著者
鈴木 智気 金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.364-377, 2021-12-31 (Released:2022-03-15)
参考文献数
74

Despite the close relationship between the innovation research and the diversity research in innovation activities with diverse members, there seems to be no comprehensive examination of the two research fields. The purpose of this paper is to attempt a multifaceted review of the innovation and diversity researches, and to suggest future directions for advancing researches on diversity managements in innovation activities. Specifically, we clarify that the innovation and diversity researches are complementary to each other in understanding diversity managements in innovation activities. In addition, we propose the design of incentives oriented toward stimulating "diverse contributions by diverse individuals" as a research agenda for the study of effective diversity management in innovation activities.
著者
金間 大介
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.33-43, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
42
被引用文献数
1

The Japanese food manufacturing industry has been expected to strengthen the country's industrial competitiveness and local economy revitalization. This article examines the technological capability and profitability of food manufacturing companies in Hokkaido, which is considered one of the most active food production areas in Japan. Financial information and one output from innovation activities, specifically patent information, have been utilized and analyzed. The analysis revealed four findings. First, very few strong relationships were seen between the sales amount and net profit to sales of Hokkaido food manufacturing companies. Many small and medium companies with high profitability were prevalent. Moreover, although food companies in the Tokachi district were smaller in size, they achieved higher profitability compared to food companies in Sapporo City. Second, food companies who possess patents showed higher profitability than those who do not possess patents. Third, food companies with high technological indicators such as the number of patent examinations and cited patents seemed to be capable of further increasing their business performances. Fourth, the technological capability of the whole region including Sapporo City and the Tokachi district showed an increasing trend in general. Although the Tokachi district still had a small number of patent applications, this area exhibited rapid improvement in its technological capability.
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.285-295, 2010-05-14

技術予測は,科学技術政策や戦略の検討プロセスとして,1990年代以降に多くのOECD加盟国で実施され,その後アジアや南アメリカなどでも注目されるようになった。結果として,これら各国の異なる社会的・政策的ニーズを満たすべく,技術予測を実施する各機関は従来の手法を独自に発展させてきた。そのため,技術予測全体に関する知識体系は複雑化している。本稿では,技術予測を,目的,手法,対象とする自然科学系の研究分野(各技術予測手法の適用分野)の3つの観点から検討を試みた。技術予測は,科学技術政策の立案に資するデータの提供および検討を行うことを前提としながらも,科学技術・イノベーション政策に関する知識基盤の構築といった,いわゆるラーニングツールとして活用している例も多いことがわかった。また,各々の技術予測手法には各特性に応じた長所と短所があり,EUや北米,アジアといった各地域によって,使われてきた手法も大きく異なることがわかった。さらに,デルファイ法,シナリオ・プランニング,技術ロードマップに注目し,その3手法に関する自然科学分野における論文を分析したところ,その対象分野としては,デルファイ法は健康・医療分野,シナリオ・プランニングは環境・エネルギー分野,技術ロードマップは電気,半導体分野といったように,手法ごとに大きく異なっていることが明らかになった。
著者
金間 大介 西川 浩平
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.74-89, 2017-12-20 (Released:2018-03-30)
参考文献数
68

本稿は,どのような環境にある企業が自社以外の組織に技術を提供しているかを,第2回全国イノベーション調査の結果を用いて計量的に検証した.その結果,イノベーションの収益化のための専有可能性として法的保護の有効性が高い企業ほど,また自社の補完的資産を把握している企業ほど,多様な外部組織へ技術提供していることがわかった.さらに,市場環境の変化が企業の技術提供に影響を及ぼしていることも明らかとなった.
著者
金間 大介 高野 里紗
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.339-352, 2020-12-16 (Released:2020-12-26)
参考文献数
50
被引用文献数
1

Ever since the enactment of the Science and Technology Basic Plan in 1996, university-industry (U-I) collaboration in Japan has shown the stable expansion although Japanese economy has experienced a few depressions. In this research, aiming to grasp the details of U-I collaboration in Japan and provide new evidences and knowledge to the discussion on policy making, a large dataset of U-I collaboration contract from a large research university is deeply analyzed. A total number of 4,412 research contracts for 10 years from 2005 to 2014 is investigated, and categorized into four types based on collaborative behaviors of university researchers and firms. As a result, various patterns on U-I collaboration have been observed, and outputs from such collaborative researches have been also diversified. For the future study, joining with other datasets such as patents and objective of U-I collaboration will be required, and more precise analyses should be conducted.
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1_2, pp.62-72, 2012-09-20 (Released:2017-10-21)
参考文献数
23

