著者
妹尾 武治 小川 将樹 徳永 康祐 金谷 英俊
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.411-414, 2016 (Released:2016-10-31)
参考文献数
16

We report a new method of facilitating illusory self-motion perception (vection). Participants held either a full glass of water or a half glass of water while experiencing vection, and were instructed not to spill any of the water. Vection strength was indexed by its latency, duration, and magnitude. Results showed that vection was enhanced in the full glass of water condition. We want to name this method of vection facilitation “full-glass-water method”.
著者
金谷 英俊 永井 聖剛
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.29-38, 2022-02-28 (Released:2022-03-25)
参考文献数
33

他者による課題遂行の観察が,実験参加者の変化検出課題成績と不安状態に及ぼす効果について検討した.交互に呈示される画像間で変化している部分を見つける変化検出課題を参加者に課し,検出までにかかった時間を測定した.実験1では参加者は,他者1名が参加者の斜め後ろに立ち,その課題遂行を観察する(他者観察あり条件),もしくは参加者のみ(他者観察なし条件)のいずれかの状態で課題を遂行した.その結果,他者に観察されていると観察なしの場合よりも,変化検出時間が有意に長くなった.続いて実験2で,人間の他者の代わりにビデオカメラを通して課題遂行の様子を観察した場合にも,カメラ観察なしの場合と比べて変化検出時間が長くなり,STAI状態不安尺度の得点が高くなった.以上の結果は,他者による観察によって参加者の不安が増大することにより,課題遂行時に視覚的注意が機能しにくくなる可能性を示唆するものである.
著者
永井 聖剛 山田 陽平 金谷 英俊 川上 直秋 西崎 友規子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2016 (Released:2016-10-17)

刺激の大小や速遅などの物理的性質と運動反応の強弱との間にみられる刺激—反応適合性は,オブジェクトに関する概念的性質に対しても生じる。したがって,刺激や運動反応についての性質は抽象化された単純情報次元(例えば,大—小)で共有されるものと考えられる。本研究では,刺激が示唆するパワーと発揮される握力という刺激-運動反応間での適合性について検討した。実験では乳幼児画像,レスラー画像,またはブランク画面が提示され,実験参加者には人物が提示されたき,事前に練習した最大筋力の50 %の出力で握力計を握るように求めた。結果から,非利き手に限り,レスラー画像に対して乳幼児画像よりも大きな握力が発揮されることを明らかにした。利き手では筋力のコントロールが非利き手に比べ正確にできるために,非利き手で大きな効果が出現したものと考察された。