著者
古谷 時春 鎌田 則夫 今井 政人 關 豊 喜久里 政宏
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.46-54, 1994

大都市部における鉄道高架化工事では, 狭隙, 各種作業の競合, 使用重機の制限といった制約条件が多い。このような条件のもとでプレキャスト化を行うために, 東北線赤羽駅付近高架化工事を例にとり, 構造, 工期, 経済性等について在来工法と比較検討した。このなかで, 東北客貨線の高架橋は, RCのプレキャスト板を使用するハーフプレキャストスラブを採用した。その後に建設される東北本線の2線2柱式ラーメン高架橋等に対しては, 穴あきPC板の適用を計画している。本報告は, 各種検討結果および東北客貨線のハーフプレキャストスラブの工事概要について述べるものである。
著者
關 豊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.63-73, 2011 (Released:2011-03-18)
参考文献数
25
被引用文献数
2

わが国の鉄道は,政府の近代化政策のトップ・ランナーとして明治5 年(1872)10 月に新橋・横浜間で開業したのが始まりである.わが国の鉄道建設は,殖産興業を急ぐため同時並行的に鉄道網を整備する必要があったことから請負契約を多く採用してきた.わが国の請負契約と積算は,紛れもなく鉄道工事が先駆けとなって発展してきた.この史実に基づき,本論文は鉄道工事における請負契約と積算の歴史的変遷を明らかにすることを試みた. その結果,a) 個別の工事の都度請負契約書と仕様書が定められた“創成期”,b) 請負契約書と仕様書の書式が統一化され発展した“成長期”,c) 組織的に予定価格の体系,積算の方法,歩掛等が標準化された“成熟期”の3 区分に大別できることを明らかにした.