若手研究者は国や組織の競争力を高める重要な資源であるため,今後の科学技術政策やイノベーション戦略を立案する上で,彼らの意欲を高めるような方策を検討することには大きな意味がある。そこで本研究では,直接若手研究者に対しインタビューを行い,研究を行う動機や,やる気を低下させる要因,その対処法などについて調査した。その結果,若手研究者には,彼らの持つモチベーション特性の違いから,課題解決型と課題発見型の2つのタイプが存在することが分かった。課題解決型の若手研究者は,自己の能力や技能を用いて課題解決に挑むことに研究の面白さを感じる一方で,対応不可能と思われる課題や暖昧な課題を与えられた時に意欲の低下が見られた。このような時彼らは,暖昧な作業の中から挑戦すべきテーマを見つけ出すなどして自らのモチベーションを保つよう対処していた。課題発見型の若手研究者は,自身が関与する研究分野を既知の領域と未知の領域に別けて考え,自らが先頭に立って未知の領域を開拓することを研究意欲の源泉としていた。また彼らは,外部からの強いコントロールを感じた時に意欲の低下を示した。このような時彼らは,何らかの外的な報酬に行動の原因を帰属させることでモチベーションを取り戻そうとしていた。
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.62-72, 2012
参考文献数
23

若手研究者は国や組織の競争力を高める重要な資源であるため,今後の科学技術政策やイノベーション戦略を立案する上で,彼らの意欲を高めるような方策を検討することには大きな意味がある。そこで本研究では,直接若手研究者に対しインタビューを行い,研究を行う動機や,やる気を低下させる要因,その対処法などについて調査した。その結果,若手研究者には,彼らの持つモチベーション特性の違いから,課題解決型と課題発見型の2つのタイプが存在することが分かった。課題解決型の若手研究者は,自己の能力や技能を用いて課題解決に挑むことに研究の面白さを感じる一方で,対応不可能と思われる課題や暖昧な課題を与えられた時に意欲の低下が見られた。このような時彼らは,暖昧な作業の中から挑戦すべきテーマを見つけ出すなどして自らのモチベーションを保つよう対処していた。課題発見型の若手研究者は,自身が関与する研究分野を既知の領域と未知の領域に別けて考え,自らが先頭に立って未知の領域を開拓することを研究意欲の源泉としていた。また彼らは,外部からの強いコントロールを感じた時に意欲の低下を示した。このような時彼らは,何らかの外的な報酬に行動の原因を帰属させることでモチベーションを取り戻そうとしていた。
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
年次学術大会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.32, pp.854-857, 2017-10-28

一般講演要旨
著者
金間 大介 野村 稔
出版者
科学技術・学術政策研究所 科学技術動向研究センター
雑誌
科学技術動向 (ISSN:13493663)
巻号頁・発行日
no.142, pp.13-18, 2014-01 (Released:2014-02-13)

農林水産省の調査によると、約50%の営農者がこれまでの農業経営において情報通信技術(IT)を利用しており、かつ今後も利用したいと答えている。ただし、その多くが比較的簡易な利用に留まっており、農業生産の飛躍的な向上が期待されるようなIT の利用はわずかとなっている。 農産物の生産量や品質は気温、日射量、土壌水分、施肥量などの影響を大きく受ける。適切な生産管理により収益を向上させるためには、これら環境データと実際に収穫した収量データをつき合わせ、最適な施肥量や作業時期を決める必要がある。そこで環境データをセンシングできるデバイスやカメラ等の観測機器を設置し、各地点の環境データや生育状況がリアルタイムで入手できるシステムの開発・導入が進められている。また、収集されたデータの蓄積・分析・活用の面でも、クラウドサービスを中心とした取り組みの進展がみられている。 こうした農業へのIT 導入の動きを活かし、大きな成果に結びつけていくためには、地域の大学・自治体と関係政府機関が協力して、IT の導入をサポートできる人材の確保・充実、現場におけるIT 利用の実証、知識や成果の共有促進などの施策により、営農者のIT リテラシーの向上を図っていくことが望まれる。