著者
後藤田 中 松浦 健二 鍋島 豊晶 金西 計英 矢野 米雄
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.269-277, 2010
参考文献数
22
被引用文献数
1

近年の健康志向を反映し,日常的な運動の役割が増している.本研究では,その支援の一端として,ナワトビプロジェクトと称し,ナワトビ学習を対象としたSNS(Social Networking Service)を設計,構築した.具体的には,SNSに映像日記機能を組み込んだ上で,(1)映像から得られる特性に応じた記事推薦エージェントのメッセージ,(2)映像記事間のトラックバックによるスキルの関係グラフの2つの機能を実装した.本研究は,これらのスキル開発支援に対し,個別の映像記事閲覧の機会増加,異なるスキルの関連性を全体像として俯瞰する意識の向上につながることを示す.提案に対して実験を行った結果,アクティブユーザにおける閲覧割合の向上,また異なるスキルの関連性に対する意識に一定の効果が確認された.
著者
後藤田 中 松浦 健二 大塚 真二 鍋島 豊晶 金西 計英 矢野 米雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.1144-1153, 2010-07-01

近年,予防的な健康への取組みが重視され,人の日常的な運動の役割は増している.本研究では,そうした運動の代表といえるジョギングに注目する.個人での日常的な実世界トレーニングに対して,オンラインのコミュニティ空間での集団訓練環境を提案する.本システムは,GPSを用いて個々のトレーニング活動ログを蓄積し,同じコースを非同期に共有するジョガー間での競争的なシミュレーション機能を提供する.具体的には,複数のジョガーをアバタとして表現し,それらのペース変化を地図上の移動アニメーションを用いて視覚化する.また,移動アニメーションを見た際の気づきを地図上にアノテーションとして蓄積できる機能を提供する.これにより,ジョガーのパフォーマンス向上を促進させる目的をもつ.これらの提案機能をもつジョギング支援システムを構築し,実験を行った.実験の結果から,オンラインコミュニティ空間での競争的な訓練環境が,実世界におけるトレーニングにおけるタイム短縮につながった.特にアノテーションの登録箇所を中心に局所的なペース改善の効果も確認された.