著者
関口 安義
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.120-89, 2006-03-01

東京上野の国立西洋美術館には、松方コレクションと呼ばれる西洋の絵画・彫刻・工芸品、特にフランス印象派の絵画とロダンの彫刻で知られた美術収集品がある。実業家の松方幸次郎が大正後期から昭和初期にかけて収集したものとされている。この松方コレクションは、すぐれた美術鑑賞眼を持つ成瀬正一の協力のもとになったことは、意外と知られていない。国立西洋美術館は開館当初こそ松方コレクションが成瀬正一の助力で形成されたことを小さく報じていたものの、一九九八(平成一〇)年秋の改築後は、そのいわれを記した案内板も消え、『国立西洋美術館名作選(1)』という立派なカタログの高階秀爾の「序文」にも、成瀬正一の名はない。本論では、芥川龍之介の友人成瀬正一の松方コレクションとのかかわりを中心に、同時代青年の文学と美術への関心に光を当てることとする。本論もわたしの芥川研究の一環である。
著者
関口 安義
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.64-73, 1991

「『謀叛論』と芥川龍之介」というテーゼは、厭世的・芸術至上主義的にのみ芥川文学を考えるこれまで支配的だった芥川観を訂正するため導き出されたものである。芥川は徳冨蘆花の<謀叛のすすめ>を見事に文学化することに成功した作家である。本論は同時代人共通の課題として「謀叛論」をとらえた芥川と同僚松岡譲、一方、その問題提起を聞き逃した菊池寛・久米正雄のその後の歩みが、奇しくも彼らの文学上の歩みと一致するものであったことを論じる。
著者
関口 安義
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.46-58, 1972-03-20
著者
関口 安義
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145975)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.120-89, 2006-03-01

東京上野の国立西洋美術館には、松方コレクションと呼ばれる西洋の絵画・彫刻・工芸品、特にフランス印象派の絵画とロダンの彫刻で知られた美術収集品がある。実業家の松方幸次郎が大正後期から昭和初期にかけて収集したものとされている。この松方コレクションは、すぐれた美術鑑賞眼を持つ成瀬正一の協力のもとになったことは、意外と知られていない。国立西洋美術館は開館当初こそ松方コレクションが成瀬正一の助力で形成されたことを小さく報じていたものの、一九九八(平成一〇)年秋の改築後は、そのいわれを記した案内板も消え、『国立西洋美術館名作選(1)』という立派なカタログの高階秀爾の「序文」にも、成瀬正一の名はない。本論では、芥川龍之介の友人成瀬正一の松方コレクションとのかかわりを中心に、同時代青年の文学と美術への関心に光を当てることとする。本論もわたしの芥川研究の一環である。
著者
関口 安義
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145969)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.196-165, 2005-09-01

成瀬正一は一高・東大時代の芥川龍之介の友人である。二人に久米正雄・松岡譲・菊池寛を加えての同人誌が、文学史上名高い第四次『新思潮』である。成瀬正一は第一次世界大戦中に、戦火のパリを経て、ジュネーヴからレマン湖畔のヴェルヌーヴに滞在中のロマン・ロランを訪ね、戦争や平和の問題、さらにはアジアやアメリカの問題を真剣に議論している。わたしはかつて『評伝成瀬正一』を刊行し、ロマン・ロランとの会見の様子も簡単に記した。 が、研究は日進月歩である。冷戦後のボスニア紛争をはじめとする民族間の争いを考える時、洋の東西、民族、人種、年齢を超えた二人の語らいは、二十一世紀のこんにち、新しい角度から評価される面をもって、わたしたちの前にあるのに気づく。新世紀を迎えた時点で成瀬正一の道程、今回は特にロマン・ロランとのかかわりに、いま一度光を当てようというのが本稿での試みである。これまた、わたしの芥川研究の一環である。
著者
関口 安義
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.76, pp.29-50, 2012
著者
関口 安義
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.64-73, 1991-02-10 (Released:2017-08-01)

「『謀叛論』と芥川龍之介」というテーゼは、厭世的・芸術至上主義的にのみ芥川文学を考えるこれまで支配的だった芥川観を訂正するため導き出されたものである。芥川は徳冨蘆花の<謀叛のすすめ>を見事に文学化することに成功した作家である。本論は同時代人共通の課題として「謀叛論」をとらえた芥川と同僚松岡譲、一方、その問題提起を聞き逃した菊池寛・久米正雄のその後の歩みが、奇しくも彼らの文学上の歩みと一致するものであったことを論じる。
著者
関口 安義
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.1-11, 1982-06-10 (Released:2017-08-01)

1926 was a memorable year for Aono Suekichi. Having resolved to withdraw from political activity in order to devote himself to literary criticism, he found himself a man of the times. He produced a flurry of articles and was drawn into a number of debates, the most important being, of course, that concerning goal-consciousness. This argument was to linger on into 1927. Other than this much-publicized debate, Suekichi experienced two others in the course of 1926. One involved Hirotsu Kazuo, and the other, Masamune Hakucho. Both of these debates provide useful material for understanding the Aono Suekichi of 1926, the Aono Suekichi, that is, who proclaimed the theory of goal-consciousness. This essay attempts to trace the development of this theory by examining the two less-known debates.
著者
関口 安義
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
2000

制度:新 ; 文部省報告番号:乙1541号 ; 学位の種類:博士(文学) ; 授与年月日:2000/6/13 ; 早大学位記番号:新3007 概要書あり
著者
関口 安義
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.1-21, 2011
著者
関口 安義
出版者
早稲田大学国文学会
雑誌
国文学研究 (ISSN:03898636)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.82-96, 1974-10-01