著者
高山 佳久 豊嶋 守生 竹中 秀樹 門脇 直人
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J94-B, no.11, pp.1443-1451, 2011-11-01

衛星通信において,将来の大容量伝送のための技術候補である光通信について述べる.これまでに衛星を用いて行われた実験の成功例を整理し,世界初を冠する三つの実験成果が日本の技術によって得られていることを示す.この中で特に,2005年に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の光衛星間通信実験衛星(OICETS)と情報通信研究機構(NICT)の協力で実施した低軌道衛星と地上局間の双方向光通信実験に着目し,その成果を述べる.大気の影響を被る光通信の実施結果とともに,地上局に備えた大気の影響を低減する手法の効果を示す.また,世界的にも検討が加速されている宇宙光通信技術について,現在進行中の計画と宇宙機関の会合で最近始まった標準化の議論について紹介する.
著者
飯田 尚志 門脇 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.86, pp.45-52, 1996-05-31
被引用文献数
3

米国のNII, GII構想に触発される形で,我が国の情報通信基盤に関する議論が活発となり,情報通信基盤技術に関して米国との遅れも明確になったことから,関連の研究開発の強化政策についてもかなり議論が行われている.ここでは,まず,米国の情勢について,NASAのACTS衛星実機とその成功に刺激された形での多くのKaバンドシステムが提案されていることを述べ,代表的なシステムとして,SpaceWay, AstroLinkおよびTeledesicシステムを概説する.次に,我が国の情報通信基盤に関する政策を述べ,1995年からは衛星通信と光ファイバが調和をとって整備されるべきことが認識されており,実験用高速通信衛星計画および日米高速衛星通信実験,G-7実験並びにN-STARを用いる実験が計画されていることを述べる,最後に,今後の課題について述べる.