著者
鈴木 知子
出版者
日本印度学仏教学会
雑誌
印度學佛教學研究 (ISSN:00194344)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.1092-1089, 2020

<p>The <i>Rājataraṅgiṇī</i>, a Kashmiri royal chronicle written by Kalhaṇa in the 12<sup>th</sup> century, consists of eight <i>taraṅgas</i> ("waves," i.e. chapters). In the 19<sup>th</sup> century, there was a debate about the authenticity of the last two <i>taraṅgas</i>. The debate seems to have been closed by G. Bühler and A. Stein, who asserted that one and the same Kalhaṇa wrote all eight <i>taraṅgas</i>. Shortly after this discussion was over, it was revealed by an incomplete manuscript that the eighth <i>taraṅga</i> had been revised for political reasons, and the text on which Bühler and Stein had based their assertion was a revised recension. By examination of this newly found manuscript, a question arose about the authenticity of the eighth <i>taraṅga</i>, which was full of rhetorical defects. Apart from textual credibility, it should be noted that the <i>Rājataraṅgiṇī</i> is a <i>kāvya </i>governed by the <i>śānta-rasa</i> (sentiment of equanimity), as declared in the first<i> taraṅga</i>. It is the seventh <i>taraṅga</i> which ends with the tragic death of King Harṣa, that is more suitable for the concluding chapter of a <i>kāvya</i> bearing the <i>śānta-rasa</i>, rather than the eighth <i>taraṅga</i> which ends with a eulogy dedicated to the king of the time. In the 19<sup>th</sup> century, scholars' discussions concerning the <i>Rājataraṅgiṇī</i> were focused on the authenticity of its seventh and eighth <i>taraṅgas</i>. Now, however, the issue should be revisited as a question about the authenticity of the eighth <i>taraṅga</i>.</p>
著者
小川 聡子 名田部 明子 中野 彩 鈴木 知子 倉林 志保 石野 啓子 岡村 紀宏 野口 百香 牧角 寛郎 丸山 泉
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.348-351, 2021-04-01

公益社団法人全日本病院協会(以下,全日病)は,2013年に「全日本病院協会プライマリ・ケア宣言2013」を発表した.少子高齢化が進む社会で,病院医療におけるプライマリ・ケアの重要性を認識し,新たな行動目標として「在宅医療,在宅介護対応,認知症対応へ積極的に取り組むこと」を宣言したのである.この宣言の下,プライマリ・ケア委員会を立ち上げ,「病院医療ソーシャルワーカー研修会」(2014年から),「認知症研修会」(2014年から),「総合医育成プログラム研修」(2018年から)を主催している. 「病院医療ソーシャルワーカー研修会」(以下,本研修会)は,日本医療社会福祉協会と協働して年2回開催し,1回目は病院医療ソーシャルワーカー(以下,病院MSW)対象,2回目は同じ施設からMSWと多職種の同時参加を原則としている.全国から医療機関に勤める多職種が一堂に会し,MSWだけではなく,病院経営者,多職種も共に学び,前進してきた7年間であった.
著者
河野 公子 生和 良の 長洲 祐子 近藤 純子 鈴木 知子 浦川 由紀子 當銘 良也 本間 洋州 栁内 秀勝 石川 俊男
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.672-676, 2014 (Released:2014-08-23)
参考文献数
7

本研究の目的は、神経性無食欲症(AN)患者の実測した基礎代謝量(BEE)とHarris-Benedict の式(HBE)により算出したBEE および日本人の食事摂取基準2010(DRI)に示されている基礎代謝基準値により算出したBEE とを比較検討することである。AN患者23人[制限型(ANr)13人、むちゃ食い/排出型(ANbp)10人、性別男性3人、女性20人、年齢18~57歳]を本研究の対象とした。ANr症例では、BEE が300 kcal/day から1,000 kcal/dayと広い範囲であるのに対し、ANbp症例では600 kcal/dayから1,000 kcal/dayの範囲であった。 ANr症例では、チェスタックによる実測BEEと比べて、HBEにより算出したBEEでは、有意に高値を示した(P<0.025)。しかし、DRIから算出したBEEとの間には統計学的に有意な差は見られなかった。ANbp症例では、チェスタックによる実測BEEと比べて、HBEにより算出したBEEは有意に高値(P<0.025)を示したのに対し、DRIから算出したBEEでは統計学的に有意な差は見られなかった。これらの結果から、チェスタックによるBEEの実測が不可能なAN症例のBEEの推定にDRIにより算出したBEE値が利用できると考えられた。
著者
鈴木 知子 宮木 幸一
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

大学学生対象の調査に関しては、本大学における公衆衛生学、精神医学、学生相談室の先生方との研究協力において実施した。そして、約500人の学生に調査参加頂いた。現在、解析実施中である。また、対象学生に調査票の回答をしてもらう以外に調査に協力頂いたことに対する還元、フィードバックとして、メンタル面においてリスクが高いと思われる学生に任意での学生相談室への相談の呼びかけを第1回調査対象の学生に行った。残りの学生に対しても準備中である。発達障害傾向として当初はその内の自閉症特性のみの着目を計画していたが、もうひとつの大人の発達障害傾向として問題となっている注意欠如・多動症(ADHD :attention-deficit hyperactivity disorder)傾向にも着目し、日本国内でも世界的にも使用されている成人ADHDスクリーニング用の自記式調査票ASRS(Adult ADHD Self-Report Scale)も追加して調査を行った。そして、現診断基準DSM-5による改訂版(DSM-5版ASRS)が今年2017年5月に原著者のKessler教授らにより公表された(JAMA Psychiatry. 2017)ため、原著者の許可のもと、日本語訳を作成し調査票に含めた。発達障害者の支援をされている、協会理事長、発達障害支援団体代表理事、クリニック院長、社会福祉法人役員、社会福祉士、産業保健師、精神保健福祉士などの方々のインタビューを行い、支援をする時に心がけていること、もどかしい点など、支援する立場からの意見を伺い、今後の研究への。収集したデータ解析については順次実施中であり、テーマごとに完成次第、学会発表、論文化を進めている。