著者
永井 聖剛 山田 陽平 仲嶺 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.90.17342, (Released:2019-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

Previous studies have shown that the physical movements of participants influence creativity thinking. We examined whether another type of movements (bigger or smaller arm movements) modulates creative idea productions. In Experiment 1 participants were required to generate new names for rice after performing bigger or smaller arm movements. Bigger arm movements were associated with more divergent idea productions (e.g., non-typical ideas) compared to smaller arm movements. In Experiment 2, another task was used to generate as many ideas as possible for creative gifts the participants might give to an acquaintance, and the results showed the possibility that bigger arm movements led to more flexible idea generation than did smaller one. Taken together, the current study suggested the size of movements modulated creative thinking: bigger ones increased divergent creative thinking, possibly because bigger physical movements facilitate the divergent cognitive processing mode.
著者
永井 聖剛 山田 陽平 仲嶺 真
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.294-300, 2019 (Released:2019-08-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

Previous studies have shown that the physical movements of participants influence creativity thinking. We examined whether another type of movements (bigger or smaller arm movements) modulates creative idea productions. In Experiment 1 participants were required to generate new names for rice after performing bigger or smaller arm movements. Bigger arm movements were associated with more divergent idea productions (e.g., non-typical ideas) compared to smaller arm movements. In Experiment 2, another task was used to generate as many ideas as possible for creative gifts the participants might give to an acquaintance, and the results showed the possibility that bigger arm movements led to more flexible idea generation than did smaller one. Taken together, the current study suggested the size of movements modulated creative thinking: bigger ones increased divergent creative thinking, possibly because bigger physical movements facilitate the divergent cognitive processing mode.
著者
平田 佐智子 山田 陽平 中川 岳 永井 聖剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.283, pp.65-68, 2013-11-02

本研究では、従来概念との対応が主に検討されてきた音象徴に対し、動作の強度や速さといった反応出力との対応を検証した。音声または文字を刺激、動作の強度や大きさを反応とした刺激反応適合性課題を行った結果、有声子音と強い/大きい動作、無声子音と弱い/小さい動作の間に適合性が見られた。これらの結果は音象徴と身体動作の接点を示唆する新しい知見といえる。
著者
豊田 弘司 山田 陽平
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 = Bulletin of Nara University of Education. 奈良教育大学 編 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.51-55, 2019-11

偶発記憶に及ぼす欲求階層構造に基づく符号化の効果 【日本語要旨】本研究は, Maslow(1962)による欲求階層構造に対応して偶発記憶成績が規定されるか否かを検討した。30名の参加者は,小冊子によって記銘リストが提示され,各ページに印刷された語(漢字1字)が示す対象に対して,生存欲求処理条件では「生きるために必要ですか?」,親和欲求処理条件では「人と親しくなるために必要ですか?」,快-不快処理条件では「どんな印象ですか?」に対して6段階評定(生存及び親和条件では,とても必要~全く必要でない;快-不快条件では良い感じ~嫌な感じ)で該当する数字を選択していった。このような方向づけ課題を行った後,挿入課題を行い,その後に偶発自由再生テストを実施した。その結果,全体の再生率においては生存欲求処理条件と親和欲求処理条件が快-不快処理条件よりも再生率が高かったが,生存欲求処理と親和欲求処理条件間に差はなかった。また,評定値が5及び6であった語(有効な精緻化がなされた語)の再生率においては,生存欲求処理条件が親和欲求処理条件よりも再生率が高かったが,他の条件間に差はなかった。これらの結果は,Nairneら(2007)が提唱するサバイバル処理(本研究における生存欲求処理)による符号化の有効性を示唆するとともに,Maslow(1962)の欲求階層構造に対応して記憶成績が規定される可能性を示唆した。
著者
永井 聖剛 山田 陽平
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心大会論文
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.27, 2013

