著者
丸川 征四郎 金子 洋 畑中 哲生 長瀬 亜岐 坂本 哲也
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-6, 2022-04-01 (Released:2022-01-13)
参考文献数
7

ショックボタンを押すことなく自動的に電気ショックが行われるオートショック AEDが認可された。現時点での心肺蘇生教育は従来型AED、すなわち救助者がショッ クボタンを押すことによって電気ショックが行われるAEDを使用することを前提とし ている。このためオートショックAEDを使用する救助者が、存在しないショックボタ ンを探したり、感電事故を起こすことへの懸念から、オートショックAEDを示す識別 マークの活用や、オートショックAED使用法の訓練などの対策が課せられた。本論で はオートショックAEDの特性、導入経緯と対策などについて解説しつつ、AEDの音声 メッセージ等に従って行動することの重要性を強調した。
著者
金原 佑樹 山田 秀則 北川 喜己 市川 敦子 長瀬 亜岐 筧 裕香子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.675-679, 2014-10-31 (Released:2015-01-24)
参考文献数
9

精神科病床のない救命救急センターである当院において,精神科病院から紹介・救急搬送された身体合併症患者の診療改善点を見つける目的で,当院の現状と傾向を調査・検討した。2007年6月1日〜2012年5月31日の5年間における,近隣10施設の精神科病院から救急搬送され入院となった患者全303症例に対して診療録から後ろ向きに観察し,精神科基礎疾患,診断名,疾患分類,転帰,在院日数について調査・検討した。結果,統合失調症患者の身体合併症には肺炎,骨盤・下肢骨折,イレウス,低Na血症の頻度が高い特徴があり,また精神科疾患を基礎に持ち身体疾患を合併した患者の入院加療は,病棟運用に影響を及ぼすことがわかった。身体合併症の重症化を未然に防ぐ取り組みと,精神科病院との連携によるスムーズな診療,精神疾患に対する正しい知識と的確な看護における負担感の把握が,今後の病棟運用改善の重要課題である。