著者
鈴木 修斗 加藤 弘通
出版者
北海道大学大学院教育学研究院附属子ども発達臨床研究センター
雑誌
子ども発達臨床研究 (ISSN:18821707)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.33-40, 2023-03-24

本論文では、従来の集団外成員の排除に焦点化した仲間集団の排他性について、その概念を見直し、排他的なグループにおけるグループ外の者との関係を阻害する2 つの要因について検討する。一つ目は、グループ外の者がグループ内に入ることを阻害する要因「内関係阻害」、二つ目はグループ内の仲間がグループ外の者と関係をもつことを阻害する要因「外関係阻害」である。排他的な友達グループには内関係阻害と外関係阻害の2 つの阻害要因が関係していると考えられるが、外関係阻害については十分な検討がされていない。そこで本研究では、仲間集団の外関係阻害に関する暫定尺度を開発し、友達グループの外関係阻害の実態を示すことを目的とする。そのために、①項目を作成し、因子構造の検討を行い、②自由記述調査をふまえ、さらにその項目内容について検討した。
著者
鈴木 修斗 黄 璐 張 紅 佐藤 大輔 山下 亜紀郎 呉羽 正昭 堤 純
出版者
地理空間学会
雑誌
地理空間 (ISSN:18829872)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.113-128, 2020 (Released:2021-02-28)
参考文献数
6

本稿は,コロナ禍の中において実施された筑波大学大学院におけるフィールドワーク実習(上田巡検)の事例報告である。新型コロナウイルス(COVID-19)の流行下においては,聞き取り調査などの対面接触を伴う実習形式の講義(巡検)の遂行が困難である。そこで筆者らは,感染対策を伴う新たな巡検スタイルの構築を模索・実践した。コロナ禍の中で巡検を実施するにあたり,事前ミーティングや事務連絡はオンライン上で完結させることが可能である。調査時には徹底した感染対策を行うとともに,食事の分散化やゼミのオンライン化によって宿泊場所での感染拡大を防ぐことができる。また,現地調査を円滑に進めるためには,今まで以上に綿密な事前準備が重要である。以上のような対応をとることで,コロナ禍の中においても高い教育効果をもった巡検を遂行することが可能であった。こうした実践の成果は,ウィズコロナの時代におけるフィールドワーク実習の実施に際して,有益な示唆を与える。