著者
川畑 秀明 関口 達彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.82, pp.37-42, 2008-08-29

視線はコミュニケーションにおいて他者の心を理解する上で重要な役割を果たしている。これまで,他者の視線方向が示す位置方向へ自動的 (反射的) な注意シフトを起こすことが心理学的に知られており,視線が向いた方向に提示されたターゲットに対して反応が促進される。本研究では,線画顔刺激において刺激提示時間を変数に,視線の意識的気づきに求められる時間的閾値を測定し,線画顔の瞳の位置を横線に置き換えた刺激,目の位置を矢印に置き換えた刺激の測定とともに比較・検討した (実験 1) 。その結果,顔刺激<矢印刺激<横線刺激の順に位置方向検出に必要な時間は長くなることが示された。次に,線画顔刺激のみを用いて,顔刺激の刺激提示時間を変数に顔刺激の後に提示されるターゲットの検出について,提示時間が閾上/閾下である場合とで検討した (実験 2) 。その結果,視線が意識的に気づく条件でも,気づかない提示条件でも,ターゲットに対する自動的シフトは起こらないが,むしろターゲットが視線手がかりに対して無効な場所に提示される場合において,抑制的な働きを持つことが明らかになった。Facial gaze seems to be very important for understanding others' mind in human communication. Automatic or reflexive attentional shift in response to another individual's gaze direction has been reported. In this study, we examined temporal thresholds to be seen whether direction cue in line drawing stimuli shows right or left side, in face gaze cue , horizontal line cue, and arrow cue, by presenting in different stimulus durations (Experiment 1). This showed the temporal limit in face gaze was much faster than one in line cue and arrow cue. Also, we tried to determine temporal point supraliminally or subliminally that the cue direction can be perceived with or without awareness. We next examined whether automatic attentional shift to a target can occur with or without awareness of the gaze direction, as a function of presentation duration of face gaze cue (Experiment 2). The reaction time needed to localize the target was consistently shorter for valid than invalid gaze cues, but the reaction times were almost constant both in subliminal and suplaliminal duration times.
著者
関口 達彦 川畑 秀明
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.6, pp.1017-1024, 2011-06-01

脳活動の計測手法と解析手法の発展により,Brain-Machine Interfaceのように脳活動から情報を取り出す技術の研究が盛んである.本論文ではその手法を対象物に対する「選好」の推定に適用し,商品(腕時計)のデザインを脳活動から評価する可能性について検討を行った.機能的核磁気共鳴撮像法(fMRI)によって計測した全脳の活動信号データを対象として,提示された個々の腕時計の画像に対する被験者の選好(好き嫌い)を推定したところ,「好き/嫌い」の2択で74.4%,「好き/どちらでもない/嫌い」の3択で54.2%とチャンスレベルよりも統計的に優位に高い正解率で選好を推定できた.以上のことから,脳活動を用いて商品のデザインに対する選好の推定が可能であることが示された.この結果から,選好評価に応じた脳活動部位の解析の信頼性について検証する方法を提示するとともに,アンケート調査結果の信頼性を明らかにするものとして脳活動の多変量パターン解析が有効であることを議論する.
著者
関口 達彦 木村 哲也 山田 淳 河野 永治
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:06272997)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.684-685, 1995-03-20

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