也 金谷 太 高橋 博和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.704, pp.43-46, 2002-03-01
被引用文献数
10

光ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)は歪センサとして優れた特性を持っていることから,著者等はこれを用いて,トンネルや橋梁等の防災に役立てるために構造物の変形監視システムの開発を行なっている.今回,FBGを実際の海底トンネル(青函海底トンネル)に設置し,2001年12月3日より1年間のフィールド実験を開始したので,その経緯,および,システムの概要,FBGの設置方法などについて中間報告を行う.