著者
関 雅文 朝野 和典
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3522-3526, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
14
被引用文献数
3

わが国では肺炎診療においてさまざまな血液検査所見が利用されているが,その中でもCRPが特に重要なマーカーとして汎用されている.CRPは肺炎の重症度とは必ずしも一致しないとされていたが,最近の院内肺炎や市中肺炎ガイドライン検証のための全国調査では,再び予後予測因子としての有用性も実証されつつある.プロカルシトニンなど他のバイオマーカーも含め,その長所短所を理解しながら,これらを実地診療に応用していくことが肝要である.
著者
関 雅文 朝野 和典
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.11, pp.2882-2887, 2013
被引用文献数
1

医療・介護関連肺炎(NHCAP)は日本独自の肺炎の概念である.2011年に発刊されたガイドラインでは,耐性菌に配慮しつつも,誤嚥性肺炎を中心とした高齢者肺炎に特に焦点を当て,治療における倫理的配慮も盛り込まれている.高用量ペニシリン系薬を中心とした抗菌薬治療の一方,今後の肺炎診療において,ワクチンに代表される予防や感染制御の考え方が,特に重要であることが示唆されている.
著者
関 雅文
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.174-178, 2019-11-30 (Released:2020-01-28)
参考文献数
4

肺炎はガイドライン2017において,市中肺炎,院内肺炎,医療・介護関連肺炎がいったん統合される形で診療されることになった.但し,A-DROPシステムがSOFA/qSOFAシステムと併用されて重症度の判定に使用され,定型・非定型肺炎の鑑別法も引き続き使用される.抗菌薬はペニシリン系薬を軸とする基本的考え方は今後も同様であり,インフルエンザ診療でのワクチンなど,予防的対応にも重点を置くことが改めて確認された.