著者
谷川 恭雄 森 博嗣
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.4-16, 1987
被引用文献数
2

コンクリート施工のロボット化を初めとする新工法の開発や, 流動化コンクリート, 繊維補強コンクリート, 水中コンクリートなどの各種コンクリートの開発にともない, フレッシュコンクリートの流動性をより科学的な視点に基づいて評価することの必要性が高まってきている。本稿では, 現在フレッシュコンクリートのコンシステンシー判定法として広く利用されているスランプ試験について, レオロジー的な観点からの見直しを行うことを目的として, スランプ試験のメカニズム, スランプ試験によって測定される値の物理的意味, フレッシュコンクリートの流動シミュレーション方法, スランプ試験を拡張してレオロジー定数を推定する方法などに関する研究の現状を紹介する。
著者
前川 明弘 畑中 重光 三島 直生 湯浅 幸久
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.24-32, 2008

ポーラスコンクリートはその内部に連続空隙を有し, 植生ブロック, 透水性舗装など様々な分野での利用価値が高く, 新たな用途開発が積極的に行われている材料である。しかしながら, これまでのポーラスコンクリートに関する研究では, 使用する粗骨材粒子径が2.5~20mm程度の範囲であり, 得られる空隙径にも限界があった。そこで著者らは, ポーラスコンクリートの適用範囲を大幅に拡大させることを目的として, 骨材粒径を小粒径から大粒径 (骨材粒径範囲 : 0.6~400mm) まで変化させたポーラスコンクリートの製造方法や各種特性について検討した。本稿では, 粒径400mm程度のコンクリートがらを使用した大粒径ポーラスコンクリ。トの製造と, 魚礁ブロックとしての適用性について紹介する。
著者
舟川 勲 牛島 栄 宮川 豊章 山本 泰彦
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.3-11, 2005
被引用文献数
1

本稿は, 2005年4月に発刊された土木学会コンクリートライブラリー119「表面保護工法設計施工指針 (案)」について, その概要を取りまとめ, 紹介するものである。すなわち, 指針 (案) では, 有機系被覆工法, 無機系被覆工法, 表面含浸工法, 断面修復工法の4種類の工法を包括した表面保護工法の適用の基本的な考え方を規定し, 「表面保護工法工種別マニュアル編」では, それぞれの工種別の設計・施工方法および維持管理方法を記述している。ここでは, 指針 (案) の概要について紹介するとともに, 各工法の適用事例について併せて紹介する。
著者
川西 泰一郎
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.46, no.9, pp.120-124, 2008
被引用文献数
1
著者
掛貝 安雄 立沢 卓郎 市川 喜彦 田中 健治郎
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.47-55, 1979

現在, 東神奈川駅前に建設中のT ビル(SRC 造 25 階建, 最高高さ79.5m)新築工事では, 最近開発されたコンクリート流動化剤の現場添加方式を全面的に採用して, コンクリートの品質向上と施工性の改善に成果を挙げている。本工事のうちで特に画期的な成果は, 上記方式により単位水量181l/m<SUB>3</SUB>, ベーススランプ18cm, 比重1.6の2種軽量コンクリートを最高部までポンプ圧送することに成功したことである。本文では, 本工事のために組織したコンクリート材料施工委員会の役割, 流動化剤に関する各種現場実験, 25階部の施工記録などを概説する。
著者
古谷 時春 鎌田 則夫 今井 政人 關 豊 喜久里 政宏
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.46-54, 1994

大都市部における鉄道高架化工事では, 狭隙, 各種作業の競合, 使用重機の制限といった制約条件が多い。このような条件のもとでプレキャスト化を行うために, 東北線赤羽駅付近高架化工事を例にとり, 構造, 工期, 経済性等について在来工法と比較検討した。このなかで, 東北客貨線の高架橋は, RCのプレキャスト板を使用するハーフプレキャストスラブを採用した。その後に建設される東北本線の2線2柱式ラーメン高架橋等に対しては, 穴あきPC板の適用を計画している。本報告は, 各種検討結果および東北客貨線のハーフプレキャストスラブの工事概要について述べるものである。
著者
森 拓也 山本 徹 為広 尚起 二羽 淳一郎
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.12-20, 2001
被引用文献数
1

近年, さかんに建設されている長支間を有するコンクリートアーチ橋について, その長大化の歴史およびアーチ形状, 部材, 施工法などの実績を調査した。また, コンクリートアーチ橋のさらなる長大化を想定し, 支間600mのアーチ橋の検討を行い, 今後のコンクリートアーチ橋の長大化に関する材料, 設計, 解析, 施工方法についての課題について述べる。解析については, アーチ橋の特性を考慮した, 耐震設計や不安定解析についても言及している。
著者
武若 耕司
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.16-23, 2007-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

シラスコンクリートは, 用いる細骨材の全てをシラスとしたコンクリートと定義される。シラスは, 南九州に大量に存在する火砕流堆積物の総称であり, 乱した状態では砂状になることから, 以前よりこの地域では, 細骨材としての利用可能性について検討が行われていたが, 1990年代後半に入り, 海砂の採取規制に伴う代替骨材として着日されるようになり, 検討が本格化してきた。そして, 2006年1月に, 鹿児島県より『2005年制定 シラスを細骨材として用いるコンクリートの設計施工マニュアル (案) 』が発刊されるに至った。本文では, このマニュアル (案) の内容を基に, シラスコンクリートの主な特微, 配合設計法および施工&perp;の注意点などを概説するとともに, 実用化の事例ならびに今後の展望を示す。