創造性には,広範かつ新しい枠組みから物事を捉え新規かつ独創的なアイデアを産み出す「拡散的思考」,制約や状況に基づきアイデアを産出する「収束的思考」の2成分が存在する。創造性を促進する要因として“気分状態”は主要な研究対象であるが,本研究では,認知情報処理は身体の状態や動作に影響を受けるとする“身体性認知(Embodied Cognition)”の枠組みに基づき,「腕を大きく回す動きが(小さく回す動きよりも)広範で拡散的な思考を導き,拡散的思考が促進されるか否か」を検討した。「実在しないコメの名前」を考えるという創造性課題を課し,事前に「○○ヒカリ」という典型的回答を5例提示した。実験の結果,腕回し動作の大小は回答総数には影響を与えなかったが,大きく回す群では小さな群よりも典型例に縛られない非典型的なアイデアの回答比率が高く,拡散的思考が促進されることが明らかとなった。
著者
山田 陽平
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.49-55, 2009-08-31 (Released:2010-11-10)
参考文献数
25
被引用文献数
1

記憶内の情報の一部を検索手がかりとして与えられると,それ以外の情報が思い出しにくくなる.この現象は,リスト内手がかり効果と呼ばれている.本研究では,リスト内手がかり効果が検索抑制によって生じているのかを調べるために,符号化方略を操作した.実験参加者は5カテゴリ,6項目ずつの計30項目からなる学習リストを記銘し,連続して呈示される二つの項目の相違点か類似点のいずれかを判断した.その後,手がかり群は連続呈示された2項目のうちの一方を残りの項目(非手がかり項目)を再生するための手がかりとして与えられ,それらを読み上げた.統制群は4桁の数字を呈示され,それらを読み上げた.その後,手がかり群は非手がかり項目だけを再生し,統制群はすべての項目を再生した.その結果,相違点判断群では,非手がかり項目の再生率は統制群より手がかり群のほうが低く,リスト内手がかり効果が認められた.一方,類似点判断群では,統制群と手がかり群の間に差はなく,リスト内手がかり効果が認められなかった.これらの結果は,リスト内手がかり効果の検索抑制説を支持するものであるといえる.
著者
永井 聖剛 山田 陽平 金谷 英俊 川上 直秋 西崎 友規子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第14回大会
巻号頁・発行日
pp.6, 2016 (Released:2016-10-17)

刺激の大小や速遅などの物理的性質と運動反応の強弱との間にみられる刺激—反応適合性は,オブジェクトに関する概念的性質に対しても生じる。したがって,刺激や運動反応についての性質は抽象化された単純情報次元(例えば,大—小)で共有されるものと考えられる。本研究では,刺激が示唆するパワーと発揮される握力という刺激-運動反応間での適合性について検討した。実験では乳幼児画像,レスラー画像,またはブランク画面が提示され,実験参加者には人物が提示されたき,事前に練習した最大筋力の50 %の出力で握力計を握るように求めた。結果から,非利き手に限り,レスラー画像に対して乳幼児画像よりも大きな握力が発揮されることを明らかにした。利き手では筋力のコントロールが非利き手に比べ正確にできるために,非利き手で大きな効果が出現したものと考察された。
著者
永井 聖剛 山田 陽平
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第11回大会
巻号頁・発行日
pp.27, 2013 (Released:2013-11-05)

創造性には,広範かつ新しい枠組みから物事を捉え新規かつ独創的なアイデアを産み出す「拡散的思考」,制約や状況に基づきアイデアを産出する「収束的思考」の2成分が存在する。創造性を促進する要因として“気分状態”は主要な研究対象であるが,本研究では,認知情報処理は身体の状態や動作に影響を受けるとする“身体性認知(Embodied Cognition)”の枠組みに基づき,「腕を大きく回す動きが(小さく回す動きよりも)広範で拡散的な思考を導き,拡散的思考が促進されるか否か」を検討した。「実在しないコメの名前」を考えるという創造性課題を課し,事前に「○○ヒカリ」という典型的回答を5例提示した。実験の結果,腕回し動作の大小は回答総数には影響を与えなかったが,大きく回す群では小さな群よりも典型例に縛られない非典型的なアイデアの回答比率が高く,拡散的思考が促進されることが明らかとなった。