著者
井上 政則 中塚 誠之 曽我 茂義 吉川 裕紀 長谷 学 鳥飼 秀幸 田村 全 塚田 実郎 屋代 英樹 小柳 喬幸 山岸 敬幸 陣崎 雅弘
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.134-146, 2021 (Released:2021-10-29)
参考文献数
19

リンパ系システムは水分バランスの調整に於いて重要な役割を担っている.従来リンパ系システムの重要性は認識されてきたが,臨床的にリンパ系システムの画像化が困難であり,インターベンションによる治療介入も他の脈管系と比較して遅れをとってきた.しかし近年発達してきた鼠径部リンパ節からのリンパ管造影やMR lymphangiographyは新たな画像診断とインターベンションへのへの門戸を開いた.リンパ系システムの異常はリンパ浮腫とリンパ漏に大別される.この中で,リンパ漏れまれであるが重篤になり得る状態である.術後リンパ漏はリンパ漏の原因では頻度が高く,乳び胸水や腹部リンパ漏に代表される.適切な画像診断を行い,漏れを描出することでインターベンションにて治療可能となる.本稿では,総括的に臨床に重要なリンパ管解剖,リンパ管造影,適切なリンパ管造影の選択や様々なリンパ漏に対するインターベンションによる治療戦略を概説する.
著者
上原 修一 北野 良夫 恒吉 幸一 藤原 直躬 長谷 学 宮里 俊光
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.41, no.11, pp.822-824, 1988

1985年2月から1986年2月にかけて, 鹿児島県串木野市の黒毛和牛一貫経営農場で旋回運動, 猪突猛進などの神経症状を主徴とする子牛の疾病が発生した. 病理組織学的検査により賢尿細管上皮細胞の核内に鉛中毒に特徴的な核内封入体が認められ, 生化学検査では血液, 腎臓, 肝臓から高値の鉛が検出されたために鉛中毒と診断された.
著者
豊満 義邦 長谷 学 溝下 和則 北野 良夫 福山 孝人
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.432-435, 1990
被引用文献数
1 1

1987年9月鹿児島県の其養豚農家で, 子豚が生後8日までに6頭急死する事例が発生した.検査した子豚3頭の臨床・病理・細菌学的所見では特記すべきものは得られず, 有意菌も分離されなかった.しかし, ウイルス学的検査では2頭の各実質臓器でESK細胞に細胞変性効果を示すウイルスが分離された.このウイルスは理化学的, 生物学的および血清学的性状からトガウイルス科のアルファウイルスに属するゲタウイルスと同定した.<BR>なお, 急死直前の子豚, 同腹豚, 母豚からの分離ウイルスに対する中和抗体価は全て<2であったことから, この疾病は分娩後, ゲタケウルスに感染したものと推測された.